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14 部活
しおりを挟むお昼休みが終わる15分前に彼は帰ってきました。
時間もないので、彼は黙々と食事をして、5分で昼食を食べ終えました。
「改めて、ごめんね。初日に食堂で一人なんて寂しい思いをさせてしまったね。」
「いいえ。用事は無事済みましたか?」
「うん。生徒会の用事自体はすぐに終わったんだけどね、ちょっと知り合いと話し込んでしまってね・・・本当にごめん。」
「そうだったんですね。」
知り合いと話し込んでしまったのですか。それなら仕方がないですよね。
楽しかったのでしょうね、きっと。・・・ご飯を忘れるくらいに。
「授業後は、しっかりと校舎を案内するから。ガゼル、俺の分の仕事も頼んだよ。」
「お前だけずるいと言いたいが、マイシスターのためだ。今回はお前の分まで俺が働いてやるよ。」
「悪いね。さて、そろそろ教室に戻ろうか。」
彼は席を立つと、私の前に手を差し出してきました。私はその手を取って立ち上がります。こういうものだと教えられたのですが、周囲の反応に違和感を感じて首をかしげました。
「あの・・・」
「教えられたとおりにできて偉いね。さぁ、行こうか。」
私は間違ったのかどうかを聞こうとしたのですが、その前に彼は笑顔を向けて正解だと言ってくれました。なら、この周囲の反応が変なのは気のせいでしょうか?
こちらを見て、顔を赤くする人間や青くする人間がいます。中には、口笛を吹く者も・・・
「初日からこうかよ。大変だな、マイシスター。何かあったらすぐに俺に言えよ、絶対助けるから。」
「ありがとうございます?」
「かわいいなぁ・・・変な男が近づいても、すぐに俺を呼ぶんだぞ?血祭りにするから。」
にかっと、白い歯を輝かせて笑う兄。これがシスコンという奴でしょうか?私たちは血のつながらない、書類上の兄弟ですがシスコンには関係がないようです。
授業後。全ての授業を終え、ホームルームで連絡事項などを聞き終えた生徒たちは、それぞれ部活動や委員会の集まりに行ったり、バイトのために先を急ぐ人やゆったりと友達と帰る人など、それぞれ自由な時間がやってきました。
何時間も授業を共にしたクラスメイトとも、今日はお別れです。
私は彼と共に今から校舎をめぐります。部活動の紹介もついでにしてくれるということなので、私は今日のうちに自分が入る部活を決めるつもりです。
まぁ、もう決まっていますけど。
私の目当ての部活は、彼とガゼルが所属する剣術部です。名前の通り、剣術を習う部活で貴族の子息が多く所属している部活のようですが、騎士の家系の女性もいるということで、私が入るのを拒まれるようなことはなさそうです。
家もクラスも部活も一緒なら、きっと寂しくありません!
生徒会の仕事中は離れますが、それ以外は離れるつもりはありません。多くの人間とかかわることも好きですが、何より彼と一緒にいられることが重要なのです。
彼にざっと校舎を案内してもらい、様々な部活を見学しました。見ていて楽しい部活、やってみたい部活はたくさんありましたが、やはり私は剣術部に入部することにしました。
「私、剣術部に入りたいです!」
「それは駄目だ。」
「え・・・」
却下されました。
まさか、彼に拒否されるとは思っていなかったので、私はしばし呆然となりました。
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