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二人の王様
第41話 調べて (ちょびっと背後注意)
しおりを挟む口を塞がれてキッチンに戻されたはお袋はカンカンだ。
「なにすんのよ。鶏皮の料理ってなによ。」
「だからあの言葉は言ったら駄目だってさっき言ったばかりだろう」
「あ!…なるほど………そ、そう言うことなのね。気をつけるわ。」
リビングに戻ると兄貴が穴のあくほどナギを見ている。
ナギはきっと、自分が挨拶を失敗したとか思っているんだろう。
「修斗ぉ…」
「ごめんな、ナギ………兄貴!しっかりしろっ!」
ナギとの間に入って兄貴の体を揺さぶると正気に戻った。
やれやれ…
「あ、ごめん…」
「制服がボロボロだし、汚れているからナギが先に風呂に入れよ。着替え持っていくから。」
皆さんより先に入れないとか言って、遠慮しているナギの手を引いて風呂場に連れて行った。
俺は自分の部屋からナギが着れそうなスウェットとタオルを持っていくと、ナギはまだ風呂に入っていなかった。
「あれ、着替えを待っていたの?早く入ればいいのに…」
「違う。修斗…見ててくれる?」
ナギが目の前で制服を脱ぎだした。
「ちょっ、何してんだよ?」
「だって修斗に調べてもらうために、ここに来たんだよ。」
最後のトランクスを床に落とすと生まれたままの姿で俺の前に立つ。
「………ねえ、よく見て修斗。」
「わ、分かったから、そんな事しなくていいから!」
「やだ、調べて。」
ナギが俺に抱きついて泣きそうな顔で懇願してくる。
「お願いだから、俺を調べて。何もされてないって修斗に確認してもらいたいんだ。」
「本当に調べていいの?」
「うん」
上から順に、首筋、鎖骨、胸の可愛い飾り、お臍、背中………そのまあ、全部を隈なくチェックをした。
「はい、全部見たよ。どこも大丈夫だったから早く風呂に…」
「…見ただけじゃダメ、ちゃんと中、調べて。」
「えっ…?そこまでやらなくても…」
「やだ、やってよぉ。」
壁に手をついて俺に背中を見せて催促する。
「………わかったよ。終わったらすぐに入るんだぞ。」
「うん。あ、指には何も付けないで………だって濡らしたら何もないってわからなくなっちゃうでしょ。」
「それは…そうかもしれないけど、潤さないと擦れてかなり痛いんじゃないのか」
「いいの、調べて修斗」
ナギが納得できるならと仕方無く、蕾の中に指を1本だけ入れるけど やはり、潤滑剤がないから指がスムーズに入っていかない。
「ううー、うっ、ぅっ、っ」
「痛い?」
ふうふう 言いながら頷く。
「ごめんね。」
本人が望んだこととはいえ痛い思いはさせたくなかった。
なるべく痛くないようにゆっくりと中に指を進めて行く。
中は濡れている感覚はしない。
ゆっくりと蕾を傷つけないように指を引抜くとナギの強張った体から力が抜けてため息が漏れた。
指には何も着いていない。
ナギの体は綺麗なままということが証明された。
「入り口も固いし、中も外も濡れてなかったから、ナギの言う通り何もなかったってわかったよ。早く風呂に入って温まって風邪引くよ。」
「修斗も… 一緒に入ろ?」
うっ♡ ナギの魅力的なお誘いにぐらっと来るが、俺にはやらなくちゃいけないことがある。
「俺の着替えもタオルもないからダメ。」
「タオルは一緒に使えばいいじゃない、着替えは…」
ああ、裸でそんな可愛いおねだり顔しないで
ここに来てからずっと俺の中心が熱くて押さえ込んでいるの大変なんだから
「駄目だよナギ。高校生なんだから一人で入って下さい。」
「うー、いじわる。」
「いじわるじゃないだろ?ゆっくり浸かってきなよ。」
ナギの頬を撫でてあげると嬉しそうに笑った。
「うん。ありがと」
クールにドアを締めると俺はトイレに直行した。
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