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第二部

古代魔導具とロイヤル・ゼロ2※

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 部屋の中は大人が十人入ったら狭いだろうなと思うくらいの広さだった。レイモンさんが壁に設置してあるランプに火を灯してくれて、薄暗かった室内が明るくなる。部屋の中央に設置されたガラスケースに保管されているのが、ユベール様が言っていた古代魔導具とロイヤル・ゼロなんだろう。ユベール様が言った通り、ぱっと見は普通の白いワンピースだった。透明なガラスのような素材で作られたマネキンが纏う白いワンピース。首元には広い部屋に保管されていた宝石よりも大きな白い石のネックレス。両耳にも同じ素材の耳飾り。左手首にブレスレット、左手の薬指には指輪が嵌められている。この二つも白い石のような素材。そして、ガラスケースの左端に、美術館や博物館であるような説明文が記載されていた。

「がっかりしましたか? お父様とお母様も、この古代魔導具に触れて試してみたのですが、本来の姿には戻りませんでした。ですが、二人とも落ち込みはしませんでした。この古代魔導具は、約数千年前からこの姿だったようですから」
「数千年も……」
「古代魔導具は数が少なく、遺跡から発見されるのは全て破壊されたものばかりでした。その中で奇跡的に綺麗な状態で見付かったのが、この古代魔導具とロイヤル・ゼロです。しかし、何故王家のミシェル家とベルトラン公爵家が代々守り続けているのかも謎に包まれています。僅かに残った文献を解読すると、古代文明は今よりも魔法も魔導具も技術も発展していたようです。ですが、その文明は滅んでしまいました。何故滅んだのか、古代文明がどれほど発展していたのか、誰が古代魔導具を作ったのか、全て謎のまま」
「…………」
「期待外れですよね? 申し訳ありません。さあ、戻りましょう。ジャノ」
「ユベール様」
「ジャノ?」

 がっかりした? 期待外れ? まさか! そんなこと、思う訳がない! ユベール様の説明を聞けば聞くほど、目の前にある古代魔導具とロイヤル・ゼロがとても魅力溢れる貴重なものだと実感する。しかも、数千年も前からこんな綺麗な状態で保管されているなんて最早奇跡とした言いようがない! いくら魔法で劣化を防げるとはいえ、魔法だって万能じゃない。形あるものは全て例外なく劣化し、老朽化し、元の形を保てなくなる。どんなに大切に扱っていても、だ。それが、本来の姿ではないにしろ、こんな完璧な形で保管されているなんて!

「凄いです! ユベール様! 期待外れなんてとんでもない! 数千年も前からこの形で保管されていたんでしょう!? それって、とっても凄いことじゃないですか!」
「え?」
「ユベール様達のご先祖様が代々大切に保管してきたからこそ、俺は古代魔導具とロイヤル・ゼロをこの目で見ることができたんです! 数千年も前に作られた貴重なものを、ですよ! 力が失われているとか、ただのワンピースと石膏とか関係ありません! これが! この場に綺麗な形で保管されていることこそが奇跡なんですよ!」

 見れば見るほど凄いものに思えてくる。実際凄いものなんだけど。誰が、何の為に、何を思って、この古代魔導具とロイヤル・ゼロを作り上げたのか。それを考えるだけでもあらゆる可能性が出てきて俺の心を鷲掴みにする。これがロマンというヤツなのでは!?

「ジャノ。触って、みますか?」
「いいんですか!? だって、これ、世界遺産レベルですよ!? この世界にたった二つしか無いんですよね!?」
「ジャノが触りたいなら。きっと、この子達もジャノになら触ってほしいと思う筈です」
「お、お願いします! 絶対に壊しません! そっと、そおっと触ります! 約束します!」
「分かりました。レイモン。鍵を」
「かしこまりました」

 レイモンさんからガラスケースの鍵を受け取り、ユベール様がゆっくりとガラスケースをスライドして開けてくれた。ユベール様にエスコートされ、古代魔導具の目の前に立つ。ユベール様に「あ、あの、汚したくないので、手袋を」とお願いして、彼が身に付けている手袋を片方だけ貸してもらった。ユベール様の手袋、俺が身に付けるとブカブカだった。く! 体格差!

「か、感動です。古代魔導具に触れるなんて。それに、ロイヤル・ゼロにも……」
「喜んでもらえてよかったです。ジャノ」
「はい! 満足です! ありがとうございます! ユベール様! 君も、触らせてくれて本当にありがとう!」

 指でちょんちょんと触れるだけだったけど、俺はそれで満足だった。最後にお礼の意味も込めてネックレスの宝石をそっと撫でて、俺はゆっくり古代魔導具から離れた。はあ。とっても貴重な体験をした。嬉しい。

「それでは、ドレス選びに戻りましょうか。ジャノ」
「え!?」

 ガラスケースを元に戻し、レイモンさんが鍵をして、俺達は古代魔導具が保管されている部屋を後にした。ユベール様はドレスと宝飾品選びにかなり力を入れていて、俺は「ま、まだやるんですか!?」と思わず聞いてしまった。ユベール様は満面の笑みを浮かべて「勿論です! ジャノを美しく着飾らなくては!」と宣言して、俺の腰を抱いて最初の部屋へ戻った。か、勘弁してください! ユベール様!




 古代魔導具とロイヤル・ゼロを自分の目で見て、触れるという貴重な体験をした次の日。俺は足腰が立たなくなっていた。何故か? ユベール様が俺の身体を執拗に愛撫したからだよ! 結局、その日にドレスは決まらず、午後はステラさんに食事マナーや礼儀作法を教えてもらい、夕食をユベール様と共にして、お風呂に入り、後は寝るだけ、とベッドで寛いでいた時、ユベール様が暴走した。

「ぁあっ! ユベール、さま。そこ、やらあっ! ち、くび、感じちゃう、から……ひゃあん!」
「どうしたんですか? ジャノ。俺はジャノの凝り固まったココを、優しくマッサージしているだけですよ?」
「こん、な……マッサー、ジじゃ……ああん!」

 俺が寝る前にマッサージされるのも、身体にボディクリームを塗られるのも何時も通り。違うのは、ユベール様の触り方。あの風呂場での件があって以降、ユベール様は執拗に俺の乳首を捏ねくり回し、主張し始めるとピンピン指で弾いて、キュッと強く摘んでくるようになった。そのせいで少し乳首が大きくなっているような気がするし、触られる度に敏感になっているような気もする。更には……

「やっ! ユベールしゃ、まっ……どうじはっ、らめぇえええええっ! ぐしゅぐしゅ、しないれえっ! やぁああああああ! イくっ! また、イッちゃうか……ひぃ、あぁああああああっ!」
「あぁ。ジャノ。可愛い。今日も、上手にイけましたね。まだ暫くはどちらも弄ってあげますが、もう少ししたらこちらだけでイけるようにお勉強しましょうね」
「ぅん、ふぁ。ユ、ベール、しゃまぁ」
「とろんとしている顔も最高に可愛いですね。ジャノ。俺以外には、こんな可愛くていやらしい顔、見せちゃダメですよ?」
「は、ひ。ユベール、しゃま、らけ、れす」

 男の中心を大きな手でクチュクチュと扱かれ、先端をグリグリされ、爪を立てられ、気持ちよすぎて俺の息子は前よりもぐっちょんぐっちょんのどっろどろになり、アソコもアソコでユベール様の太くて長い指で奥の奥までぐっちょんぐっちょんに出し入れされ、俺はただただ喘ぐだけだった。そして最後には濃厚なキッス。しかも長い。長すぎてまたアソコと中心を同時に責め立てられ、乳首はチュウチュウ吸われた。同時はやめて! って言っているのに、ユベール様は止めてくれなかった。

「ジャノ。もっと気持ちよくなってください」
「ひぁ! きもち、い、ゆべーるしゃま、の、ぜんぶ、きもちいから……ぁあ! また、イく! イっちゃ、やぁああああああああ!」
「ジャノ」
「んむ、ふぁ。もっとぉ、キス、して?」

 その後のことはあまり覚えておらず、気付いたら朝になっていた。快楽に溺れて正常な思考回路ではなかったとはいえ「ユベールしゃま、らめれすぅ」じゃねえんだよ! 昨日の俺! なんかアソコもどんどん感じるようになっているし、ユベール様にどんどん強請るようになっているし。大丈夫か? 大丈夫なのか? 俺! というか、今迄考えないようにしていたけど、ユベール様って十八歳なんだよな? これって犯罪? ギリセーフ? どっち? どっちにしても色々とヤベエのは確かだ。このままじゃ俺、ユベール様無しでは生きられない身体になってしまうかもしれない!

「ジャノ。大丈夫ですか?」
「ユベール様」
「ごめんなさい。ジャノが可愛すぎて、つい。今日は休みましょう。無理をさせてしまいましたから」
「ぅう。ユベール様のせいですからね」
「分かっています。ごめんなさい。ジャノ。許してください」
「ん。ゆるす」
「ありがとうございます! ジャノ!」

 キスされただけで許してしまった。チョロいなんて言わないで。だって、だってユベール様が可愛いんだもん! あんなシュンっとした表情で見られたら許すしかないじゃん! 俺が「許す」って言っただけで満面の笑みを浮かべるんだよ!? 可愛いでしょ!? 可愛いよね! 可愛い以外認めない! あれ? なんか大切なことを忘れてねえか? 俺。ま、いっか!
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