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一部 同じ日のループ

12-②思い出してしまいました※

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 時計を見ると二時で、両親も眠っているのかひどく静かだった。昼寝をしすぎたせいで悪夢を見たのかもしれない。まだ心臓がバクバクと音を立てている。
 途切れ途切れだったけれど、あれは、三浦に犯された時の記憶だった。
 最初はとにかく痛くて仕方がなかったのに、気がつけばドロドロに溶かされて、三浦を求めるようになって。それがただの悪夢だったら良かったのに、どれもリセットする前の現実で起きてきたことだった。

「……大丈夫」

 もう日付は変わった。あの一日を繰り返す必要はない。

 そう自分に言い聞かせても、夢の内容がこびりついたみたいに頭から離れない。
 深呼吸をしてどうにか気持ちを落ち着けると、今度は違う部分が気になった。あの夢のせいで勃起していたのだ。

 仕方ない。抜くまで眠れそうにないし、出せば疲れて眠れるだろう。そう思って自慰を始めたまでは良かったのだが――

(あれ、)

 ズボンと下着を少し下ろして、ペニスに触れる。扱けばたしかに気持ちいい。気持ちいいけど、決定的な刺激に欠ける。

「あっ……んんっ」

 どうしてだろう。もどかしくそこに触れても、気持ちいいはずなのに、いつまでもイケそうにない。
 どうしよう。ざわざわと胸の奥が騒ぐ。どうしよう。
 悪い夢の続きでも見ているみたいに、体が勝手に動く。右手で自身を扱きながら、左手の人差し指をペロリと舐める。そのまま唾液でたっぷり濡らすと、『そこ』に触れる。

「……ひっ」

 初めて触れたはずなのに、そこは涼太の指を迎え入れようと口を開ける。表面をなぞるだけのつもりが、そのまま誘われるままに指をわずかに挿入してしまう。

「んっ♡やっ♡」

 怖いのに、気がつけば根元まで指を飲み込んで、ゆっくりと抜き差ししていた。

「あっ♡やだっ♡♡」

 ある一点をかすめると体が甘く痺れるようで、夢中でそこばかり弄ってしまう。
 三浦だったら、どうしていたっけ。ペニスに触れるのも忘れて前立腺をぐりぐりと刺激する。指一本では足りなくて、二本、三本と増やしても、まだ物足りない。もっと熱いもので、奥まで貫かれたい。




 ――涼太、一人でする時も思い出してね。俺とのセックス思い出しながらしてね

 耳元で三浦が囁いたような気がした。



    ※※※



 なんとかペニスとアナル両方の刺激で射精することができて、疲れて眠ってしまった。
 起きたら日付はちゃんと翌日になっていて、涼太はそれをリセットするべきかどうか少しだけ悩んだ。
 あんなことをしてしまった昨日をなかったことにしてしまいたいけれど。前だけの刺激で達せなかったことも確かなのだ。
 もしもまたリセットして、三浦に捕まって犯されてしまえば、状況はまた悪化するに違いない。

 ならばこのまま、リセットせずに続けるしかない。

 そして、今度こそ三浦から逃げる。




「涼太、あんた大丈夫なの?」
「うん、寝たら治った!」


 そうして涼太は高校へ向かった。
 昨日までとは違う、三浦から逃げられる未来が待っているような気がした。



 ――――――
   reset

  →save

 ――――――


 next stage……



―――――――



静葉さん
そもそも、学校に登校せず家に引きこもって尋ねて来ても無視すればいいのでは?

でした!
ありがとうございます。




今回で第一部完。番外編を少し挟んで第二部が始まる予定です。
第二部と言ってもそこまで物語が大きく変わる訳では無いのですが……セーブポイントが変わったからこそできることをしていきたいと思っています。
すっかりのんびり更新ですが、またお付き合いいただけると嬉しいです(o^-^o)




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