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二人の王様
第45話 溜め息×3 ー辻家の人々 目線ー
しおりを挟む***** 母親目線 *****
岩崎渚君を部屋まで送っていった息子二人がリビングに帰ってきた。
廊下でドタバタとお笑いタレントのようだったわ。
「二人ともあそこまで笑いを取りに行かなくてもいいのに」
「………」
「………」
「お母さん、あんな可愛いお嫁さんが来たら幸せなのに。」
「彼女飛ばして嫁かよ」
「だってちゃんと挨拶もできるし、肘ついたり、口開けたまま食べたりなんかしてないでしょ?それに後片付けも進んで手伝ってくれるのよ?あんな良い子がお嫁さんなら言うことないわよ。産まれてくる赤ちゃんも良い子で絶対可愛いわよ♥」
両手の指を組み、うっとりと天井を見上げて夢見ちゃう。
「しーっ!」
「しーっ!」
「あわわっ!」
またNGワードを言っちゃった。
気をつけなくちゃ。
でも可愛いものは可愛いんだもの。
言いたくなるわ。
だってこの前、長男の健一が連れてきた彼女は背が低くい所は可愛いポイント(?)にはなるんだけど
顔の良し悪しはともかくとして、
目つきが悪くて怖いし、
口の聞き方からして性格もかなりキツイ感じで
お友達にも、なりたくない感じの子だったわ。
本当に印象は良くないもの。
…岩崎さんとはまるで逆ね。
健一はどこが気に入ってあの子とお付き合いしているのかしら?
翼は彼女、まだみたいだけど、岩崎さんみたいな感じの女の子を連れてきて欲しいわ。
***** 辻 健一 目線 *****
お袋は笑いを取りに行かなくていいとか言ってたけど、俺は結構本気だった。
理想の女神が目の前に降臨しているんだぞ。(男だけど)
ミカ先輩のような鬼ババアじゃなくて、ガチの天使だ。
ミカ先輩は大学の同じサークルの先輩だった。
二十歳になったばかりの飲み会で………朝チュンの相手。
その上、ミカ先輩に俺の子供が出来たと言ってきた。
仕方なく親にあわせることになって…もうお先真っ暗だ。
その後、ミカ先輩に生理が来た。
「ごめんねー。生理不順だった見たい。」
「じゃあ、なんでもなかったんですね。」
「何んもなくないでしょ!ここで悪いことしたんだから!」
下品にも公衆の面前で俺の股間を触ってくる。
「うわあ」
「卒業したらすぐに結婚だね。」
ぞっとする。
もしかしてミカ先輩に俺ははめられたのかもしれない。
それからというものミカ先輩が俺のアパートに入り浸って
更なる既成事実を作ろうとするもんだから、
怖くなってアパートを引き払い、遠いが自宅から通学することにした。
流石に自宅には押し入ることはしなくてホッとした。
もちろん禁酒することにして一生酒は飲まないことにした。
ああ、岩崎くんのような可愛い女の子と付き合いたいな………。
***** 辻 翼 目線 *****
岩崎渚さん………♡
マジで可愛い。マジで一目惚れだよー。
岩崎さん…いや渚さん、本気で可愛い。
もう男とか女とかどうでも良くない?
本当に好きなんだけど!
こんなことお母さんにバレたら寝込んじゃいそうだから言えない。
「渚さんを元気づけるために笑いを取りに行ってる。」
そう思ってもらった方が良いよね。
明日は早く起きて渚さんをリビングで待っていよう。
少しでも渚さんと一緒に過ごしたいから♡
早く朝にならないかなー♡
*****************************
「はーー♥」
「はーー↓」
「はーー♡」
三人がそれぞれの思いで溜め息をついた。
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