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 取り敢えず…自由に育った私の妹の…、王子に対する不敬な発言と…国王及び学園長に対する無謀で失礼な行動を伴う発言の御蔭で…、私は学園の生徒会役員である王弟の娘と、自分の婚約者でもある王子の妹の護衛をする為に、私は特例に特例を重ねた上で、妹と一緒に護衛と言う役職で生徒会役員に成る事と成った……。

 入学して半月の妹が、何時の間にか倫理的にアウトな証拠と、その事に関する報告書を揃え、学園を視察に来た国王の居る学園長室へと乱入した。とか、しなかったとかが、発端の出来事らしい。
因みに、後日、学園長に見せて貰った我が妹君が国王に提出する為に纏めた報告書を要約すると、以下の①と②の通りである。

**①**
 婚約者を蔑ろにしてピンク頭に謙遜する愚か者共が、学園に通っている間に交流を深め理解し合わなければならない筈の婚約者を蔑み陥れた上で、ピンク頭を婚約者に迎えようとしている。

**②**
 そもそもピンク頭は、私利私欲の為に金と権力のある男達を魔法アイテムである香水やアクセサリーを使用して篭絡し貢がせ、最終的には落とした中で一番の地位と権力のある男、王子の婚約者に成り替わろうとしている。

 御蔭で本来しなければ成らなかった王子の護衛の任務から私は外され、王子と行動を共にするピンク頭の行動に頭を悩ませなければ成らない事案も減り、私は妹に感謝してもしきらない状態ではある。
それはさて置き、ホントにホント、国王様が王子の方でなく、その妹の方を溺愛してくれていて良かった。その御蔭もあって、私の妹が王族に対する不敬の罪で処罰を受ける事が無くて良かった。と本気で思った。

 私も嘗ての幼少期。最初に薄ピンク色の髪をした非常識人間に付き纏われる事に成った頃。
面倒臭い事に、護衛対象の王子や私以外の王子の側近が…、婚約者持ちであるのにも拘らず…その非常識の権化に御執心であったが為…、一先ず…国王様に報告して貰おうと思って大人に報告した事があったが…、ピンク頭を気に入っていた護衛隊長に却下された上…本気で怒られた事があったのだ…って…ん?アレも魔法アイテムを使用した事案だったりしたんじゃないか?もしも、ピンク頭が同じピンク頭なら…今も昔も同じ臭いを放っているし…同じアクセサリー付けてるし……。魔法アイテムの事が私の勘違いじゃなかったら、マジでヤベェ~生物だなピンク頭。

 等と、色々思う事があった春を超えた後の夏休み。
辺境伯領側、王族の保養地近くの出会いと再会の泉を見下ろす別荘に、妹が学年代表含む生徒会役員全員と参加を希望する生徒会役員の婚約者達、及び、別荘周辺に妹の希望で建てられた貸しコテージへ、友人知人を招待。した上で、別荘と貸しコテージの安全を守る為に、急遽建てられた2つの周囲警戒用のやぐらなのだが、その櫓と櫓の間の場所に、夕方から食べ物とアクセサリーや小物を売る出店の出店希望を近隣の町や村から募集したらしい。

 最近、父上が…、(手遅れなのに…)溺愛する娘に汚い大人の世界を見せない為なのであろう…、大規模な野営地へ、娼館から派遣されて来たりする娼婦…旅の踊り子等の旅芸人の話を口止めして回っていた事から発覚した……。
その事から、事の概要を妹に教えて貰う前より先に、私は知っていたのだが、如何やら我が妹君は、熱いし危ないからと偽物の松明、虫対策魔法を掛けた松明擬きをあちこちに飾って、雰囲気を出す為に本物の辺境騎士に警備して貰って、何かしらの物語に出て来る大規模な野営地の再現をして、それを体験するイベントを生徒会の誰かと企画実行する為に動いているそうだ。

 だがしかし…、この時期なら出会いと再会の泉に蛍が舞っていて綺麗だし…虫対策魔法を掛けた松明じゃない方が良い気もするのだが…、それを言って万が一…、妹のやる気に水を差してしまったら…妹は子供みたいに頬を膨らませて怒って可愛い顔するかもだけど…、引き換えに私自身が妹に嫌われ兼ねない…、その為、こう言う場合、普段から私は黙って見守る事にしている……。が色々と気に成る事がある。魔物に対する警備は万全だが、人に対する警備計画に穴がある気がする。ホントもどかしい。

 全く持って、もどかしい。もどかし過ぎて、私はこっそり妹の為に手を貸そうと思うに至った。
妹に気付かれない様に、妹に気付かれても大丈夫な様に、王族の保養地付近からピンク頭や王子御一行が出没できない対策を講じる為、生徒会長と婚約者に事情を話し、味方に成って貰った上で名義を貸して貰い。国王様を通じ、王族の保養地の者達や王子の護衛担当者達に又はしてくれる様に頼んで貰った。のだが、国王様からの申し出で「序に愚息が、我がの愛しき愛娘と、その友人達の邪魔をしない様に」と、と言うのをして貰える事に成ったらしい事柄が書かれた書状が国王様から届けられた。

 その過程で私は、周囲からシスコン扱いされる事と成る。(←*注意*紛れも無くシスコンである)妹が私の事を好き過ぎる事は有名だが(←妹が周囲に「私の兄様は神で天使・・・以下略・・・・」と、事ある毎に私を神の如く褒め称えている事を最近知ってしまった御様子)それと一緒にはしないで欲しい。流石に私の気持ちは妹程ではない。(←ホントに、そうか?)
所で妹よ?「オシ(推し)との距離は適切な距離に保たなければ駄目なのですよ」って言うのは何処へ行った?←*妹談*「嫌だなぁ♪推す事それ推し活これとは、俗に言う別の御話と言うヤツですよ♪」

 まぁ、そう言う訳で(?)妹とが企画したイベント期間中、出会いと再会の泉に蛍が舞う時期の間、我が父上曰く、何時の間にか娘を溺愛する様に成っていた国王の意向で、ピンク頭と王子御一行は王都に閉じ込められ、王族の保養地及び我が領地に近付く事も儘ならなく成ったらしい。

「姫ぇ~…、ダメ人間御一行、来なかったですねぇ~……」
「そうねぇ~残念ねぇ~」
今、私の婚約者がチラチラこっちを見てニヤニヤしている。
「ホントですよ!折角、色々と罠を準備してたのに!」
おい?!妹よ?今、何を準備したって言った?
「残念だったわね♪それはまた今度にしましょ」
「そうですね」
私は後で、我が婚約者様と自分の妹に詳しい話を聞かなくてはいけない。そう心に決めた。
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