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No.041~No.045
しおりを挟むNo.041
石橋を叩き割って、自分で通れる橋を作っていく。誰かが作った橋を渡るのが一番簡単だ。けれど確認しなければいけない。あの人が渡っているからといって、あの人の実体が渡っているとはかぎらないからだ。橋が対岸に届いているのかも、わからない。その橋を自分の目で確かめて納得して、渡らなければ。
No.042
善意を詰め込んで、たくさんの正しさを振り撒くのだ。それはどこまで許される。どこまで許さないといけない。小さな幸せすら許されない、この世界を捨ててしまおう。光に満ちた世界の覇者は拾わない。小さな優しさや悲しみを拾ってくれるのは、慈愛に満ちたあの方なのだと、僕らは知っているのだから。
No.043
閉じ込めて。あれらをはやく閉じ込めて。誰に伝えればいい。僕だけじゃない、きっと貴方も感じているはずなんだ、あの禍々しいものを。ぐねぐねと僕たちを囲いこむ、あの大きなものを。昔の人は知っていた、あれらをどうするべきか。僕たちはずっと気づかずにいた…。閉じ込められたのは僕たちなのか。
No.044
僕らを置いて、加速する。振り向くことは許されない。立ち止まることも許されない。言語道断。まさに言葉を使う時間すら、僕たちに残さない。もしかすると息をすることすら許可しない。そんな加速に誰が付いていけるのだろうか。世界は一体、誰をつれていくのか。選ばれた君は付いていけるのだろうか。
No.045
寒いさむい風が吹いて、ひらりひらりと舞い散るものをあの子が拾う。頭を下げ、腰を低くする寒空の中。あちらにもこちらにも散らばっている。あの子が拾う。そして、僕は気づくのだ。これはあの子が落としたものではなく、誰かが落としたものだったと。それなのに、あの子は僕にありがとうと言うのだ。
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