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他人の話を聞かない人(アリスの話)
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次の日の早朝5時、私の名前を呼ぶ誰かの声で目が覚めた。ベッドにはどこから入ってきたか分からない猫、犬、小鳥が寝ている。
私は猫たちを踏まないようにそっとベッドから出て、窓から外を見た。
「アリスー、おーーはーーよーーーう!」
―― えーっと、あれって王子?
私はまだ寝起きの目をこすりながら、庭にカール王子の姿を確認した。何しに来たんだろう? それよりも、うるさいから止めさせないと近所迷惑になる。
私が玄関に向かうと、弟のケヴィンが「どこに行くの?」とやってきた。
「ちょっと外まで」と言ったら、ケヴィンは散歩だと勘違いしたようで私についてきた。説明するのも面倒だから、私はケヴィンと一緒に庭に向かう。
玄関を出たらカール王子がストレッチをしているのが見えた。
―― この人、本当に元気だわ・・・
一方、ケヴィンは知らない男の人が家の前にいたから驚いたようだ。
「おねえちゃん、この人だれ?」とケヴィンが私の陰に隠れながら小声で聞くから、私は「カール王子よ」と教えたてあげた。
「今日もたくさん猫がいるんだね。ところで、この子はアリスの弟?」
「そうです。弟のケヴィンです」
「へー、可愛い弟だね」
そういうと、カール王子はケヴィンに近づいてケヴィンの頭を撫でた。
「僕はカールっていうんだ。よろしくね!」
「はじめまして、ケヴィンです。カールは本当に王子なの?」
「そうだよ。ハース王国には王子が2人いて僕は弟の方だ。ケヴィンもお姉さんがいるからいっしょだね」
「へー。カールも弟なのかー」
王子を呼び捨てだ・・・。寝起きの頭を覚醒させながら、私はケヴィンが失礼なことを言っていることに気付いた。
私はケヴィンが呼び捨てにしていることを誤魔化すため「ところで、カール王子、どうされたのですか?」と尋ねた。
「ワイバーン討伐の褒美を持ってきたよ!」
「えっ、こんな早くに?」
「だって、こういうのは早い方がいいだろ?」
―― 「早い」の意味が違う・・・
昨日の褒美を今日渡すのは「早い」と言っていい。でも、褒美を早い時間に渡さなくてもいいはず。今は朝の5時・・・
カール王子はワイバーンの件で私に感謝している。それは理解している。
でも、常識的な人は『常識的な時間に来た方がいいんじゃないか?』と考えないのだろうか。
いや、常識的な人じゃないからこんな時間に来ているのだ。
カール王子は常識的な人ではない。でも、早く感謝の気持ちを伝えたいと思ったからこんな時間にやってきたのだ。
ちょっと常識が無いだけ・・・ちょっと時間が早いだけ・・・嫌な顔をするのは間違っている。
「ありがとうございます!それにしても、褒美をカール王子が自ら持ってこられたのですか?」
「もちろん、そうだよ! いいから、こっちに来てよ!」
そういうと、カール王子は私の手を取って荷馬車の方へ案内した。
私が荷馬車の方へ歩くと猫が10匹ほど集まってきた。
私たちは猫たちを踏まないように慎重に歩いた。
「褒美の一つがこれだよ」カール王子は猫をなでながら言った。
荷馬車の中を見ると、食べきれないくらいの食料がどっさり置かれていた。
渡した買い物リストは無視だ・・・。私は買い物リストの食料が含まれているかを横目で確認する。エリンギが入ってないけど、まあいいか・・・
私はエリンギが褒美に入っていないことを悟られないように、精一杯の笑顔を作る。でも、寝起きだから口角が上がらない。さぞかし、ぎこちない笑顔になっているだろう。
次に、カール王子は布袋を私に差し出した。
「これも、ワイバーンの件の褒美だよ」
私が布袋を開けると中には金貨がいっぱい入っていた。これだけあれば、新しい家が一軒買える。家族のために受取っておくべきかもしれないけど、これは断るべきだと思った。
「食料は買い物をお願いしたから頂きます。でも、こんな多くの金貨は頂けません。私はただついて行っただけです。何もしていませんから」
「いや、アリスは村を1つ救ったんだよ。これくらいの褒美は安いくらいだよ」
その後も何度か辞退したのだがカール王子は譲ろうとしない。私はしかたなく金貨を受け取った。
―― この金貨どうしよう?
私の中では『こんな大金をもらっていいのか?』と『大金があると知られると強盗が来るんじゃないか?』の心配事が渦巻いている。
―― お金をどこに隠せばいいのか?
金庫を買ってそこに入れておくなんて論外。街で金庫を買ったら噂になる。『大金が入ってます!』と主張しているようなものだ。屈強な強盗に押入られて「暗証番号を教えろ!」と脅されたら教えてしまうだろう。意味がない。
金銭を横領した役人が家の壁の中に隠していた事件を聞いたことがある。今から家の壁をくりぬいて、その中に金貨を隠す。これはいい案かもしれない。でも壁を壊したらお母さんが怒りそうだ。
あと、大事な物じゃないと思わせれば盗まれないと聞いたことがある。玄関に無造作に置いておくか? ちょっと怖いな・・・
お金の心配をしている私を気にせず、カール王子は言った。
「アリスは今日時間ある?」
―― この王子、グイグイくる・・・
私は特にどこかに訪問する予定はない。正確にはいくつか予定はあるのだが、急ぎではないから明日に回しても問題ない。
でも、要件が分からないから迂闊(うかつ)に『予定はありません』と答えるのは避けた方がいい。この前もワイバーン討伐に連れていかれたし・・・
だから、私はカール王子の真意を確かめることにした。
「どういった件ですか?」
「ハース城まで一緒に来てくれないかな?」
「お城ですか?」
「実は一つお願いしたいことがあるんだ。ここで話すと誰かに聞かれるかもしれないから、詳細は城で話すよ」
―― ということは、機密事項?
これは何か厄介事に巻き込まれる予感がする。いや、厄介事の予感しかしない。
予定があることにして断れば失礼にあたらないから、私は『あっ、予定があるのを思い出しました!』と言って断ることにした。
私が断ろうとした瞬間、
「午後に迎えの者をよこすよ。じゃあね!」
カール王子はそう言って、去っていった。
―― あの人、他人の話を聞かないのね・・・
こうして、押し切られた私は城に行くことになった。
私は猫たちを踏まないようにそっとベッドから出て、窓から外を見た。
「アリスー、おーーはーーよーーーう!」
―― えーっと、あれって王子?
私はまだ寝起きの目をこすりながら、庭にカール王子の姿を確認した。何しに来たんだろう? それよりも、うるさいから止めさせないと近所迷惑になる。
私が玄関に向かうと、弟のケヴィンが「どこに行くの?」とやってきた。
「ちょっと外まで」と言ったら、ケヴィンは散歩だと勘違いしたようで私についてきた。説明するのも面倒だから、私はケヴィンと一緒に庭に向かう。
玄関を出たらカール王子がストレッチをしているのが見えた。
―― この人、本当に元気だわ・・・
一方、ケヴィンは知らない男の人が家の前にいたから驚いたようだ。
「おねえちゃん、この人だれ?」とケヴィンが私の陰に隠れながら小声で聞くから、私は「カール王子よ」と教えたてあげた。
「今日もたくさん猫がいるんだね。ところで、この子はアリスの弟?」
「そうです。弟のケヴィンです」
「へー、可愛い弟だね」
そういうと、カール王子はケヴィンに近づいてケヴィンの頭を撫でた。
「僕はカールっていうんだ。よろしくね!」
「はじめまして、ケヴィンです。カールは本当に王子なの?」
「そうだよ。ハース王国には王子が2人いて僕は弟の方だ。ケヴィンもお姉さんがいるからいっしょだね」
「へー。カールも弟なのかー」
王子を呼び捨てだ・・・。寝起きの頭を覚醒させながら、私はケヴィンが失礼なことを言っていることに気付いた。
私はケヴィンが呼び捨てにしていることを誤魔化すため「ところで、カール王子、どうされたのですか?」と尋ねた。
「ワイバーン討伐の褒美を持ってきたよ!」
「えっ、こんな早くに?」
「だって、こういうのは早い方がいいだろ?」
―― 「早い」の意味が違う・・・
昨日の褒美を今日渡すのは「早い」と言っていい。でも、褒美を早い時間に渡さなくてもいいはず。今は朝の5時・・・
カール王子はワイバーンの件で私に感謝している。それは理解している。
でも、常識的な人は『常識的な時間に来た方がいいんじゃないか?』と考えないのだろうか。
いや、常識的な人じゃないからこんな時間に来ているのだ。
カール王子は常識的な人ではない。でも、早く感謝の気持ちを伝えたいと思ったからこんな時間にやってきたのだ。
ちょっと常識が無いだけ・・・ちょっと時間が早いだけ・・・嫌な顔をするのは間違っている。
「ありがとうございます!それにしても、褒美をカール王子が自ら持ってこられたのですか?」
「もちろん、そうだよ! いいから、こっちに来てよ!」
そういうと、カール王子は私の手を取って荷馬車の方へ案内した。
私が荷馬車の方へ歩くと猫が10匹ほど集まってきた。
私たちは猫たちを踏まないように慎重に歩いた。
「褒美の一つがこれだよ」カール王子は猫をなでながら言った。
荷馬車の中を見ると、食べきれないくらいの食料がどっさり置かれていた。
渡した買い物リストは無視だ・・・。私は買い物リストの食料が含まれているかを横目で確認する。エリンギが入ってないけど、まあいいか・・・
私はエリンギが褒美に入っていないことを悟られないように、精一杯の笑顔を作る。でも、寝起きだから口角が上がらない。さぞかし、ぎこちない笑顔になっているだろう。
次に、カール王子は布袋を私に差し出した。
「これも、ワイバーンの件の褒美だよ」
私が布袋を開けると中には金貨がいっぱい入っていた。これだけあれば、新しい家が一軒買える。家族のために受取っておくべきかもしれないけど、これは断るべきだと思った。
「食料は買い物をお願いしたから頂きます。でも、こんな多くの金貨は頂けません。私はただついて行っただけです。何もしていませんから」
「いや、アリスは村を1つ救ったんだよ。これくらいの褒美は安いくらいだよ」
その後も何度か辞退したのだがカール王子は譲ろうとしない。私はしかたなく金貨を受け取った。
―― この金貨どうしよう?
私の中では『こんな大金をもらっていいのか?』と『大金があると知られると強盗が来るんじゃないか?』の心配事が渦巻いている。
―― お金をどこに隠せばいいのか?
金庫を買ってそこに入れておくなんて論外。街で金庫を買ったら噂になる。『大金が入ってます!』と主張しているようなものだ。屈強な強盗に押入られて「暗証番号を教えろ!」と脅されたら教えてしまうだろう。意味がない。
金銭を横領した役人が家の壁の中に隠していた事件を聞いたことがある。今から家の壁をくりぬいて、その中に金貨を隠す。これはいい案かもしれない。でも壁を壊したらお母さんが怒りそうだ。
あと、大事な物じゃないと思わせれば盗まれないと聞いたことがある。玄関に無造作に置いておくか? ちょっと怖いな・・・
お金の心配をしている私を気にせず、カール王子は言った。
「アリスは今日時間ある?」
―― この王子、グイグイくる・・・
私は特にどこかに訪問する予定はない。正確にはいくつか予定はあるのだが、急ぎではないから明日に回しても問題ない。
でも、要件が分からないから迂闊(うかつ)に『予定はありません』と答えるのは避けた方がいい。この前もワイバーン討伐に連れていかれたし・・・
だから、私はカール王子の真意を確かめることにした。
「どういった件ですか?」
「ハース城まで一緒に来てくれないかな?」
「お城ですか?」
「実は一つお願いしたいことがあるんだ。ここで話すと誰かに聞かれるかもしれないから、詳細は城で話すよ」
―― ということは、機密事項?
これは何か厄介事に巻き込まれる予感がする。いや、厄介事の予感しかしない。
予定があることにして断れば失礼にあたらないから、私は『あっ、予定があるのを思い出しました!』と言って断ることにした。
私が断ろうとした瞬間、
「午後に迎えの者をよこすよ。じゃあね!」
カール王子はそう言って、去っていった。
―― あの人、他人の話を聞かないのね・・・
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