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十一話
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「巻波さん。どういうこと」
「…………、」
言い訳がでてこない。言葉が喉に閊えて苦しい。汗でぬめった手からぽろりとスマホが零れ落ちる。
毛布を滑り落として立ち上がり、こっちに歩いてきた隼人が、足元のスマホを拾ってスピーカーに設定し直す。
『他殺・自殺・その他!不動産屋と交渉する時は自前の料金表見せるのよね、以上の条件でお間違いないですかいいですかって!人の死に方に値段付けて恥ずかしくないの、専門出てから定職にも就かずふらふらとバイトで食い繋いで、事故物件クリーナーなんて聞いたことないグレイな職業いっちょ前に名乗りだして……アンタが頼むから同業に口きいてあげたわよ、事故物件だって斡旋してあげた、だからって勘違いしないで、アンタの稼ぎじゃマトモな部屋なんかとても住めないから苦肉の策よ!いい加減大人になりなさい南、今のアンタを見たら姉さんが哀しむ……』
ピ、音が鳴る。通話が切断。沈黙。
「料金表ってなんだよ」
「隼人くん」
「ヒカリさんが死んだあとに調べたんだ。事故物件ってのは誰かがおかしな死に方した不動産の事で、次に入る人には詳細な経緯教える義務があるけど、二人目からはスルーでいいって」
「物知りだね……」
弱々しく呟く。恥ずかしくていたたまれなくて、隼人くんの顔をまともに見れない。
今すぐ蒸発したい。
消えてしまいたい。
「巻波さん、汚点を拭いにきたの」
嫌な事は隠してしまえと
「不動産屋に頼まれて……ヒカリさんが死んだこと、なかったことにしにきたの」
消してしまえと
隼人が私の足元にスマホを投げだす。触れているのも汚らわしい、といわんばかりに。
「そう、だよ。引っ越し多いって言ったでしょ?私のホントの仕事はね、コンビニのバイトじゃないの。事故物件を数ヶ月ごとに渡り歩いて、履歴をキレイにしてく事なの。最初は不動産屋のおばさんが困ってるの見かねて……それからは、味をしめて」
正直に白状し、震える声で続ける。
「家賃とか物凄い安くすむんだよ。すっごいおまけしてもらえるし、一度やったら癖になる。彼氏いない収入ない、ないないずくしのフリーターにはこれ以上ない話じゃない?私は格安でいい部屋に住める、不動産屋さんは助かる、次の人は気持ちよく入れる。誰も損をしない、みんな幸せになる、サイコーの仕事だよ。ブラックどころか超ホワイト、クリーナーだけに」
「騙すのに?」
「幽霊なんて出ない。殆どは」
「もし出たら」
「また引っ越せばいいじゃん」
私がそうしてきたように。
「お金がない人だっているだろ」
「安アパート借りる程度のおカネならすぐたまる」
「遺族の気持ちは?」
俺たちの気持ちは?
「踏みにじるのか?」
低く低く詰め寄られ、気圧されて一歩二歩あとじさる。
「そんなこと言われたって……」
私は悪くないと喉元まで出かけ、頑張って飲み込む。
「ご遺族は気の毒だと思うけど……」
私に言われたって、どうすることもできないよ。
口にする前に目から真意が伝わったか、激情に顔を歪めた隼人がだしぬけに腕を振り抜く。
叩かれる。
咄嗟に目を閉じる。
右横を風が掠め、顔の横にてのひらが突き立った。
「がっかりした」
隼人の口から洩れた侮蔑に身が竦む。
「俺、ホントは巻波さんがここに住んでるって前から知ってた」
「……え?」
「言ったじゃん、家帰ってからもよく見に来たって。ある日寄ってみたら、たまたまアンタがベランダに出てるトコ遭遇したの。何してたんだか知らないけど、ベランダの……ちょうどヒカリさんが死んだあたりにじっと手をかざして」
あの時だ。
見られていた。
私の顔の横に手を突いた隼人が、威圧感を伴って迫りくる。
「この人、何か知ってるんじゃないかって思った」
苦労して生唾を飲み、瞬きも忘れて見返す。
「だっておかしいじゃん、なんでヒカリさんが死んだ場所わかるんだよ。不動産屋に教えてもらった?誰がどこで死んだって、ご丁寧にンなことまで教えるかよフツー。せいぜい頭打って死んだ、ベランダで死んだとかで、室外機の横で身を丸めるようにして死んだとか言わねーだろ。エスパーかよアンタ」
隼人の喋り方の何かがひっかかり、鋭く切り込む。
「……ねえ。隼人くんが調べたいのって、アパートの人たちじゃなくて……私?」
「そうだよ」
違和感の正体がやっとわかった。
隼人が私の反対を押し切って部屋に転がりこんだのは、ヒカリさんが死んだ直後に越してきた赤の他人の癖に、彼女が死んだ場所に正確に手をかざすとか、妙なまねをした女を怪しんだからで。
「あの時アンタ、何かを見るのに夢中で、ちょっと離れたトコにいた俺なんて全然目に入ってなかったよな」
「もいちど301に泊まりたいから助けに入ったの?手首までひねって?すごい演技」
「じゃなんて説明するんだ!!」
隼人が激して壁を殴打、追い詰められた背中に振動が響く。
「そっちは?どんな妄想してるの?私がアパートの誰かの共犯で、証拠隠滅の為に越してきたって?」
「……その線も疑った」
「馬鹿げてる」
「じゃあホントのこと教えてよ、なんであの時あそこにいた。俺が寝たあと、靴もはかず出てった理由は」
「私の方が知りたいよ」
「は?」
追い出したのはヒカリさんだ。それしか考えられない。隼人は起きてた?寝たフリしてただけ?最悪の状況で告発しても最悪の結果を生むだけだ、こんなことになるならもっと早く話しとけばよかった……
私が深夜、証拠隠滅の為にでてったって疑ってるの?
本気で?
このアパートのどこかにいる、どこにもいないかもしれない、共犯と打ち合わせる為に?
「バレてたならなんで尾行しないの、犯人の正体がわかるかもしれないのに」
挑発的に切り返せば、初めて隼人の顔に動揺が浮かぶ。
「それ、は」
「気になるんなら追いかけてよ、ヒカリさんを殺したヤツ知りたいんでしょ、ホントに殺されたって思ってるんでしょ!?」
その為に嘘まで吐いて泊まったくせに、なんで引き下がるの?
裸足で部屋を出た私をほったらかしたの、靴をもってきてくれなかったの。
「どうして追いかけてきてくんなかったのよ!!」
寒かったのに。怖かったのに。結局隼人の頭ん中は死んだ恋人でいっぱいで私が付け入る隙なんてなくて、会って間もない赤の他人の私よりヒカリさんをとったくせに
足の裏は汚れてる。床も汚れてる。私の心も汚れてる。じくじく疼くのは尖った小石を踏んだせいか、胸か。
隼人が怯んだ隙に素早くしゃがんでスマホを開い、テキストを開く。
「ご感想は」
隼人の眼前に突き付けたのは、例の料金表。その他・自殺・他殺の順に報酬がグレードアップしていく。
料金表の備考欄には、私がこれまで『仕事』をしてきた事故物件の住所や間取りが記入されてる。
「……アンタ、最低」
「騙し討ちで転がりこんだズルい子供に言われたくない」
「いい人だと思ってたのに」
「勝手にね」
馬鹿な子供に現実を見せてあげただけ。
嫌な叔母さんと同じ負け惜しみを言ってると気付き、醜い自嘲の笑みが浮かぶ。
「チロルやるんじゃなかった」
「ごちそうさま」
スマホをしまってニッコリ微笑めば、隼人の目鼻がくしゃっと歪む。
夜道に立ったまま見た、夢の中の男の子と同じ顔。
隼人が飛び出していく。スニーカーに足を突っ込み、アパート中に響き渡る音量でドアを叩き締め、階段を一気に駆けおりる。
「……さすがサッカー部レギュラー、俊足」
手、いためないでね。
「…………、」
言い訳がでてこない。言葉が喉に閊えて苦しい。汗でぬめった手からぽろりとスマホが零れ落ちる。
毛布を滑り落として立ち上がり、こっちに歩いてきた隼人が、足元のスマホを拾ってスピーカーに設定し直す。
『他殺・自殺・その他!不動産屋と交渉する時は自前の料金表見せるのよね、以上の条件でお間違いないですかいいですかって!人の死に方に値段付けて恥ずかしくないの、専門出てから定職にも就かずふらふらとバイトで食い繋いで、事故物件クリーナーなんて聞いたことないグレイな職業いっちょ前に名乗りだして……アンタが頼むから同業に口きいてあげたわよ、事故物件だって斡旋してあげた、だからって勘違いしないで、アンタの稼ぎじゃマトモな部屋なんかとても住めないから苦肉の策よ!いい加減大人になりなさい南、今のアンタを見たら姉さんが哀しむ……』
ピ、音が鳴る。通話が切断。沈黙。
「料金表ってなんだよ」
「隼人くん」
「ヒカリさんが死んだあとに調べたんだ。事故物件ってのは誰かがおかしな死に方した不動産の事で、次に入る人には詳細な経緯教える義務があるけど、二人目からはスルーでいいって」
「物知りだね……」
弱々しく呟く。恥ずかしくていたたまれなくて、隼人くんの顔をまともに見れない。
今すぐ蒸発したい。
消えてしまいたい。
「巻波さん、汚点を拭いにきたの」
嫌な事は隠してしまえと
「不動産屋に頼まれて……ヒカリさんが死んだこと、なかったことにしにきたの」
消してしまえと
隼人が私の足元にスマホを投げだす。触れているのも汚らわしい、といわんばかりに。
「そう、だよ。引っ越し多いって言ったでしょ?私のホントの仕事はね、コンビニのバイトじゃないの。事故物件を数ヶ月ごとに渡り歩いて、履歴をキレイにしてく事なの。最初は不動産屋のおばさんが困ってるの見かねて……それからは、味をしめて」
正直に白状し、震える声で続ける。
「家賃とか物凄い安くすむんだよ。すっごいおまけしてもらえるし、一度やったら癖になる。彼氏いない収入ない、ないないずくしのフリーターにはこれ以上ない話じゃない?私は格安でいい部屋に住める、不動産屋さんは助かる、次の人は気持ちよく入れる。誰も損をしない、みんな幸せになる、サイコーの仕事だよ。ブラックどころか超ホワイト、クリーナーだけに」
「騙すのに?」
「幽霊なんて出ない。殆どは」
「もし出たら」
「また引っ越せばいいじゃん」
私がそうしてきたように。
「お金がない人だっているだろ」
「安アパート借りる程度のおカネならすぐたまる」
「遺族の気持ちは?」
俺たちの気持ちは?
「踏みにじるのか?」
低く低く詰め寄られ、気圧されて一歩二歩あとじさる。
「そんなこと言われたって……」
私は悪くないと喉元まで出かけ、頑張って飲み込む。
「ご遺族は気の毒だと思うけど……」
私に言われたって、どうすることもできないよ。
口にする前に目から真意が伝わったか、激情に顔を歪めた隼人がだしぬけに腕を振り抜く。
叩かれる。
咄嗟に目を閉じる。
右横を風が掠め、顔の横にてのひらが突き立った。
「がっかりした」
隼人の口から洩れた侮蔑に身が竦む。
「俺、ホントは巻波さんがここに住んでるって前から知ってた」
「……え?」
「言ったじゃん、家帰ってからもよく見に来たって。ある日寄ってみたら、たまたまアンタがベランダに出てるトコ遭遇したの。何してたんだか知らないけど、ベランダの……ちょうどヒカリさんが死んだあたりにじっと手をかざして」
あの時だ。
見られていた。
私の顔の横に手を突いた隼人が、威圧感を伴って迫りくる。
「この人、何か知ってるんじゃないかって思った」
苦労して生唾を飲み、瞬きも忘れて見返す。
「だっておかしいじゃん、なんでヒカリさんが死んだ場所わかるんだよ。不動産屋に教えてもらった?誰がどこで死んだって、ご丁寧にンなことまで教えるかよフツー。せいぜい頭打って死んだ、ベランダで死んだとかで、室外機の横で身を丸めるようにして死んだとか言わねーだろ。エスパーかよアンタ」
隼人の喋り方の何かがひっかかり、鋭く切り込む。
「……ねえ。隼人くんが調べたいのって、アパートの人たちじゃなくて……私?」
「そうだよ」
違和感の正体がやっとわかった。
隼人が私の反対を押し切って部屋に転がりこんだのは、ヒカリさんが死んだ直後に越してきた赤の他人の癖に、彼女が死んだ場所に正確に手をかざすとか、妙なまねをした女を怪しんだからで。
「あの時アンタ、何かを見るのに夢中で、ちょっと離れたトコにいた俺なんて全然目に入ってなかったよな」
「もいちど301に泊まりたいから助けに入ったの?手首までひねって?すごい演技」
「じゃなんて説明するんだ!!」
隼人が激して壁を殴打、追い詰められた背中に振動が響く。
「そっちは?どんな妄想してるの?私がアパートの誰かの共犯で、証拠隠滅の為に越してきたって?」
「……その線も疑った」
「馬鹿げてる」
「じゃあホントのこと教えてよ、なんであの時あそこにいた。俺が寝たあと、靴もはかず出てった理由は」
「私の方が知りたいよ」
「は?」
追い出したのはヒカリさんだ。それしか考えられない。隼人は起きてた?寝たフリしてただけ?最悪の状況で告発しても最悪の結果を生むだけだ、こんなことになるならもっと早く話しとけばよかった……
私が深夜、証拠隠滅の為にでてったって疑ってるの?
本気で?
このアパートのどこかにいる、どこにもいないかもしれない、共犯と打ち合わせる為に?
「バレてたならなんで尾行しないの、犯人の正体がわかるかもしれないのに」
挑発的に切り返せば、初めて隼人の顔に動揺が浮かぶ。
「それ、は」
「気になるんなら追いかけてよ、ヒカリさんを殺したヤツ知りたいんでしょ、ホントに殺されたって思ってるんでしょ!?」
その為に嘘まで吐いて泊まったくせに、なんで引き下がるの?
裸足で部屋を出た私をほったらかしたの、靴をもってきてくれなかったの。
「どうして追いかけてきてくんなかったのよ!!」
寒かったのに。怖かったのに。結局隼人の頭ん中は死んだ恋人でいっぱいで私が付け入る隙なんてなくて、会って間もない赤の他人の私よりヒカリさんをとったくせに
足の裏は汚れてる。床も汚れてる。私の心も汚れてる。じくじく疼くのは尖った小石を踏んだせいか、胸か。
隼人が怯んだ隙に素早くしゃがんでスマホを開い、テキストを開く。
「ご感想は」
隼人の眼前に突き付けたのは、例の料金表。その他・自殺・他殺の順に報酬がグレードアップしていく。
料金表の備考欄には、私がこれまで『仕事』をしてきた事故物件の住所や間取りが記入されてる。
「……アンタ、最低」
「騙し討ちで転がりこんだズルい子供に言われたくない」
「いい人だと思ってたのに」
「勝手にね」
馬鹿な子供に現実を見せてあげただけ。
嫌な叔母さんと同じ負け惜しみを言ってると気付き、醜い自嘲の笑みが浮かぶ。
「チロルやるんじゃなかった」
「ごちそうさま」
スマホをしまってニッコリ微笑めば、隼人の目鼻がくしゃっと歪む。
夜道に立ったまま見た、夢の中の男の子と同じ顔。
隼人が飛び出していく。スニーカーに足を突っ込み、アパート中に響き渡る音量でドアを叩き締め、階段を一気に駆けおりる。
「……さすがサッカー部レギュラー、俊足」
手、いためないでね。
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