【R18】月に叢雲、花に風。

蒼琉璃

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伍、義姉弟番い―後編―

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空き家に入ると、少し前まで人が生活していたような様子があり問題無く雨宿りが出来そうだった。幸運な事に、忘れさられた簡素な火鉢が二人を温めるのに役立った。自分からも、朔に夜伽をしたいなんて誘っておいて、心臓が破裂しそうな位に脈打っている。だけどこうして久し振りに仕事以外の二人の時間が持てると、会話したい事も沢山あるのに、繋がりたいという欲望が出てしまうのはふしだらな事だろうか。
 パチ、パチと火が揺れる音と共に布擦れの音が背後で響く。

「姉さん、着物を乾かそう……。体が濡れたままだと体が冷える。裸で抱き合えば温まるだろ」
「う、うん……、わっ、朔ちゃん、も、もう脱いだのっ」
 チラリと肩越しに振り返ると、陰陽師にしては程良く鍛えられた朔の裸体が見えて慌てて前を向いた。耳元でクスリと笑うと囁いた。
 背後まで近付くと腰を抱かれて肩に顎を置かれると黒豹が戯れるように息を吹き掛け囁いた。首筋にかかる吐息だけで、若菜の体は打ち震えてしまう。

「小さい頃は一緒に風呂に入っただろ、まだ恥ずかしい……? それにもう、俺は姉さんの恥ずかしい所全部見てるんだけど。さっきから全然脱げてないぞ、俺が脱がしてやるよ。座ってくれ」

 確かに幼い時は一緒に入った事もあるけれど、義弟は元服もしている。夜伽だって今日で3回目と日も浅い。男性らしくなった彼は、やはり幼い時とは違い成人した男性だ。

「そ、それはそうだけど……だってまだ明るいし、……あっ、あっあ、やぁ、んっ、耳……だめ、よわっ…」

 胸板にもたれながら、濡れた巫女服を丁寧に脱がされる途中で、舌先で耳朶から輪郭を優しくなぞられると甘い吐息が漏れた。背中の産毛が逆立つような、ゾクゾクと這い上がる快感を感じ蕩けそうになって根をあげた。

「――――知ってる」

 低く囁くと、左指先を首筋に這わせて撫で、左耳朶まで辿り着くと、耳の裏、輪郭、耳朶をゆっくりと上下に撫でる。その間も舌先で耳の溝を舐め、甘噛みする。腰が抜けてずるずると体が縮こまる若菜を、朔は執拗に愛撫すると堪らず腕に縋りついた。

「ああっ、あっ、んっ、ほんとに、だめ、朔ちゃん、あっ、あぁ、やっぁっ、いじわる」
「姉さんが可愛いのが悪い……ん……」
「んっ……んっ、ふっ、んんっ……はふ」

 縋りついてきた義姉の指に指先を絡めて、畳に横たえると潤んだ瞳の若菜に口付ける。舌唇を含むような優しい口付けから、徐々に飲みこむように舌先を絡ませられると、舌先の触れる場所全てが気持ちよくて、まるで媚薬を飲まされているような夢見心地だ。名残惜しむように朔が唇を離すと、不意に首筋に視線を落として目を細めた。
 若菜の鎖骨と首の根元に、口付けの痕が残っているのに気付いた。指先で其処をなぞられ、若菜は由衛にきつく痕付けられた事を思い出して、心が心底冷えた。式神との儀式は彼等を使役する為に必要な事だが、やはり罪悪感は隠せない。それに、先日出合い茶屋での出来事は儀式とはかけ離れてしまっているように思えた。

「――――この痕、由衛か?」
「……う、うん……」

 僅かに安堵したのは、師匠と言う絶対的な立場を利用して愛弟子の義姉に陰陽の秘術を授けると騙し、処女を奪い、躾と称して淫らな関係を持とうとする光明の――――あの男の痕ならば殺意しか沸かない。
 あの男の側近になるべく実力をつけ、あの男に気に入られるように取り入り、全く興味の無い男色の相手をする小姓になったのも、全て若菜を魔の手から護る為だった。
 だが、好色なあの男は自分や外に作った愛人達だけでは満足せず、若菜を傷付けた。
 何れ、組織の反乱分子達を纏め幕府の後ろ盾で陰陽頭になれば土御門光明を破門し、あの男をキョウの都から永遠に追放する。

「朔ちゃん……怒って……あっっ、はっ、あんん……ひぅっ……」
「そうだな……儀式ならば怒らない、だが……この痕は許せないな。姉さんは俺のものだから、ん……全部俺の痕に変えてやる」

 そう言うと薄っすらと痕がついた処女雪のような肌に唇を這わせて、強く吸い付く。大きな右手で背中の性感帯を丹念に撫でられると魚のように腰が跳ねた。繋いだ指先が離れて手首から腕までまるで体の隅々まで性感帯を探るように撫でられると、局部を愛撫されてもいないのに体が打ち震える。
 体のあちこちに自分の物だと知らしめるように痕を付けると、柔らかな乳房を優しく揉まれ薄桃色の乳輪まで舌先を這わせると朔は潤んだ瞳の若菜を見つめる。胸の蕾を無視して追い詰めるように乳房から乳輪ぎりぎりまで舐められると彼の頬に手を置いて若菜は切なくお強請りしてしまう。もっと、もっと気持ちのいい場所に触れて欲しい。

「あっ、あぁっん、朔ちゃん、そこじゃな、舐めて……」
「姉さん、ほんとに、可愛いな……固くなった此処がいいの? 今からそんな煽るなよ……また激しくしてしまいそうだ」

 僅かに頬を染めると、朔は薄桃色の乳輪を丹念に舐め、敏感で繊細な胸の蕾を舌先で優しく円を描くように舐められると溶けた蜂蜜のような甘い声が上がった。その感も局部には触れず太腿や内股を撫でて体を解されると、じわりじわりと蜜壺から愛液が溢れてくる感覚が分かって思わず足を閉じようとして、大きな掌で制された。

「やぁ、はっ、はぁっ、朔ちゃん、あっ、あん、焦らさないで、あっあっ……お願い、アソコ触って……」
「……はぁ、俺でしか感じないように、姉さんの気持ちいい場所を全部開発しないとな。……触るだけ? 舐めて欲しい……?」
「朔ちゃん……好き、はぁ、朔ちゃん…だけを感じるようにして……うん。舐めて欲しいの……」

 朔に問われると、若菜は素直に感情が溢れてそう訴えると、思わず朔は深いため息付いて頬を染めると若菜の下腹部に口付けた。

「……っ……何で、そんなに……。なぁ、無意識なのか? 今日は……もう、知らないからな」

 若菜の下腹部から、恥毛の無い亀裂まで口付けると、ゆっくりと両脚を開いた。先程の愛撫で僅かに濡れた桜色の女陰に誘われるように舌先で亀裂をなぞると、盛り上がった恥丘を舐め、閉じた花弁に舌先で分け入ると、花芯の根元ぎりぎりまで下からゆっくりと舌を這わせた。
 義弟の指も舌先も、一瞬触れられただけで登りつめてしまう程気持ちが良い。運命の人に触れられたらこうなってしまうのだろうかと、ふわふわした意識の中で思いながら、堪らずに腰を引いてしまうとしっかりとした腕で阻まれた。

「あっあっ、あっ、あんっ、やっ、やっ、朔ちゃん……っ、はぁっ、ん~~っ、気持ちい、やっ、だ、だめ、あっう、きもち、良すぎてこわっ…い」
「んっ……駄目だ、逃さない。もっと俺の舌で……はぁ、感じて……可愛い声を聞かせてくれ」
 
 蜜穴から溢れた愛液を、舌先に絡めるとあろう事か顔を埋めて菊座まで丹念に舐められ驚いて真っ赤になると彼の頭に手を伸ばした。構わず朔は珊瑚色の皺を舐め、初めて感じる快楽と背徳的な行為に若菜は耳まで紅くなった。

「やっ、ま、待って! 朔ちゃん、お尻なんて、汚いよ、あっ、あんっ、ゃっ、はぁっ」
「はぁ……ん、姉さんに汚い場所なんて何処にも無い……綺麗だ……だけど、もっと感じる場所を舐めてやる」

 そう言うと、ピッタリと花弁に吸い付き深く何度も口付ける。淫らな音を立てながら舌先で左右の花弁を均等に舐めると、ようやく小さな花芯にまで辿り着きゆっくりと口に含んでは舌先で円を描くようにゆっくりと舐めた。
 若菜は、ピチャピチャと鳴り響く粘ついた音に体を震わせ、思わず自分の指先で唇を塞ぐと、快楽の波が訪れる度に両脚が震えて足の指がピンと突っ張る。

「あっあっ、あっ、あん、ゃ、きちゃ、う、んん――――!!!」
「姉さん、もう気をやったみたいだな……。でももっと俺に溺れてくれないと困る」

 そう言うと、器用に花芯を唇で剥き熟れた珊瑚色の実を優しく舐められると呼吸が止まりそうになる位に快感が体を駆け巡る。
 剣を握る為か、少し骨ばった中指と人差し指に愛液を絡ませ、挿入する。入口から指を締め付け誘い込むように不随意ふずい蠕動ぜんどうする壁は指だけでも心地良さを感じる程の名器だ。柔らかな華の香りのような蜜も欲情を誘うには十分で、甘い囀りは嗜虐心と欲情を煽った。

「やっ、あぁぁっ、あっ、や、やぁ、さく、ちゃ、あっ、あっ、あっ、やめ、おかしくなる、さっきより、きもちいい、あっあっあ、やぁん、気をやったばかり、はぁ、なのにっ、あぁっ、やっ、―――――っっ!」

 若菜を追い詰めるように、舌先で露出した実を素早く舐め、一定のリズムで指の関節を動かすと堪らずに愛液が大量に飛び散り朔の体を穢した。頭が真っ白になり、義弟の指を強く締め付けると脱力する。
 快楽に琥珀の瞳を濡らして、荒い呼吸を整える愛しい恋人の額に口付けると、不意に若菜が彼を見上げて言う。

「はぁ、はぁ、私ばっかり……朔ちゃん……にもしてあげたいよ……はぁ、はぁ」
 
 先日、式神の吉良に教えて貰った口淫を朔にしてあげたい。勇気を振り絞ってそう言うと、朔は少し目を見開き僅かに笑った。

「――――紅雀に言われたのか? 姉さんはそんな事、別にしなくて良いんだぞ」
「で、でも……私だって朔ちゃんを気持ちよくさせたいの、駄目?」

 拗ねるように言う若菜が愛しくて抱きしめると、ふと思い付いたように妖艶に口角に笑みを浮かべた。元より口淫の技術を若菜には求めてはいなかったがその気持ちが嬉しい。

「なら、姉さん……俺に跨って舐めてくれるか? 俺の魔羅は姉さんの口じゃ、全部入らないから辛くなったら辞めて良いからな」
「……? 上に跨るの……?」

 確かに、天を仰ぐ朔の陰茎は由衛や吉良に比べて大きい。若菜は頬を染めて頷くと戸惑いながら彼の体にまたがる様に臀部を彼に向ける。こんな、恰好は初めてで、彼の顔に臀部を向けるなんて恥ずかしくて仕方無いが、おずおずと両手で既に勃起して脈打つ陰茎を撫で始めると、舌先で先端を舐めた。 

「ん……、朔ちゃん……好き……大好き……んぅ」
 たどたどしい舌先で、元より期待はしていないが健気に亀頭を舐めている様子を見ると、自然に吐息が漏れる。そして、不意に朔が腰に手を回して引き寄せると濡れそぼった若菜の亀裂に舌を這わせると若菜はくぐもった悲鳴をあげた。
「やっ、んっ……んぅ、や、やっ、あっ、だめ、朔ちゃん、あっ、はぁっ……やぁん」
「はぁ……疎かになってるぞ、姉さん……んっ、俺を気持ちよくさせるんじゃなかったのか?」

 可愛い反応をする若菜につい、意地悪い言葉を投げかけると必死に唇で先端を覆い口付けるように吸い付く。心地良さに目を細めながら、中指だけを義姉の蜜穴に挿入し、先程より素早く動かし、舌先で舐めれらると堪らずに口から陰茎を離してしまった。
「あっ、あっ、さく、ちゃん、舐められたら、できないよ、あっ、やぁっ、あっ、あっ、ひっ、やぁ、あ、やっ、やぁぁ!!」
 若菜の抗議は無視して、感じる蜜壺を追い詰めるように壁を擦ると舌先で生き物のようにうねって、逃げようとする華奢な腰を引き寄せるとそのまま絶頂に達した。
 元よりこうして若菜を感じ易い体を奉仕して気をやらせる事か目的だったので、花弁を濡らす甘い蜜を舐めとり、若菜を再び横たえた。

「はぁ、朔ちゃん……意地悪、私がするって言ったのに……はぁ」
 涙目になりながら、不満を漏らす若菜に口付けると、朔の黒く妖艶で野生的な瞳が熱を持ち細められると耳元で囁かれた。

「ごめん、でももう我慢できない、若菜、挿れていい?」
「……っ、朔ちゃん……ずるいよ、そんな声で言われたら……」
「嫌か?」
「……嫌じゃないよ、朔ちゃんと一つになりたい」

 若菜、と名前を呼ばれると心臓が激しく脈打つ。朔は普段の様子と違い大きな猫が甘えるように、上手な年下の駆け引きをされると、ただただ可愛くて愛しくて全身が紅潮する。
 愛液を絡ませるように、亀裂をなぞるとゆっくりと蜜穴に挿入させ体を密着させる。分け入った蜜壺がピッタリと陰茎に絡みつき、根元と先端を締め付ける。子宮口まで誘うように蠢く内部に、思わず朔はうめき声をあげた。
 若菜も、まだ少し圧迫感を感じて苦しげにしていたが、自分の膣内なかにある朔の存在が心地よくぎゅっと目を閉じた。

「はっ、……きつ、挿れただけなのに、ほんと……くっ……痛くないか? 若菜、俺の腰に足を絡めて抱きついて」
「はぁ、っ……大丈夫、はぁ、こ、こう? でもこれ、恥ずかしい……よ」
「はぁ、でもこうしたら、安心するだろ? 動くぞ……っ、はぁ……」

 若菜の華奢な体を抱きしめると、密着するように義弟の背中に両手を絡ませるとそれを合図に、朔は腰を動かし始めた。二人の結合部から淫らな愛液が飛び散り、若菜は朔とでしか感じた事の無い極上の快楽にあられもなく蜜を溢れさせていた。

「あっ、はあっ、あんっ、やぁ、あっ、あっ、あっ、凄い、はぁっ、やぁ、朔ちゃん、んっ…ん、んぅ……んんっ、奥まで、きちゃう」
「はぁ、んっ……あっ、若菜、俺だけのものだ……、若菜、愛してる……っ、はぁ、駄目だ、優しく出来ないかもっ……知れんっ……」

 唇を奪われ、舌を絡めると二人の体が汗ばんでくる。義弟なのに、許されぬ近親相姦と知っていても愛する運命の人との夜伽は幸せで思わず涙が出てしまう。
 朔に激しく抱かれて壊されたいとさえ願ってしまう。
 黒豹が獣性に目覚めるように激しく若菜を貪り腰をくねらせると堪らずに朔の胸板の下で昇り詰めて体を震わせる。その様子が堪らない位に愛しく、朔は義姉の指に指を絡めた。

「やっやっやっ、あぁっ、また、イク、いっちゃう、あぁっ!! ああっ、あんっ……やぁっ、あっあつ、やっ、朔ちゃん……っ、もう、だめ、許して、何度もいっちゃ、――――っっ!」
「はぁ、っ、誰にも渡さない……っ、はぁ、俺も限界だ、若菜……っ、愛してる」

 若菜の両脚を抱えて、開脚させると上から覆いかぶさるようにのしかかると子宮口の入口まで深く陰茎が出し入れされ、愛液が飛び散りる。最後の仕上げとばかりに速度を早めて激しく動くと種付けをするように、膣内なかに白濁した欲望を注ぎ込んだ。
 若菜は虚ろな瞳で、注がれる熱い精液に打ち震えて小さく喘ぐ若菜を抱きしめ、朔は呼吸を整えた。

「姉さん、大丈夫か? また、激しくしてしまった……姉さんがあんまり可愛い過ぎて、俺……御免」
 激しく欲望を若菜にぶつけた事を反省するように優しく頭を撫でられると、彼の胸板に頬を寄せて抱きつくと幸せそうに微笑んだ。

「ううん、大丈夫。痛くなかったよ……でも凄く眠くて………んー」
「そうだな、小雨になったみたいだが着物もまだ乾いてない。暫く寝てて良いぞ」

 若菜は疲労感からうとうとしながら、義弟の体温を感じていた。擦り寄ってくる恋人の頭を撫でながら、微笑んでいた朔だが不意に真剣な眼差しで若菜を見つめた。

「若菜、このまま何処か遠くへ逃げてしまおうか。俺達の事を誰も知らない土地に行って……二人だけで暮らそうか」
「……朔ちゃん……」

 若菜は頬を染めて、真剣な眼差しの朔を潤んだ瞳で見つめた。自分達の事を誰も知らない場所で、義姉弟としてでは無く後ろ指を刺されずに夫婦として暮らせたらどんなに幸せだろうか。
 何度も夢見ていた事だ。
 髪を黒く染めれば気付かれずに済むだろうか。だが、陰陽寮は公家や帝との癒着しており、公に出来ない秘密も多く抱ええいる。
 そんな組織に属し、側近と側近補佐の愛弟子が駆け落ちして追手が放たれない筈が無い。
 ――――忠誠心を重んじ、裏切り者を絶対に許さない光明なら尚更。
 きっと、朔もそれは重々承知している筈なのに、言えずにはいられなかった気持ちを思うと切なく、若菜は優しく微笑んだ。

「私は朔ちゃんが居る所なら何処でも幸せだよ」
「――――っ、すまない。もう少しだけ待ってくれ。俺は絶対に、姉さんを傷付ける者全てから護って、幸せにするから」
「私も、私も朔ちゃんを幸せにしたいの。二人で幸せになろうね」

 パチパチと、火鉢の音が部屋に響き、義姉弟は互いの体を抱き合うと強く誓い合い浅い眠りについた。


✤✤✤✤✤✤✤

 雨足が弱まった頃、蛇目傘じゃのめかさを差した美しい少年が軒下から離れた。鼻歌交じりに歩きながら、背後の雨に濡れたままの式神に声を掛ける。
 柔らかい癖のある黒髪から見える、その口元がニィッと残忍な笑みを浮かべた。

「なる程ねぇ、義姉弟つがいか――――。これはまた面白い事になってきたと思わない、鬼灯」
『はい』

 切れ長の瞳と長い黒髪の天狗の式神は無表情のまま、機械的に主人の問い掛けに返事をした。だが元より式神の答えなど何の興味の無いように続ける。

「それにしても、女って気持ちいいのかなぁ。陰間茶屋に居た時は女の客を取る前にこっちに来たからさ。って、お前に言っても仕方無いかぁ! アハハハッ、頼んでみようかなぁ~~光明【様】に」
『はい』

 鬼灯は僅かに薫る天の華のように芳しい霊力に反応するように、空き家をチラリと後目に見たが、軽い足取りの主人を追って無言で歩き始めた。
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