あんこは猫(♂)

kkkkk

文字の大きさ
上 下
18 / 19

あんこは水戸黄門

しおりを挟む
—————————————————
【前回までのあらすじ】
AI翻訳機によって話せるようになったあんこ(♂)。
自分の意思を人間に伝えられるけど、人間の言葉は分からない。
猫からの一方通行のコミュニケーションは人間界でどこまで通用するのか?
—————————————————

今日のあんこは「水戸黄門モード」に設定されている。
天気が良かったので、あんこは散歩に出かけた。

あんこがしばらくブロック塀の上を歩いていると、友達のおじいちゃんに会った。

「あんこちゃん、こんにちは。」

あんこはブロック塀から飛び降りておじいちゃんに言った。

「格さん、行きますよ。」

おじいちゃんはあんこが水戸黄門モードなのを理解した。

「今日は水戸黄門かー。わしの好きな時代劇だ。
ははー、黄門様、お供します。」

おじいちゃんはあんこのお供になった。

***

あんことお供のおじいちゃんが歩いていると、小さい方のヤツの友達に会った。

「おー、あんこ!今日は何モード?」

「助さん、行きますよ。」

小さい方のヤツの友達は水戸黄門を知らない。

「何それ?知らないなー。まあいいか。ついて行ってやるよ。」

小さい方のヤツの友達はあんこのお供になった。

***

あんこ、格さん、助さんの3人が歩いていると近所のおねえさんに会った。

「あんこちゃん、こんにちは。今日はどんな冒険してるの?」

「お銀、行きますよ。」

おねえさんが不思議そうな顔をしている。
格さんは気を利かせておねえさんに説明した。

「水戸黄門、知ってるー。お銀ってお風呂シーンのよね?今日はお風呂ナシでいいわよね?」

おねえさんはあんこのお供になった。

***

あんこ、格さん、助さん、お銀の4人が歩いていると悪代官(近所の野良猫)に出くわした。

悪代官は黄門様に因縁をつけてきた。

あんこが格さんをチラッと見た。

「格さん、例のものを。」

あんこは格さんに命令した。

「・・・」

格さんには「例のもの」が分からない。

しかたなく助さんがフォローする。

「おじいちゃん、あんこがなんかしろって言ってるよ。」

格さんはやっと「例のもの」が分かった。

「おー、お決まりのあれね。ひかえおろー、このもんどころが目に入らぬかー。」

おじいちゃんはポケットに入っていた携帯電話を悪代官に見せた。
格さん的には印籠の代わりらしい。

悪代官は印籠にビビったのだろう。フンと言ってどこかに行ってしまった。

***

悪代官を懲らしめたあんこはお腹が空いたので家に向かった。

黄門様一行が家に着くと、ママが家から出てきた。

「皆の者、頭が高い!控えおろう!」

そう言うとあんこは家の中に入っていった。

ママはあんこのお供の3人を労った。そして謝った。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

『ハートレイト』

segakiyui
ライト文芸
急変した患者を救った北野由紀子は、その岩見に通帳泥棒扱いをされる。急変した時に私物に手をつけなかったかと疑われたので。憤慨する由紀子はそれでも職務を忠実に守ろうとするが……。

ファミリーヒストリア~あなたの家族、書きます~

摂津いの
ライト文芸
「ファミリーヒストリア」それは、依頼者の家族の物語を本に綴るという仕事。 紆余曲折を経て、それを生業とする女性と依頼者や周囲の人たちとの心の交流。 あなたの家族の物語、知りたくありませんか?

ARROGANT

co
ライト文芸
幼い頃に死別したはずの母が小学生の健介の前に現れた。 嘘をついていた父が許せず、健介は母と暮らすことに決めた。 しかしそれは思い描いた暮らしとは違っていた。 そして自分の本当の生い立ちを聞かされ、父の元に戻る決意をする。 その矢先、健介は攫われた。 なろうから転載。

幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。

スタジオ.T
青春
 幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。  そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。    ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。

伊緒さんのお嫁ご飯

三條すずしろ
ライト文芸
貴女がいるから、まっすぐ家に帰ります――。 伊緒さんが作ってくれる、おいしい「お嫁ご飯」が楽しみな僕。 子供のころから憧れていた小さな幸せに、ほっと心が癒されていきます。 ちょっぴり歴女な伊緒さんの、とっても温かい料理のお話。 「第1回ライト文芸大賞」大賞候補作品。 「エブリスタ」「カクヨム」「すずしろブログ」にも掲載中です!

処理中です...