25 / 31
025 紳士と淑女のハザマで(グロ)
しおりを挟むこれは……現実なのだろうか。私は此処に存在しているという意識はあるのだが、しかし……。
「あら、お召し上がりませんこと」
テーブルについていたのは私一人だけではなかったのか。心もとないランプの明かりで、くっきりと顔は見えないが、ナフキンを手にして右手にいるのは淑女。
「そうですぞ。本日は、類い稀なるものが手に入ったそうではないですか」
いつの間にか紳士が左手に座っていた。染み一つない白いテーブルクロスが恐ろしいほどの不気味さを放っているそれを囲む奇妙な三人。 なぜだろう、気分が悪くなってくる。おかしい。さっきまで私は何をやっていたのだろうか。
「食べなくてはだめよ」
「食べるべきだよ、きみ」
目の前に出されている大皿に上品に拵えてあるものを見る。咽喉が生唾を嚥下することもできないくらいにからからに乾いている。息苦しい―――私は、恐怖を感じていた。
「ほら、御口を開けて。わたくしが食べさせてあげましょうね」
いやだ、やめてくれ。やめてくれ。
お願いだ。私は、
「そうだね。我々が食べさせて差し上げよう――……キミを、」
※お題025「ごちそう」
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※毎週、月、水、金曜日更新
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
※追放要素、ざまあ要素は第二章からです。
所詮は他人事と言われたので他人になります!婚約者も親友も見捨てることにした私は好きに生きます!
ユウ
恋愛
辺境伯爵令嬢のリーゼロッテは幼馴染と婚約者に悩まされてきた。
幼馴染で親友であるアグネスは侯爵令嬢であり王太子殿下の婚約者ということもあり幼少期から王命によりサポートを頼まれていた。
婚約者である伯爵家の令息は従妹であるアグネスを大事にするあまり、婚約者であるサリオンも優先するのはアグネスだった。
王太子妃になるアグネスを優先することを了承ていたし、大事な友人と婚約者を愛していたし、尊敬もしていた。
しかしその関係に亀裂が生じたのは一人の女子生徒によるものだった。
貴族でもない平民の少女が特待生としてに入り王太子殿下と懇意だったことでアグネスはきつく当たり、婚約者も同調したのだが、相手は平民の少女。
遠回しに二人を注意するも‥
「所詮あなたは他人だもの!」
「部外者がしゃしゃりでるな!」
十年以上も尽くしてきた二人の心のない言葉に愛想を尽かしたのだ。
「所詮私は他人でしかないので本当の赤の他人になりましょう」
関係を断ったリーゼロッテは国を出て隣国で生きていくことを決めたのだが…
一方リーゼロッテが学園から姿を消したことで二人は王家からも責められ、孤立してしまうのだった。
なんとか学園に連れ戻そうと試みるのだが…
異世界転生者のTSスローライフ
未羊
ファンタジー
主人公は地球で死んで転生してきた転生者。
転生で得た恵まれた能力を使って、転生先の世界でよみがえった魔王を打ち倒すも、その際に呪いを受けてしまう。
強力な呪いに生死の境をさまようが、さすがは異世界転生のチート主人公。どうにか無事に目を覚ます。
ところが、目が覚めて見えた自分の体が何かおかしい。
改めて確認すると、全身が毛むくじゃらの獣人となってしまっていた。
しかも、性別までも変わってしまっていた。
かくして、魔王を打ち倒した俺は死んだこととされ、獣人となった事で僻地へと追放されてしまう。
追放先はなんと、魔王が治めていた土地。
どん底な気分だった俺だが、新たな土地で一念発起する事にしたのだった。
月の目覚めの時
永田 詩織
ファンタジー
魔術という特別な力を持つが故に地上を追われ、自ららが創り出した“月”へと逃れた者達がいた。彼らは己を“月の民”と名乗り、国を興し、栄えさせていく。誰にも迫害される事なく、民の誰もが幸せに暮らせる世界を夢見て。
__やがて、とてもとても長い年月が過ぎ、話は一人の少年へと受け継がれる。名はロベルト。彼はまだ幼く、無邪気に日々を過ごしていた。そこにある幸せが、本当は当たり前のものではないとは知らずに。そして、彼が十五歳になった時、運命の歯車は回り始める……。
ずっと幸せな日々が続くと信じていた一人の少年が、ある事件をきっかけに現実を知り、少しずつ成長していく…そんな物語です。この話のテーマは“人の苦しみ”。誰しも、心に闇を抱えています。辛い事は皆違う形をしていて、それは他人にとってはたいした事でなくとも、その人にとってとても苦しいものなのだと私は考えています。少なくも、私自身はそうです。
これは、そんな私の心の闇から始まったお話。どうぞ、最後までお付き合いいただけたら幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる