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二人の王様
第51話 ???
しおりを挟む緒方遥の言っている意味が三人共わからなかった。
「修斗じゃなくて俺って、どういうこと?」
「どういうこと?」
「…あの詳しく話すと長くなるんですけど…」
「いいから話して」
「……去年のクラウンゲームで王冠をかぶった岩崎先輩の事を明央がかわ………」
「ちょーっと待ったぁ!」
嫌な予感が働いて緒方遥の口を塞いで離れたところまで横抱きに抱えて連れて行く。
「んぐぐー。」
「遥っ!…」
緒方につられて自動的に白山明央もついて来るから丁度いい。
「修斗?!なにしてんの?!」
「ちょっと、打ち合わせ。そこで待ってて」
「打ち合わせ?! なんだよソレっ?!」
二人に向き合うと真剣な顔して小声で聞く。
「おい、まさかさっき『可愛い』とか言おうとしてなかったか?」
「はい。」
やっぱりーー。
「その言葉言ったら、ここが昨日の裏庭みたいになるぞ。」
「ええっ!!」
「生きて帰りたかったらナギに向かってその言葉は絶対に言うな。」
「はいぃ。」
ナギの方へ振り向くと青筋が一つ増えていた。
「打ち合わせ終わった? 修斗早く戻ってきて」
「分かったな。絶対だぞ。」
二人はコクコクと頷いた。
ナギの傍まで行くと俺を後に追いやり二人の前に立って圧をかけてる。
「それで? 去年のクラウンゲームで俺がどうかした?」
「えっと…あの…んと…あ!」
緒方遥は一生懸命NGワードに変わる言葉を考えてやっとひねり出した。
「王冠を乗せられた岩崎先輩を見てた明央が『可愛いな』って言ったんです。その時、岩崎先輩を好きになったんだって分かったから…ボクは明央の願いを叶えたくて王様になったんです。でもそれももう無理だからお願いしに………」
「えっ?」
「ええっ?」
ナギと白山から驚きの声がもれて固まる。
「っ??ちょっと待て。それっておかしくないか?どうして、それが緒方と俺が付き合うって命令になったんだ?」
「…岩崎先輩に命令で強制的に付き合って貰っても好きになってもらえないと思うから、いつも一緒にいる辻先輩と別々になるようにして岩崎先輩には一人になってもらって、明央と偶然出会うようにしたり、ピンチの時に明央が助けに来たら好きになるんじゃないかと、高橋先輩と計画を立てました。」
「遥、お前なんてこと…」
「本当にごめんなさい。こんな事頼むのは筋違いと言われるのは分かってます。でも、明央と1日だけでいいんです。デートしてくれませんか。」
「………ふぅ、それで俺が彼とデートして俺にはなんのメリットがあるの?」
「それは…あの岩崎先輩には俺が身体で支払います。本当にお願いします。岩崎先輩。」
緒方遥はその場に土下座した。
「えええっ!!」
「身体で支払うって…」
゜ * ✳ 。* 。✳ * ゜
『あっ、岩崎先輩…♡』
『ふふ、可愛いね遥。ナギでいいよ。』
『ナギ先輩♡………あっ、やん♡』
『ヤじゃないでしょ。これからここ使うんだからね。』
『あああーーっ💗、そんな奥――♡、岩崎先ぱぁぁぃい💗』
『気持ちいいよ。遥。入れる方がこんなにいいなんて、もう修斗はいらないや。』
゜ * ✳ 。* 。✳ * ゜
二人の絡み合ったエロい姿が頭に浮かぶ。
「わーっ!!! ナギ駄目だっっ!!」
急いで緒方遥からナギを引き離した。
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