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 ・・・・悪意を感知するスライムを配置しています。悪意を持って作品や備品に触れますと即時に[くっ殺]の刑が執行される事でしょう。御来場者の皆様は、それを留意の上で入場して頂き、御注意下さい。・・・・
これは、入場券に添えられた書類同意書の一文である。生徒には魔法祭の随分前から、この一文が記された同意書が配られ、サインせねば参加が認められず。当日に入場する御客様にも同意書へのサインが求められていた。

 所で…、このスライムを配置した上での[くっ殺]とは、私が知っとお[くっ殺]で合ってるんやろうか?だとすれば…、私より先に[この異世界]へ来た異世界人達て…文化的な発展が少ない事を鑑みると…、そう言うエロ知識特化な関連のオタクばっかやったんか?物は知ってるけど…作り方の知識は乏しい…ファンタジー要素を壊さん程度の知識しかない…、一般的なオタクばっかやったんやろかな?って言うか…、そもそも普通に生活してて、仕事か趣味かが高じて知ってるのは兎も角、毒とか薬…金属の扱いや抽出生成方法を知っていたり…機械を材料や部品から製造できるレベルの知識は持ってないよな?普通一般的な生活しとった人は…やけど…、って、まぁ、SFと棲み分けてこそ楽しいファンタジーやし、そないなハイスペックなオタクの転生した異世界に来なくて良かった…と思って忘れる事にしとこ…、でも…[くっ殺]かぁ~…BL的にはドエロでも有りなんやけどな…、TLやその他の大人向けのアダルト的な世界要素、存在しててもかまへんけど、私の好みではないんよなぁ~…私の知らんトコだけでやってて欲しなぁ…、んでもって、くっ殺されるんは男限定であっれば非常に喜ばしいんやけどな←(注意・・! これは自分が巻き込まれるのが嫌いな一腐女子の個人的な意見です)……。

 こんな事を考えていた私、ガルディア・エストゥですが、スライムから延びる触手に弄ばれる獲物(男)を目の当たりにした時には、ハイスペックなオタクの存在への否定を即時に前言撤回してしまいました。
先程のんは、普通に負け惜しみです!寧ろ、でした。前世の風呂やシャワーが恋しいです。やっぱり、トイレは水洗便器が良いのです。(ねぇ、知ってる?経済状況に寄って素材が異なるけど、水洗便所が無いと汲み取り式のボットン便所かオマル、素焼きの壺や花瓶っぽいの、桶や木箱とかなんだよ!又は、外で穴掘ってして埋める可能性も有り)は…、置いておいて……。

「うっそ、マジ、ヤバ!18禁の資料様の降臨⁉」
自分で言うのもなんやけど、ハイスペックなオタクの転生した異世界に来なくて良かったなんてホンマ嘘やったわ!正直に今は、カメラを部品から製造できるハイスペックなオタクの転生者様!又は、移転者の方はいらっしゃいませんか!!ってのが本音やし!
あぁ~マジ目に、カメラが欲しい!(写真だけでなく録画も出来たらもっと良い!)デジカメがえぇ~とか我が儘は言わへんし、フィルムのでえぇ~からマジ気にカメラが欲しい!この場面を一瞬で切り取ってフィルムに保存し、面倒でも、後からくっらい部屋で映像を焼き付けた紙を「上手く撮れとうかな?」ってドキドキしながら現像液に浸して写真に加工するのでも良いからカメラが欲しい!私自身にスキルが乏しいから現像技術も一緒に欲しなるけど!と、本気で願いました。(←注意・・! 写真の現像が全自動の機械で行われるように成ってた昭和後半生まれの写真オタクです。平成を越えた令和の時代にはレアな存在かも知れません)
勿論、その願いは叶いませんので、クロッキー帳に何枚も速写、速写した絵から後日、改めて素描デッサンを書き起こしていたらチュテレールに気付かれ、本気で「何やってんだ!オマエ・・・は!」と叱られたのですが、それはまた別の御話。


 そして、ここからが個人的に嬉しいイベントが起きる魔法祭の当日の朝の御話です。
寮の部屋にて、私はスライムシングオーブ王女様と会話しているのを見掛け、スライムシングが体内から黒いスライムを取り出しオーブに手渡すのを眺めながら思った事を口にしていました。
「オーブ?今年の魔法祭の警備て、うちの子シングがするん?(同意書に悪意を感知するスライムとか書いてあったし)」
「あら?今更ですわね、でも、そうよ!御父様国王と東の辺境伯(ガルディアの伯父)には話を通して、スライムシングちゃん自身にも賄賂を渡して了承を得ているわ」
「え?(私への了承は?)マジか…(賄賂てシングに何渡したんやろ?)」
賄賂の正体は、魔法祭の夜にある貴族は強制参加の夜会で貴族の娘が着るドレス。去年は「制服も礼服みたいなもんやろ?(専用の下着コルセットは勿論、プリンセスドレスは嫌いでござる)」と、男子生徒や平民の女生徒達に交じって(夜会で出される料理目当てで)制服にての参加をしていたが、スライムシングの所為で今年の魔法祭の夜会はドレスの着用を見逃して貰えませんでした。専用の下着コルセット着用すると、食べたくても苦しくて殆ど何にも食べられねぇのです。は、置いておいて、今日が魔法祭の当日です!大事な事なので二度目の主張ですよ!

 そして、もう一度主張する。魔法祭の当日!今日が、総受け設定のヴォルカン・ファス・シュッドゥ王子の御披露目の日です!(←注意・・! 一部の腐女子的にはそうですが、一般向けにはそう言う訳ではありません!)入学して2年目で初めての(私とチュテレールは、去年も先輩方の御手伝いしてたけど)主催者側での参加、勿論、我がクラスは展示での出店ですよ!!

 それはそうと私が知らない間に決まっていた最初の設定は、グラースが作成した光り輝く大きな氷の像を配置し、中央から段々と彫刻とか銅像的な物の色合いを暗く落として、最後に漆黒の彫刻とか銅像的な物で囲い込む筈でした。が、オーブ王女様の独断と偏見「グラデーションとか難し過ぎでは?」と言う事で、中央の仁王立ちのヴォルカン像を一番大きく輝かしく飾り立て、(←オーブ王女様の御威光で足元に茨とかも飾り付けちゃいました!花の色は青紫です)周囲の他の像は、色取り取りの暗い色合い。一番近くは一番小さくし、外側に行けば行く程大きくして行く設定にして、タイトルは[王族(総受けヴォルカン)を崇める国民タチ]に成りました。(←注意・・! 現在タイトルに腐女子思考が強く投影されています!多分きっと腐ってない人には[王族を崇める国民達]と成って見えている筈です)見る人に寄っては、暴君仕様にも見えなくはなくて、ヴォルカン王子が次期国王で大丈夫か?って言う問い掛けをされているのでは?と邪推する人間も出て来るような仕様の作品と成っています。
世の中、思考や思想の違いで同じモノが違って見えて面白いですね!オーブの押しCPはグラース×ヴォルカンですが、オーブ王女様が次期国王として押しているのは、13人存在する兄弟姉妹の内の別の兄弟(候補は複数らしい)です。有名な御話らしいですよ!ってな訳で世の中、多方面から見てみると奥深いですね。

 そんな次期国王候補ではない方の(オーブ曰く)愚兄(オーブ外して12人も存在するので、候補ではない方も複数人存在するらしい)の一人、ウィルオウィスプを狙った魔法生物の研究者が、セキュリティーの一番最初の餌食に成って下さいました。それは開催前の時間。準備や最終確認の時間。
オーブは「職権乱用してまでして、何をヤラカシテ下さっているのですか?(馬鹿なのですか?)」と呆れ顔。
「悪意を持って照明を動かした人がいたらしく、大変な事故が起きてしまった!」と話を耳にし…「なんやて?大変やん!」と急いで救出名目・・・・で(クロッキー帳片手に)現場に駆け付けた私は…、大声を出していました……。これです→「うっそ、マジ、ヤバ!18禁の資料様の降臨⁉」

 あん時は本気でびっくりしたわぁ~、流石は王族ってヤツやね!モブでも、異世界(ゲームの世界)感を壊さない見目麗しき御尊顔!いや若しかしたら、この人も攻略対象の一人かも?て、思わんでもない程に顔も体型もめっさキレイやったわぁ。後な!掛けてた片眼鏡モノクルを取り上げ、どんなに抵抗されても、服を溶かさずに一枚一枚丁寧かつ強引に脱がして行くって良くね!眼福だったわぁ、「肉体美やっべw」とか言いながら御絵描きしてもたわ!
で!当たり前の事ですが、助けずに絵を描いていたら、担任教師に怒られました。オーブ王女様の御威光で罰則無しですが、小さく舌打ちされ「問題児め等が!」と呟かれ、おもっくそ溜息吐かれましたね。私達の方は先生からの評価がやべぇ~事に成っているかもしれません。

 まぁ、これが切っ掛けで、ヴォルカン似(って言うかヴォルカンが似てるんやろけども)の顔立ち、短く切りそろえられた深紅の髪、深紅の瞳を片眼鏡と片方だけ伸ばした前髪で隠した美丈夫さんである第一王子と仲良く成る事が出来ました。って事やけども、マジでか?な案件発覚です。(オーブに愚兄と紹介された後、黒いスライムの触手攻撃から救出した時「アレでも私達の長兄ですのよ」と言われたんけど、そん時に何も知らんかったから、何とも言えん気持ちに成ったわぁ~)

 アレを王太子にしたら不味いから、王太子が不在なんかしらんけど、兄弟姉妹の中で一番血統が良いヴォルカンが、王太子気取りでヤラカシテいる現実。
ヤラカシが何故に発生したのか?の理由をも、その時に知って、悪役令嬢が断罪される未来を産んだ責任をその第一王子[エリュプシオン・デルニエール・シュッドゥ]に取らせたいと思った私に何の罪があるでしょうか?だから助ける時に、鳩尾狙いで回し蹴りしてしまいました。

 まぁ、第一王子ってば、魔法生物の研究の為だけとは言え冒険者もやってるらしいし…、キレイに実用的な筋肉付いてたし…で大丈夫やろうとは思いましたが…、回し蹴りクリティカルヒットさせても普通に大丈夫でしたね……。ホント、今思えば、ちょっと残念です。
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