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第五話「油断大敵」①
しおりを挟むどんなに耕平が逃げようとしても相手は地球の生物ではない。どうしたって逃げ切れるはずがないのだ。
もう四度もあんな目に遭わされた耕平だったが、さすがに五度目は避けたかった。ちょうど連休だったから家から出なければ無事でいられるのではないかと考えた。
妹にどこかに遊びに連れていけとせがまれたが、録画したマジカルチェリーで誤魔化した。これが大人でもなかなかハマるというか、何だかんだ言って毎週見てしまっている。続きが気になるのだ。
時折スドーのことを思い出しかけたが、なんとか忘れようとした。
せっかくの連休の半分はもう家で過ごした。さすがにそろそろ外に出たくなってきたが、うっかり外に出ればまたクルトに遭遇しそうな気がして、結局家の中にいた。
せめてもの鬱憤を晴らそうと、休み前に買っておいたチューハイに手を伸ばす。昼間から飲むのは躊躇われたので、夜に自室で。それなら許されるだろう。少し寂しい気もしたがバラエティ番組でも見ながら飲めばいい。
第五話「油断大敵」
「あれ~クルトだ~」
グルグルと世界が回っていて、気がつくと目の前には見知った少年が呆れた顔で立っていた。
「地球人はアルコールに弱いと聞いてたけど、君はかなり弱いみたいだね」
眉間に皺を寄せて何か呟いているが、耕平にはよくわからなかった。ただとても気分が良くて、楽しい。それがアルコールのせいだと気づかずに、親しげにクルトに近づいていく。
「クルトの髪、サラサラ!きもちいー」
小さな体を抱きしめるとずっと触ってみたかった髪を撫で回す。見た目通りサラサラな髪は枝毛一つ無い。どんなシャンプーを使っているのだろう。
くせっ毛な耕平としては羨ましい限りだ。
「クルトはえらいな、一人で遠い星から来たんだもんな」
「僕はコウヘイより百年は生きてるんだけど」
「こんな小さいのにえらい!よしよし~」
サラサラの髪をぐちゃぐちゃと撫で回す。髪が乱れてしまうのだけど、クルトは特に耕平を止めずに好きにさせていた。酔っ払いに抵抗しても無駄だと諦めていたのかもしれないが。
髪を撫で回すと今度はその匂いが気になって、首筋に鼻を近づける。嗅いだことの無いいい匂いがして、更に気分が良くなる。
「……んっ、何か熱い?」
それまでのアルコールでの熱とは明らかに違う、ゾクゾクというかムラムラというか……。
「フェロモンを嗅いだからだよ」
「ふぇろもん?」
クルトがクスクスと笑う。耕平より小さな体が、軽々と耕平を抱き抱えると、ベッドに落とした。
「わっ」
「煽った責任、取ってね」
もしかしてこれってヤバい展開では、と思った時には遅かった。耕平の上に小さな体がのしかかって来る。簡単に押し返せるはずなのに、ビクともしない。
「フェロモンが効いてるから抵抗できないはずだよ」
どういうことだろう。クルトの手がシャツを捲りあげて素肌に触れてくる。冷たくて、擽ったくて、抵抗したいのに体が上手く動かない。飲みすぎたかな。
「あっ、だめっ♡」
小さな子供の手が腹を撫で、少しずつ上に伸びてくる。いや、子供じゃないのか。むしろ耕平の祖父よりも年上なわけで……おじいちゃん?
小さな手に乳首をいやらしく摘まれ、気持ちよさと罪悪感がない混ぜになったような。だって見た目は小学生くらいだし、いくら中身が爺さんだからって視覚がヤバい。
「あ、だめっ♡♡おっぱいでないから……っ♡♡」
小さな唇がそこに触れて、ちゅぱちゅぱと吸われる。そんなことされても母乳なんて出ないのに。そう言うとまた子供扱いされたことに怒ったクルトが乳首に軽く歯を立ててくる。
「ひんっ♡♡や、噛まないで、っ♡♡」
「コウヘイのおっぱいはいやらしいから噛まれても気持ちよさそうだよ」
「いたい、いたいから……んんっ♡♡」
痛いだけなはずなのにそこを甘噛みされてもペニスが萎える気配はなく、むしろ甘く痺れていくばかりだった。
「可愛いコウヘイ……僕のペットにしたい」
「へっ、ちょっ……やだ♡♡」
小さな手がさわさわといやらしい手つきで尻を撫でてくる。触られたことは無いがセクハラ親父のような手つきだ。このエロジジイ、と手を掴みあげてやりたかったが、体が言うことを聞かない。
アナルの表面を優しく撫でられて、これは、もしかして貞操の危機というやつではないだろうか。ヤバいと思うのに体は全然動かなくて、クルトの行為を受け入れてしまう。
ど、どうしよう……。
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