16 / 23
ラッキーアイテムは黒猫
しおりを挟む
念のために言っておこう。
決して、恋愛マスター決定戦とかで遊んでいたわけではない。
あれも、潜入捜査の一環だ。潜入できなかったのだけど……
あれから私たちが話し合った結果、正攻法でアジトに潜入するのは難しいという結論にいたった。だから、アジトにこっそり潜入して証拠を押さえることにした。
さて、夜まで時間があるからロベールとお土産を買いにきた私。
せっかくの修学旅行なのに、捜査のせいで二人きりになる時間がほとんどなかった。いい思い出を作らなければ。
「ロベール、トミーとエミリのお土産買った?」
「まだだよ」
「何がいいかな?」
「うーん、やっぱり食べ物かなー」
「あっこれ、よくない?」
私はマンデル共和国の女神像を指差す。私に似ていると噂の女神マリアの像だ。
「デイジーにそっくりな女神像だね」
「そうよ。私の代わりだと思って、家に飾っておけばいいじゃないの」
「デイジーを家に祀るのはどうなんだろう」
「女神様は私に似てるけど、私じゃないよ」
「それなら本物の像の方がいいな」
――本物(私)の像がいい
ということは、
――女神よりも私の方がいい……
ということは、
美しい女神よりも、私の方が美しい。
私の美しさは女神を抜いた……かな?
とはいうものの、女神像に興味がある私。女神像をじっくり見ていたら、腕に何かを抱いているのに気付いた。何かは分からないのだが、ぼろ布のようにも見える。
「ねえ、ロベール。女神像は何を持ってるのかな?」
「なんだろうね? 布かな? 雑巾のような気もする」
「女神は雑巾を持たないでしょ。それに、もうちょっと大きいわよ。こんもりしている、というか……」
「あー、分かった!」
「なに?」
「動物じゃない?」
「動物……猫とか?」
「そんな感じだと思う」
折角なので私は記念に女神像を1つ購入した。
ロマンス工場のリーダーを尾行しているエレーヌたちには申し訳ないのだが、その日、私とロベールは修学旅行の自由行動を満喫した。
***
夜になった。
私たちは詐欺集団のアジトに潜入する予定だ。詐欺の手紙や内部文書を証拠として押さえるためだ。
ロマンス工場を周辺から調べたところ、中には詐欺集団に雇われたマフィアが見張りをしている。見つかると面倒だから見張を避けて潜入しないといけない。
私とロベールは見張りがいないアジトの裏手にやってきた。エレーヌはロマンス工場のリーダーを尾行中。ミシェルは運動神経がよくないから潜入には不向きだ。アジト付近で現地警察と一緒に待機している。
私とロベールは潜入用の衣装に身を包んでいる。黒いスーツだ。
「スパイっぽくてカッコいい」とエレーヌが選んできたのだが、体形が強調されるのが気になる。私は念のためにパットを2枚装着した。
「ねえ、デイジー」とロベールが言う。
「どうしたの?」
「今回は……この前みたいに無茶したらダメだよ」
「ありがとう。無茶しないわよ。もし敵がいてもロベールが守ってくれるんでしょ?」
「そう……だね。僕が敵を何とかするから、デイジーは何もしなくていいんだよ」
ロベールは私のことを心配しているのだ。私が危ない目に遭わないように、気遣ってくれている。私は愛されているのだ。
「私を気遣って……ああ、ロベール」
「そっちじゃなくて……」
「そっちじゃなくて?」
「デイジーが攻撃すると……ちょっとアレだから……さ」
私の心配ではないらしい。ちょっとガッカリだ。
私がアジトの中に入る場所を探していたら、裏口に黒猫が座っていた。
そういえば、今月のラッキーアイテムは黒猫だったような気が……
私は黒猫に近づいていった。黒猫は逃げようともせずに「ニャー」と呑気に鳴いている。
「お腹が空いてるのかニャー?」と私が話しかけたら、黒猫は首を縦に振るような仕種を見せた。
お腹が空いているとアピールしてくるなんて、なかなか賢い猫だ。でも、私はアジトに潜入する途中だから食べ物を持っていない。
「ごめんね。いま食べ物を持ってないの」
黒猫は「ちっ」と言いながら、ぷいと横を向いた。
「あれ、この黒猫、デイジーの言ったことを理解してない?」とロベールがやってきた。
「私の言葉が分かるのかニャー?」
黒猫は首を横に振った。
――これって……絶対に分かってるよね?
私は黒猫に話しかける。
「このアジトに詐欺の手紙や内部文書があるんだ。それを証拠として入手しないといけないニャー。手伝ってくれたら、好きな食べ物をあげるニャー」
黒猫は考える素振りをしている。しばらくしたら、黒猫は闇の中に消えて、すぐに戻ってきた。紙とペンを咥えている。
黒猫は私の前に紙とペンを差し出した。黒猫は前足を紙に載せて「ニャー」と鳴く。
「ひょっとしたら……」
「どうしたの?」
「この猫は『手伝ったら食べ物をあげる』と紙に書いてほしいんじゃない?」とロベールは言う。
「書けばいいのかニャー?」と私は黒猫に尋ねる。
黒猫は首を縦に振って「ニャー」と鳴いた。
――私のこと、信用してない?
口約束だと私が本当に食べ物をくれるか分からない。だから、「書面に残せ」と猫は促している。
かなり屈辱的だが私は紙に書いた。
『詐欺集団の犯行を示す証拠書類を探してくれたら、好きな食べ物を与える』
猫は書面を見てから前足を上げた。
足の指を器用に使って、「1」「2」のような仕種をしている。
好きな食べ物を何回貰えるかを確認したいようだ。
――絶対に確信犯だよね……
私の話す言葉を理解しているし、文字も理解している。
ひょっとしたら、喋れるんじゃないのか?
私は紙に「1回」と書き足した。
黒猫は首を横に振る。1回では不満なようだ。
私は「2回」に書き換えた。
黒猫はまた首を横に振る。2回でも不満なようだ。
何度も書き換えるのは面倒だから「3回?」と黒猫に尋ねる。黒猫は首を縦に振らない。
――この黒猫……足元を見てやがるな
私は「10回?」と言ったら、黒猫はようやく「ニャー」と言いながら首を縦に振った。
ロベールは苦笑いしている。
私と黒猫の交渉は成立した。私は紙に「10回」と書いた。
「じゃあ、案内しなさい」と私が言うと、黒猫は裏口近くの窓を器用に開けて中に入っていった。
「ロベール、行くわよ!」
「うん」
私とロベールは黒猫についていく。
こうして、私たちのアジト潜入作戦がスタートした。
決して、恋愛マスター決定戦とかで遊んでいたわけではない。
あれも、潜入捜査の一環だ。潜入できなかったのだけど……
あれから私たちが話し合った結果、正攻法でアジトに潜入するのは難しいという結論にいたった。だから、アジトにこっそり潜入して証拠を押さえることにした。
さて、夜まで時間があるからロベールとお土産を買いにきた私。
せっかくの修学旅行なのに、捜査のせいで二人きりになる時間がほとんどなかった。いい思い出を作らなければ。
「ロベール、トミーとエミリのお土産買った?」
「まだだよ」
「何がいいかな?」
「うーん、やっぱり食べ物かなー」
「あっこれ、よくない?」
私はマンデル共和国の女神像を指差す。私に似ていると噂の女神マリアの像だ。
「デイジーにそっくりな女神像だね」
「そうよ。私の代わりだと思って、家に飾っておけばいいじゃないの」
「デイジーを家に祀るのはどうなんだろう」
「女神様は私に似てるけど、私じゃないよ」
「それなら本物の像の方がいいな」
――本物(私)の像がいい
ということは、
――女神よりも私の方がいい……
ということは、
美しい女神よりも、私の方が美しい。
私の美しさは女神を抜いた……かな?
とはいうものの、女神像に興味がある私。女神像をじっくり見ていたら、腕に何かを抱いているのに気付いた。何かは分からないのだが、ぼろ布のようにも見える。
「ねえ、ロベール。女神像は何を持ってるのかな?」
「なんだろうね? 布かな? 雑巾のような気もする」
「女神は雑巾を持たないでしょ。それに、もうちょっと大きいわよ。こんもりしている、というか……」
「あー、分かった!」
「なに?」
「動物じゃない?」
「動物……猫とか?」
「そんな感じだと思う」
折角なので私は記念に女神像を1つ購入した。
ロマンス工場のリーダーを尾行しているエレーヌたちには申し訳ないのだが、その日、私とロベールは修学旅行の自由行動を満喫した。
***
夜になった。
私たちは詐欺集団のアジトに潜入する予定だ。詐欺の手紙や内部文書を証拠として押さえるためだ。
ロマンス工場を周辺から調べたところ、中には詐欺集団に雇われたマフィアが見張りをしている。見つかると面倒だから見張を避けて潜入しないといけない。
私とロベールは見張りがいないアジトの裏手にやってきた。エレーヌはロマンス工場のリーダーを尾行中。ミシェルは運動神経がよくないから潜入には不向きだ。アジト付近で現地警察と一緒に待機している。
私とロベールは潜入用の衣装に身を包んでいる。黒いスーツだ。
「スパイっぽくてカッコいい」とエレーヌが選んできたのだが、体形が強調されるのが気になる。私は念のためにパットを2枚装着した。
「ねえ、デイジー」とロベールが言う。
「どうしたの?」
「今回は……この前みたいに無茶したらダメだよ」
「ありがとう。無茶しないわよ。もし敵がいてもロベールが守ってくれるんでしょ?」
「そう……だね。僕が敵を何とかするから、デイジーは何もしなくていいんだよ」
ロベールは私のことを心配しているのだ。私が危ない目に遭わないように、気遣ってくれている。私は愛されているのだ。
「私を気遣って……ああ、ロベール」
「そっちじゃなくて……」
「そっちじゃなくて?」
「デイジーが攻撃すると……ちょっとアレだから……さ」
私の心配ではないらしい。ちょっとガッカリだ。
私がアジトの中に入る場所を探していたら、裏口に黒猫が座っていた。
そういえば、今月のラッキーアイテムは黒猫だったような気が……
私は黒猫に近づいていった。黒猫は逃げようともせずに「ニャー」と呑気に鳴いている。
「お腹が空いてるのかニャー?」と私が話しかけたら、黒猫は首を縦に振るような仕種を見せた。
お腹が空いているとアピールしてくるなんて、なかなか賢い猫だ。でも、私はアジトに潜入する途中だから食べ物を持っていない。
「ごめんね。いま食べ物を持ってないの」
黒猫は「ちっ」と言いながら、ぷいと横を向いた。
「あれ、この黒猫、デイジーの言ったことを理解してない?」とロベールがやってきた。
「私の言葉が分かるのかニャー?」
黒猫は首を横に振った。
――これって……絶対に分かってるよね?
私は黒猫に話しかける。
「このアジトに詐欺の手紙や内部文書があるんだ。それを証拠として入手しないといけないニャー。手伝ってくれたら、好きな食べ物をあげるニャー」
黒猫は考える素振りをしている。しばらくしたら、黒猫は闇の中に消えて、すぐに戻ってきた。紙とペンを咥えている。
黒猫は私の前に紙とペンを差し出した。黒猫は前足を紙に載せて「ニャー」と鳴く。
「ひょっとしたら……」
「どうしたの?」
「この猫は『手伝ったら食べ物をあげる』と紙に書いてほしいんじゃない?」とロベールは言う。
「書けばいいのかニャー?」と私は黒猫に尋ねる。
黒猫は首を縦に振って「ニャー」と鳴いた。
――私のこと、信用してない?
口約束だと私が本当に食べ物をくれるか分からない。だから、「書面に残せ」と猫は促している。
かなり屈辱的だが私は紙に書いた。
『詐欺集団の犯行を示す証拠書類を探してくれたら、好きな食べ物を与える』
猫は書面を見てから前足を上げた。
足の指を器用に使って、「1」「2」のような仕種をしている。
好きな食べ物を何回貰えるかを確認したいようだ。
――絶対に確信犯だよね……
私の話す言葉を理解しているし、文字も理解している。
ひょっとしたら、喋れるんじゃないのか?
私は紙に「1回」と書き足した。
黒猫は首を横に振る。1回では不満なようだ。
私は「2回」に書き換えた。
黒猫はまた首を横に振る。2回でも不満なようだ。
何度も書き換えるのは面倒だから「3回?」と黒猫に尋ねる。黒猫は首を縦に振らない。
――この黒猫……足元を見てやがるな
私は「10回?」と言ったら、黒猫はようやく「ニャー」と言いながら首を縦に振った。
ロベールは苦笑いしている。
私と黒猫の交渉は成立した。私は紙に「10回」と書いた。
「じゃあ、案内しなさい」と私が言うと、黒猫は裏口近くの窓を器用に開けて中に入っていった。
「ロベール、行くわよ!」
「うん」
私とロベールは黒猫についていく。
こうして、私たちのアジト潜入作戦がスタートした。
11
お気に入りに追加
84
あなたにおすすめの小説
ぽっちゃりな私は妹に婚約者を取られましたが、嫁ぎ先での溺愛がとまりません~冷酷な伯爵様とは誰のこと?~
柊木 ひなき
恋愛
「メリーナ、お前との婚約を破棄する!」夜会の最中に婚約者の第一王子から婚約破棄を告げられ、妹からは馬鹿にされ、貴族達の笑い者になった。
その時、思い出したのだ。(私の前世、美容部員だった!)この体型、ドレス、確かにやばい!
この世界の美の基準は、スリム体型が前提。まずはダイエットを……え、もう次の結婚? お相手は、超絶美形の伯爵様!? からの溺愛!? なんで!?
※シリアス展開もわりとあります。
身代わりの公爵家の花嫁は翌日から溺愛される。~初日を挽回し、溺愛させてくれ!~
湯川仁美
恋愛
姉の身代わりに公爵夫人になった。
「貴様と寝食を共にする気はない!俺に呼ばれるまでは、俺の前に姿を見せるな。声を聞かせるな」
夫と初対面の日、家族から男癖の悪い醜悪女と流され。
公爵である夫とから啖呵を切られたが。
翌日には誤解だと気づいた公爵は花嫁に好意を持ち、挽回活動を開始。
地獄の番人こと閻魔大王(善悪を判断する審判)と異名をもつ公爵は、影でプレゼントを贈り。話しかけるが、謝れない。
「愛しの妻。大切な妻。可愛い妻」とは言えない。
一度、言った言葉を撤回するのは難しい。
そして妻は普通の令嬢とは違い、媚びず、ビクビク怯えもせず普通に接してくれる。
徐々に距離を詰めていきましょう。
全力で真摯に接し、謝罪を行い、ラブラブに到着するコメディ。
第二章から口説きまくり。
第四章で完結です。
第五章に番外編を追加しました。
私はお母様の奴隷じゃありません。「出てけ」とおっしゃるなら、望み通り出ていきます【完結】
小平ニコ
ファンタジー
主人公レベッカは、幼いころから母親に冷たく当たられ、家庭内の雑務を全て押し付けられてきた。
他の姉妹たちとは明らかに違う、奴隷のような扱いを受けても、いつか母親が自分を愛してくれると信じ、出来得る限りの努力を続けてきたレベッカだったが、16歳の誕生日に突然、公爵の館に奉公に行けと命じられる。
それは『家を出て行け』と言われているのと同じであり、レベッカはショックを受ける。しかし、奉公先の人々は皆優しく、主であるハーヴィン公爵はとても美しい人で、レベッカは彼にとても気に入られる。
友達もでき、忙しいながらも幸せな毎日を送るレベッカ。そんなある日のこと、妹のキャリーがいきなり公爵の館を訪れた。……キャリーは、レベッカに支払われた給料を回収しに来たのだ。
レベッカは、金銭に対する執着などなかったが、あまりにも身勝手で悪辣なキャリーに怒り、彼女を追い返す。それをきっかけに、公爵家の人々も巻き込む形で、レベッカと実家の姉妹たちは争うことになる。
そして、姉妹たちがそれぞれ悪行の報いを受けた後。
レベッカはとうとう、母親と直接対峙するのだった……
【完結】傷物令嬢は近衛騎士団長に同情されて……溺愛されすぎです。
早稲 アカ
恋愛
王太子殿下との婚約から洩れてしまった伯爵令嬢のセーリーヌ。
宮廷の大広間で突然現れた賊に襲われた彼女は、殿下をかばって大けがを負ってしまう。
彼女に同情した近衛騎士団長のアドニス侯爵は熱心にお見舞いをしてくれるのだが、その熱意がセーリーヌの折れそうな心まで癒していく。
加えて、セーリーヌを振ったはずの王太子殿下が、親密な二人に絡んできて、ややこしい展開になり……。
果たして、セーリーヌとアドニス侯爵の関係はどうなるのでしょう?
【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!
楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。
(リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……)
遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──!
(かわいい、好きです、愛してます)
(誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?)
二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない!
ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。
(まさか。もしかして、心の声が聞こえている?)
リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる?
二人の恋の結末はどうなっちゃうの?!
心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。
✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。
✳︎小説家になろうにも投稿しています♪
十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!
翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。
「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。
そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。
死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。
どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。
その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない!
そして死なない!!
そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、
何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?!
「殿下!私、死にたくありません!」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
※他サイトより転載した作品です。
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる