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ハロウィン大騒動

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10月31日。今日はハロウィンの日だ。街中はオレンジと紫色のハロウィンカラーに飾り付けられた。
それは、レンの家も変わらない。
「ジングルベー♪ジングルベー♪」
「コユリ、それは2ヶ月先だよ」
「じゃあ・・・ウィーウィッシュアメリ・・・」
「それもクリスマス」
悪魔の仮装をした双子は、家を可愛らしく飾り付けていた。アオイはキッチンでお菓子を作り、レンは家に来た子供たちの為に、渡すお菓子をまとめた。
「2人とも~。そろそろお菓子貰っといで~」
「はぁい!」
「お菓子・・・!」
双子は大急ぎでカボチャ型の籠を持って家を出た。レンが「気をつけろよ~」と玄関で伝えると、元気な背中から元気な返事が聞こえて来た。
「ワクワクでしたね~。にしても、ここってご近所さん皆仲良しですよね」
「ここは昔から助け合って生活してきたからな。家族みたいなものだから」
この町は小さな町で、近所の人々は皆大らかで優しい人間だった。なので最近では珍しく、ここの子供はハロウィンに近所の家にお菓子を貰いに行けるのだ。
「まぁ何人か子供嫌いの人もいるから、その家はハロウィン中看板を立てるんだよ」
「それは名案ですね~。誰が考えたんですか?」
「俺」
「えっ」
実は、この案を考えたのはレンだった。そういうのも、レンは子供の時からこの町に住んでおり、イベントが大好きだった。しかし、最近はハロウィンでも誰もお菓子を貰いに行けない。これではせっかくの行事が楽しめない。そこでレンは考えたのだった。
「子供思いですねぇ・・・」
「子供好きだからな」
2人が笑い合っていると、家のチャイムが鳴った。
「ふふ、お菓子を貰いに子供達が来ましたよ」
「アオイのお菓子だ。きっと大人気だよ」
「じゃあたくさん作らないと!」
アオイはエプロンの紐をぎゅっと縛り、ふわふわの尻尾を揺らした。
それから夜が更けるまで2人はお菓子を配り、次の日には、アオイのお菓子は大人気になった。
双子もたくさんのお菓子を手に入れ、幸せそうに頬張っていた。
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