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19『にわかパーティー』
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「さすがにまずいようですね。行きます……」
フードを外し、超速でその騎士の近くに機動します。気絶している役立たずから剣をもぎ取り、とかげのあごを跳ね上げました。魔方陣を展開して火球爆裂させ、巨体を一気に押し返します。
光の元気球が四つ前方に飛び、かたわらの騎士にも一つが着弾します。振り返るとバルナバ様が手をかざしていました。残りは無様に倒れている騎士四名に向かいます。
「うっ、ううう……。てっ、テメエわっ!」
「助けに来きました。剣をお借りしますね」
元気球とは元々戦場で倒れた兵士への気付け魔術として開発され、闘志を奮い立たせたり高揚させたりもできる体力回復魔法です。今回はただの魔力回復のようなので撤退に使用される標準球なのでしょう。
「ゆっ、許さねえぞ……」
ヨロヨロと立ち上がりながら短剣を抜きました。どうも意識が混濁しているようです。本能だけがむき出しになっています。
「お相手はまた後ほど。逃げるなら早くしてください」
とかげ強力魔獣のダメージはほとんどありませんね。さて……。
走り出して前方騎士の腕を蹴り飛ばし、弾かれた剣の鞘をつかみ双剣としました。すると隣にマリアンジェラ様が並び、フードを外しこちらに視線を送ります。
「あなた、そうなんだ? 打合わせなしで、適当に合わせましょうか」
「はい」
今は双剣なのですが、私は本来ナイフ二本使いなのです。
とかげは再び咆哮し、魔力風が渦巻きます。マリアンジェラ様は風に乗り魔力を噴射しつつ高く飛びました。私は身を低くして巨体に肉薄いたします。
魔力の逆物理抵抗をかけて一気に接近。とかげは大口を開けて魔力を噴射いたしました。体を捻り十字に合わせた剣で空中に弾きます。横殴りに振る前足から死神の鎌のように魔力が伸びました。
それを超機動でかわして側面に回り込みます。雷撃を発生させた剣を胴体に突き刺しました。体内に一気に放電いたします。
黒とかげは叫び、口から稲妻がほとばしりました。これは厄介です。体内ダメージを魔力に変換して放出したのですから――。
それならば――。
マリアンジェラ様が剣をかざしたまま旋風回転すると、炎が吹き上がりました。
「爆炎慚剣!」
そのままとかげの背に落下衝突し、激しい火花が連続して散ります。
私は突き刺さった剣を抜いて距離をとりました。
バルナバ様は動かず。西ハウセン公爵騎士団の騎士たちは、あんぐりと口を開けて見ているだけです。
まったく――。女子が戦っているのに、男の人たちは高みの見物ですか?
この魔獣は外部と内部からの攻撃にも耐性があります。この力で追跡を逃れて西からここまでやって来たのでしょう。
「!」
尾が側面からこちらに振られたので、両腕を十字に組んでブロックし魔方陣で反発させます。両足が地面にめり込み、攻撃を食い止めました。
更に触手のような舌が伸び、こちらを攻撃してきます。剣で払って飛び退くと後ろから右腕を捕まれました。
「おいっ! 俺の剣を返しやがれっ!」
「今忙しいので、ちょっと待っていていただけますか?」
こんな時に、この騎士らしき殿方は何を言っているのでしょうか? 頭を打ってやはり記憶が混濁しているようですが……。
「待てるかよ。俺は忙しいんだ!」
どうやら認知の歪みがあるようです。仕方ありませんね。
「うるさいです」
捕まれた腕であごに肘攻撃して、ダメ騎士の手を振りほどきます。また失神です。
そのまま触手を振り払いながら前に出ました。マリアンジェラ様は背中に取付いて果敢に攻撃しております。
「バルナバっ。早く準備しなさい!」
「まだ少々お待ちください」
巨大な魔方陣が展開し、そこに様々な術が織り込まれていきます。
光、風、そして金属の魔力ですか? バルナバ様は敵の特性を把握して、攻撃に最適の複合魔術を編み出しているのてす。すごい魔導技術です。これはセラフィーノ殿下の剣技に匹敵いたします!
フードを外し、超速でその騎士の近くに機動します。気絶している役立たずから剣をもぎ取り、とかげのあごを跳ね上げました。魔方陣を展開して火球爆裂させ、巨体を一気に押し返します。
光の元気球が四つ前方に飛び、かたわらの騎士にも一つが着弾します。振り返るとバルナバ様が手をかざしていました。残りは無様に倒れている騎士四名に向かいます。
「うっ、ううう……。てっ、テメエわっ!」
「助けに来きました。剣をお借りしますね」
元気球とは元々戦場で倒れた兵士への気付け魔術として開発され、闘志を奮い立たせたり高揚させたりもできる体力回復魔法です。今回はただの魔力回復のようなので撤退に使用される標準球なのでしょう。
「ゆっ、許さねえぞ……」
ヨロヨロと立ち上がりながら短剣を抜きました。どうも意識が混濁しているようです。本能だけがむき出しになっています。
「お相手はまた後ほど。逃げるなら早くしてください」
とかげ強力魔獣のダメージはほとんどありませんね。さて……。
走り出して前方騎士の腕を蹴り飛ばし、弾かれた剣の鞘をつかみ双剣としました。すると隣にマリアンジェラ様が並び、フードを外しこちらに視線を送ります。
「あなた、そうなんだ? 打合わせなしで、適当に合わせましょうか」
「はい」
今は双剣なのですが、私は本来ナイフ二本使いなのです。
とかげは再び咆哮し、魔力風が渦巻きます。マリアンジェラ様は風に乗り魔力を噴射しつつ高く飛びました。私は身を低くして巨体に肉薄いたします。
魔力の逆物理抵抗をかけて一気に接近。とかげは大口を開けて魔力を噴射いたしました。体を捻り十字に合わせた剣で空中に弾きます。横殴りに振る前足から死神の鎌のように魔力が伸びました。
それを超機動でかわして側面に回り込みます。雷撃を発生させた剣を胴体に突き刺しました。体内に一気に放電いたします。
黒とかげは叫び、口から稲妻がほとばしりました。これは厄介です。体内ダメージを魔力に変換して放出したのですから――。
それならば――。
マリアンジェラ様が剣をかざしたまま旋風回転すると、炎が吹き上がりました。
「爆炎慚剣!」
そのままとかげの背に落下衝突し、激しい火花が連続して散ります。
私は突き刺さった剣を抜いて距離をとりました。
バルナバ様は動かず。西ハウセン公爵騎士団の騎士たちは、あんぐりと口を開けて見ているだけです。
まったく――。女子が戦っているのに、男の人たちは高みの見物ですか?
この魔獣は外部と内部からの攻撃にも耐性があります。この力で追跡を逃れて西からここまでやって来たのでしょう。
「!」
尾が側面からこちらに振られたので、両腕を十字に組んでブロックし魔方陣で反発させます。両足が地面にめり込み、攻撃を食い止めました。
更に触手のような舌が伸び、こちらを攻撃してきます。剣で払って飛び退くと後ろから右腕を捕まれました。
「おいっ! 俺の剣を返しやがれっ!」
「今忙しいので、ちょっと待っていていただけますか?」
こんな時に、この騎士らしき殿方は何を言っているのでしょうか? 頭を打ってやはり記憶が混濁しているようですが……。
「待てるかよ。俺は忙しいんだ!」
どうやら認知の歪みがあるようです。仕方ありませんね。
「うるさいです」
捕まれた腕であごに肘攻撃して、ダメ騎士の手を振りほどきます。また失神です。
そのまま触手を振り払いながら前に出ました。マリアンジェラ様は背中に取付いて果敢に攻撃しております。
「バルナバっ。早く準備しなさい!」
「まだ少々お待ちください」
巨大な魔方陣が展開し、そこに様々な術が織り込まれていきます。
光、風、そして金属の魔力ですか? バルナバ様は敵の特性を把握して、攻撃に最適の複合魔術を編み出しているのてす。すごい魔導技術です。これはセラフィーノ殿下の剣技に匹敵いたします!
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