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第十二話「もう一人の能力者」
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----ゴミ処理場
ザッザーーー‼︎
二人はゴミ処理場に身を隠すように入ると、街は急な大雨に見舞われた。
「僕は杉田、杉田貴寛って言うんだ、よろしくね、君は何て言う名前なの?」
拓矢「俺は矢崎拓矢だ、お前俺と同じ鉄仮面どうしてつけてんだ?」
二人は雨音響くゴミ処理場の倉庫の、大量に捨てられた塵山の上に登り、座り込んだ。
杉田「僕も前に17CLUBの奴らに拘束されてたんだよ、契約を交わす時に逃げ出したけど。」
拓矢「おい!本当か!?」
杉田「うん...でも今はここ歌舞伎街に身を隠している、奴らは僕がここにいるのは恐らく気づいているけど、今ここら辺は無法地帯だから、奴らはきっと近づけないみたいだ。」
拓矢「そうだったのか...」
すると杉田はクシャクシャになったチップをポケットから出し、一枚一枚広げ出した。
杉田「僕は歌舞伎町で殴られ屋の仕事をして生活しているんだよ。」
拓矢「お前、じゃあさっきのは??でもアイツら刃物持ってたじゃないか?」
杉田「鉄仮面を付けてるし、武器は銃以外は何でもありなんだよ、そっちのが稼げるし、こうでもしないと生きていけないよ...今日の稼ぎは拓矢君のせいで減っちゃったんだ。」
拓矢「そりゃあ悪ぃ...邪魔しちまったみたいだな。」
杉田「いいんだよ...本当に死んでたかも知れないし命拾いしたよ、でも拓矢君は何しにここへ来たんだい?」
拓矢「俺は宛もねぇ、ただむしゃくしゃして走ってたんだ。」
杉田「何だ、君も鉄仮面付けてるし、てっきり奴らから逃げだして来たかと思ったよ。」
拓矢「俺は生き別れた妹を探してる、アイツらといれば、何かそれに繋がる手がかりがあると思ってな、それにこれを頭につけてる以上アイツらからは逃げられないみたいだし。」
杉田「これは僕らの能力を制御するシステムみたいだよ、きっと奴らは僕達の能力を覚醒させるとか言ってたけど、あれは嘘だ、単なる新しい装置の実験台に過ぎない。」
拓矢「どう言う事だ!?」
杉田「君も僕もこの時代に生きてる以上、悪魔の能力にいつか食い殺され死んでいく...生まれた時からの宿命なんだよ。」
拓矢「やつらの目的は何なんだ?」
杉田「17CLUBの奴らは僕らの感情や思考の能力を売り捌いて金儲けしている悪質なブローカー集団だよ。」
拓矢「本当か...くそっあいつら‼︎」
杉田「人間は昔、この思考や感情を自由に当たり前に表現して生きていた時代があった、今この国では、思考や感情を持つ者は悪魔の呪い扱いされ、恐れられている。」
大雨の粒が鉄の倉庫に弾かれる音が激しく響き渡る。
杉田「以前秘密結社と呼ばれている人達に接触する機会があった時に、昔の時代に生きた人間の話しを少し聞いた事があるんだ。」
拓矢「秘密結社?そういえば俺の妹もある団体に拘束されてるとか言ってたんだがそいつらの事か!?」
杉田「女性はいなかったような...でも今は彼らの居場所や消息は僕も分からないんだ。」
拓矢「お前はどこでそいつらと接触したんだ?」
杉田「旧スカイタワーだよ、拓矢君悪い事は言わない、君も奴らに能力を売られる前に早く逃げた方がいい。」
拓矢「そうか...だが戻ると約束した奴がいるから俺は戻らなきゃいけない、最後にお前の能力はどんな能力なんだ?」
杉田「分かった、見せてあげるよ。」
杉田はそう言うと、鉄仮面の中で深く深呼吸をした。
ビリリリリリ...
プシューーーー
ポンッ‼︎
拓矢「ゔわぁ!!??」
二人の目の前には、ゴミ処理場を超えるほどの、巨大な兎の様な猫が幻想的に出現した。
「ニャオォォォンピ‼︎」
拓矢「おいっ!何だこいつは!?」
杉田「これが僕の能力、思考を映像化する能力だ、まだイメージが幼いからなのか、変な物しか出てこないけど...兎か猫だねきっと。」
拓矢「くっだらねぇ、変な能力だな。」
拓矢と杉田は腹を抱えて笑った。
拓矢「じゃあ行くな、お前も気をつけろよ!」
杉田「うん...また会えるよね?拓矢君。」
拓矢「あぁ、またランニングついでに顔だすかもな、じゃあな!」
杉田「待って...これ。」
杉田は塵の山から、ボロボロに折れた傘を引っこ抜き拓矢に笑顔で渡した。
ザッザーーー‼︎
二人はゴミ処理場に身を隠すように入ると、街は急な大雨に見舞われた。
「僕は杉田、杉田貴寛って言うんだ、よろしくね、君は何て言う名前なの?」
拓矢「俺は矢崎拓矢だ、お前俺と同じ鉄仮面どうしてつけてんだ?」
二人は雨音響くゴミ処理場の倉庫の、大量に捨てられた塵山の上に登り、座り込んだ。
杉田「僕も前に17CLUBの奴らに拘束されてたんだよ、契約を交わす時に逃げ出したけど。」
拓矢「おい!本当か!?」
杉田「うん...でも今はここ歌舞伎街に身を隠している、奴らは僕がここにいるのは恐らく気づいているけど、今ここら辺は無法地帯だから、奴らはきっと近づけないみたいだ。」
拓矢「そうだったのか...」
すると杉田はクシャクシャになったチップをポケットから出し、一枚一枚広げ出した。
杉田「僕は歌舞伎町で殴られ屋の仕事をして生活しているんだよ。」
拓矢「お前、じゃあさっきのは??でもアイツら刃物持ってたじゃないか?」
杉田「鉄仮面を付けてるし、武器は銃以外は何でもありなんだよ、そっちのが稼げるし、こうでもしないと生きていけないよ...今日の稼ぎは拓矢君のせいで減っちゃったんだ。」
拓矢「そりゃあ悪ぃ...邪魔しちまったみたいだな。」
杉田「いいんだよ...本当に死んでたかも知れないし命拾いしたよ、でも拓矢君は何しにここへ来たんだい?」
拓矢「俺は宛もねぇ、ただむしゃくしゃして走ってたんだ。」
杉田「何だ、君も鉄仮面付けてるし、てっきり奴らから逃げだして来たかと思ったよ。」
拓矢「俺は生き別れた妹を探してる、アイツらといれば、何かそれに繋がる手がかりがあると思ってな、それにこれを頭につけてる以上アイツらからは逃げられないみたいだし。」
杉田「これは僕らの能力を制御するシステムみたいだよ、きっと奴らは僕達の能力を覚醒させるとか言ってたけど、あれは嘘だ、単なる新しい装置の実験台に過ぎない。」
拓矢「どう言う事だ!?」
杉田「君も僕もこの時代に生きてる以上、悪魔の能力にいつか食い殺され死んでいく...生まれた時からの宿命なんだよ。」
拓矢「やつらの目的は何なんだ?」
杉田「17CLUBの奴らは僕らの感情や思考の能力を売り捌いて金儲けしている悪質なブローカー集団だよ。」
拓矢「本当か...くそっあいつら‼︎」
杉田「人間は昔、この思考や感情を自由に当たり前に表現して生きていた時代があった、今この国では、思考や感情を持つ者は悪魔の呪い扱いされ、恐れられている。」
大雨の粒が鉄の倉庫に弾かれる音が激しく響き渡る。
杉田「以前秘密結社と呼ばれている人達に接触する機会があった時に、昔の時代に生きた人間の話しを少し聞いた事があるんだ。」
拓矢「秘密結社?そういえば俺の妹もある団体に拘束されてるとか言ってたんだがそいつらの事か!?」
杉田「女性はいなかったような...でも今は彼らの居場所や消息は僕も分からないんだ。」
拓矢「お前はどこでそいつらと接触したんだ?」
杉田「旧スカイタワーだよ、拓矢君悪い事は言わない、君も奴らに能力を売られる前に早く逃げた方がいい。」
拓矢「そうか...だが戻ると約束した奴がいるから俺は戻らなきゃいけない、最後にお前の能力はどんな能力なんだ?」
杉田「分かった、見せてあげるよ。」
杉田はそう言うと、鉄仮面の中で深く深呼吸をした。
ビリリリリリ...
プシューーーー
ポンッ‼︎
拓矢「ゔわぁ!!??」
二人の目の前には、ゴミ処理場を超えるほどの、巨大な兎の様な猫が幻想的に出現した。
「ニャオォォォンピ‼︎」
拓矢「おいっ!何だこいつは!?」
杉田「これが僕の能力、思考を映像化する能力だ、まだイメージが幼いからなのか、変な物しか出てこないけど...兎か猫だねきっと。」
拓矢「くっだらねぇ、変な能力だな。」
拓矢と杉田は腹を抱えて笑った。
拓矢「じゃあ行くな、お前も気をつけろよ!」
杉田「うん...また会えるよね?拓矢君。」
拓矢「あぁ、またランニングついでに顔だすかもな、じゃあな!」
杉田「待って...これ。」
杉田は塵の山から、ボロボロに折れた傘を引っこ抜き拓矢に笑顔で渡した。
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