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ヤリチンが痴漢されているところを見てしまったモブの話

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 森岡優一という男にはあまりいい噂がなかった。優しいという漢字が名前に使われているというのになかなかのクズ。常に複数の女に手を出すわ、修羅場になるわ。そのくせモテるのだからムカつく。いつか刺されればいいと思いながらも、どこか遠い、ドラマの登場人物のような存在だった。
 そんな森岡が近ごろ、女といることが無くなった。
 ついに他校に本命でもできたのではないかとクラスでは噂になっていたし、俺もまたその噂を信じる人間の一人だった。

 今日、この日までは。





 その日俺はいつもより数本早い電車に乗っていた。時間が違えば乗る人間も違って、普段電車で一緒になるような顔ぶれは乗っていない。そんな中に見慣れた顔を見つける。森岡だ。
 と言っても森岡と仲が良いわけでもないし、ああこいつも同じ電車だったんだなと思う程度だった。
 満員電車の中が暇だったのもあって、何となく森岡を眺める。顔は中性的だし可愛いんだよなあ、遊び人のくせに。
 ぼんやりと森岡の顔を眺めていると、ふとその頬が僅かに赤いことに気づく。熱でもあるのだろうか。
 熱があるのに無理して学校に来るようなタイプでは無さそうだけど。

「……んっ」

 吐息の漏れるような音が聞こえて、たぶんそれは森岡の方から聞こえた。やはり具合が悪いのだろうか。声をかけてやるべきか悩んでいると、また声が聞こえてくる。

「……ふぅっ」

 やはり森岡が苦しそうにため息を吐いた音だった。声をかけようと一歩近づいたところで、違和感に気づく。
 森岡のすぐ後ろにスーツ姿の若い男が立っている。その男の右手が、森岡の尻に伸びている。
 痴漢、という単語が頭の中に浮かび上がる。
 森岡、顔だけは可愛いから。たしかに女と間違えてもおかしくないかもしれない。だが奴だって男子用の制服を着ているのだからさすがにわかるはずだ。それなのに、どうして。

「……や、やめて」

 囁くように森岡が男に訴えるのが聞こえてくる。そうだ、同性から痴漢されているなんて周りに気づかれたくないに決まっている。森岡の訴えを無視して、男はただ尻を揉み続ける。
 助けに入るべきだろうか。だが森岡もクラスメイトにこんなところ見られたくなんかないだろう。どうするべきか迷っているうちに男の行動がエスカレートしていく。ベルトに手をかけると躊躇いなくズボンをするりと床に落とす。
 ……どう考えても周りに気づかれる。それなのに、男は堂々としたもので。今度は下着に手をかける。
 どうして森岡はもっと抵抗しないのだろう。周囲に気づかれたくないからかもしれないが、これではどんどん状況が悪化するじゃないか。

「あんっ♡♡」

 下着が下ろされ、日に焼けていない白い尻が露になる。男の手が直接それを掴む。尻の間から何か……コードのようなものが垂れ下がっていることに気づいた。

「優一くん、すっかり『これ』がお気に入りだね」

 男は『これ』と言いながらそのコードを軽く引っ張る。瞬間、森岡の体がビクビクと跳ねた。

「あっ♡♡だって……すぐ入れて欲しかったから♡♡」

 女が媚びるように、森岡が男に縋る。あれ、森岡は痴漢されていて、嫌がっていて……俺が思っていた状況と何だか違うような。
 混乱している間にも森岡は男に何かを手渡す。小さなリモコンのようなそれを男が弄ると、モーター音のようなものが電車内に響いた。

「――あああっ♡♡」
「一回イケたら入れてあげる」
「イク♡♡すぐイッちゃう♡♡♡」

 射精しそうになった森岡のペニスを男の手が覆い、精液を受け止める。周囲にまき散らすことはなかったが独特のにおいが俺の鼻にも届く。

「汚れちゃったから綺麗にしてね」
「……はい♡♡ぺろ、ぺろ……んっ、」

 従順に自分の精液で汚れた男の手のひらを舐めて、発情した雌のような表情でくねくねと男に尻を振る。

「じゃあローター抜くね」
「あんっ♡♡」

 森岡の体内からAVでしか見たことがないピンクのローターが取り出される。スイッチは切られた後のようでもう動いていないそれが、床のズボンの上に落とされる。

「はやく……入れて」

 気が付けば息を止めて二人の――森岡の様子を見ていた。

「もっとエッチな言い方で」
「あっ♡♡はやく、俺のおまんこにおちんちん入れてください♡♡♡ずぽずぽしてほしいの♡」
「優一くんは本当にいやらしいね。こんな電車の中で、皆に見られながらおまんこ苛められたいんだね」
「うん♡♡♡いつもみたいにして♡♡♡俺のおまんこザーメンまみれにして♡♡♡」

 卑猥な言葉の後に、男のペニスが森岡の尻に挿入される。先程までローターを入れていたからなのか、それともすっかり性行為に慣れ切っているからなのか、森岡のそこはあっさりペニスを咥え込む。

「あっあっ♡♡♡おちんちん、気持ちいい♡♡♡」
「うんうん、優一くんはおちんちん大好きな淫乱だもんね」
「はい♡♡♡んんっ♡♡うぁっ♡♡深い♡♡♡」
「孕むようにたっぷり子宮に出してあげるね。ほら、もっとおしり突きだして」
「あっ♡♡だめ、ふかいの♡♡♡こわい……おまんこ壊れちゃう……あぁんっ♡♡♡」
「そんな気持ち良さそうにしてるのに?優一くん、もっと奥までい、れ、て♡」
「――ひぁああああんっ♡♡♡♡♡」

 しっかりと奥まで男のペニスを咥えた途端、森岡のペニスがまた射精する。今度は男はそれを受け止めてくれず、床に落ちた森岡のズボンを白く汚した。

「やっ♡♡♡ふかすぎるの、だめ……っ♡♡こわれるっ」
「奥気持ちいいね。優一くんの子宮口と俺のおちんちんがキスしてるよ♡ちゅっ、ちゅって♡」
「にゃぁんっ♡♡だめ、あっ♡♡♡すごいのっ♡♡」
「そろそろ出してあげるね。孕め孕め♡」
「あっ♡はっ♡♡やぁんっ♡♡♡」

 男が森岡の腰を掴み、何度も何度も、ペニスを奥に叩きつけるように動く。
 何度も何度もそうして、ようやく動きを止めると、男は森岡の薄い腹をそっと撫でる。どうやらもう中に出してしまったらしい。

「いつものお礼は?」
「……っ♡♡♡今日もザーメンありがとうございますっ♡♡♡あんっ、……お、美味しかったです♡♡♡」
「よくできました」

 男は森岡の頭を撫でると、ペニスを抜いた。森岡の白い尻からドロリとした精液が溢れるのが見える。思わずごくりと唾を飲み込んでいた。

「次は俺の番だな」

 二人の近くにいた白髪混じりの男が森岡の腰を掴むと、先程の男が射精したばかりの中に躊躇いなくペニスを挿入する。

 そこでようやく俺は気づいた。この車両、男しか乗っていない。そしてその男たちは皆、森岡の痴態を見つめていたのだ。
 だから、ここまで堂々と電車内で性行為をしても誰も止めなかったのか。

「あんっ♡♡♡まだイッたばっかなのに♡♡♡」
「時間が無いんだからとっとと締めろ」
「むりぃっ♡♡♡あっ♡♡」
「俺の濃い精液も飲みたいだろ?優一はザーメン大好きだもんな。絞めないと飲めないぞ」
「ああっ♡♡締めるから……濃いのください♡」

 男が森岡の白い尻を軽く叩く。それに犬の鳴き声のような悲鳴をあげる。中が締まったのか男は二度三度と尻を叩く。そのせいで白かった森岡の尻は赤く手の跡がついてしまい痛々しい。
 痛々しいが、すごくいやらしくも見える。



 ※※※

 学校の最寄り駅が近づいてくると行為は終わり、周囲の男たちが森岡の身支度を整えていく。床のズボンはすっかり精液まみれで白くなってしまっており、代わりに用意されていたズボンを差し出される。
 ズボンを穿く前に、たっぷり中出しされたアナルは、森岡が元々入れていたローターで蓋をされる。下着は奪われ、ノーパンのままズボンを穿かされる。

「続きは夜に、ね」

 誰かがそう囁くと森岡はうっとりと頷く。まだ中にローターが入っているからか表情がやけに色っぽい。

 最寄り駅で扉が開き、森岡がフラフラと電車を降りる。慌てて俺も降りようとしたところで、誰かに肩を叩かれる。振り返ると最初に森岡を犯した男がにこりと笑っていた。

「君、優一くんの学校の子だよね。優一くんと仲良くしてあげてね」

 先程の行為を見ていなければまるで家族のように優しく言うものだから、思わず頷いた。すると男が何か差し出してくる。

「プレゼントだよ」

 発車のベルが鳴り、慌ててそれを受け取ると電車から飛び出す。背後でドアが閉まるのを確認すると、手にしたものをまじまじと見つめる。

 ――ローターの、リモコンだった。たぶん、森岡の中に入ってるローターの……


「マジか」

 慌てて上着のポケットにしまう。
 とんでもない物を受け取ってしまった。だが、別に受け取ったからといって捨ててもいいのだがそれをまた別の誰かが悪用したらと思うと簡単に捨てることも出来ない。
 だってこれを押したら森岡の中のローターが動いてしまうわけで……。

 本人に返せば俺があの行為を見ていたことがバレてしまう。ならば家に帰ってから分解して捨てることにしよう。だが、俺はこの誘惑に勝てるのだろうか……スイッチを押してしまうんじゃないだろうか。
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