5 / 30
今宵のディナーを用意する赤子
しおりを挟む
伯爵が暴れたせいで花瓶が割れて床が水浸しになっている。飾られていた花が可哀そうに散らばっている。父上の書斎で両親と言い争う伯爵を、俺は誰にもバレないように息を殺してドアの隙間から覗きこんでいた。
顔を真っ赤にした伯爵が汚い唾を飛ばして怒鳴る。
「昨日のエリーナの件で私に仕返しでもしたつもりか!?」
母上は自分の名前がでたことに驚き、疑問を投げかける視線を父上に向ける。
「・・・昨日伯爵が来た時に、エリーナを引き渡せば金を貸すと言われたんだ。愛人にしたいらしい。もちろん断ったがな」
「……そんな、お金は大丈夫だって言ってたのに。どうして相談してくれなかったのよ」
「言えるわけないだろ! 世界一愛する妻を誰にも渡したりはしない。私は貴族としてそこまで落ちたつもりはないよエリーナ」
「あなた……」
父上はこれ以上ないほど渋い表情できめて、母上に熱いまなざしをおくる。
そして母上も、まるで今日付き合い始めたカップルのように頬を染めて、嬉しそうにしている。
(なんだ、この胸やけする光景は……流石に自分の両親だとキツイな)
しかし、目の前でそんなシーンを見せられた伯爵は余計に気分を害したようで、空気をぶち壊すかように二人の間に割り込んで叫ぶ。
「なにイチャイチャしてんだ底辺貴族がっ! どうでもいいから、さっさとあのドラゴンを屋敷から追い出せ!」
「そういわれても、私にはどうしようもできないのだが」
「まだとぼけるのか! お前が差し向けたドラゴンは私の屋敷を粉砕したんだぞ!? しかも、なぜかお気に入りの美術品だけを念入りに砕いて燃やしやがった! この、くそがぁぁぁぁ!!!」
思い出して怒りが再熱した伯爵は近くにあったものを殴りつけて、ぜえぜえと息を切らす。
「あのドラゴンのせいで、私の領地はパニックだっ、住民も逃げ出してゴーストタウンのようになっている」
「なら、伯爵が自分で言っていた、S級冒険者を雇えばいいのでは?」
「馬鹿をいうなっ! そんな貴重な戦力が都合よく待機しているものか、魔王討伐の遠征にでているに決まっているだろ!?」
「なっ!? では昨日は私をだましていたのですか!?」
父上が怒りに震えて、伯爵に飛びかかりそうだったが、母上が腕を掴んでとめた。クズとはいえ上流貴族だ。殴ればただでは済まないだろう。
「ふん、田舎貴族が、だまされる方が悪い」
「帰れっ!!二度とくるなっ」
「言われなくてもそのつもりだ」
そういって伯爵はあっさりと引き下がり部屋を退出する。
俺もお馴染みの壺へダイブした。
(ふう、あのドラゴン、想像以上に仕事をしてくれたみたいだな。今度お礼にコーヒーでも持って行ってやるか)
ひとまず、最初の嫌がらせはうまくいったようだ。
(それにしても伯爵、ぷぷぷ、お前母上に嫌われたな。母上はなっ、俺がいれば十分なんだよっ。俺も母上がいれば十分なんだ。つまりお前の入る隙間はないってわけ)
もちろん俺は父上も尊敬しているが、俺は断然母上派だ。断じておっぱいで選んでない。
だがな、伯爵。お前がしたことは、この程度で許されはしない。
何故なら、全然俺がスカッとしないからだ。これは序章にすぎない。
それに、あの意地汚い伯爵が、そう易々と諦めるものか。
どうせこの後、絶対になにか仕掛けてくるに決まってる。ならば、その時に俺が直接引導を引き渡してやろうじゃないか。
■■■■■
――――夜
町外れにある、先端が尖った巨大な岩の上で俺は一人ただずんでいた。
眠くはない。既にカフェインは注入済みだ。
苦くて飲むのに苦労したが、大切な人を守るためなら俺はいつだって修羅となる。目をつむり精神を研ぎ澄ませていく。
静かだ・・・耳に入ってくるのは虫や夜鳥の鳴き声と、そっと吹く夜風の流れ。
すると、そこへカチャ、カチャと、鎧をつけた人間の歩く音が聞こえてきた。
ゆっくりと目をあけて、眼下に集まっている不届き者を見おろす。
百人ほどか。
それは伯爵が集めた、盗賊風の男たち。
おそらく、兵士の装備をワザと汚くして変装させている。
身のこなしと、統一のとれた全体の動きから訓練された兵士なのは丸わかりだ。
おおかた、我が父カイリーがドラゴンを差し向けたとか言って動かしているのだろう。
そいつらは列になって、町に向かい進行していた。
一番後方には馬に乗っているデブの男がいる。
顔は布で隠しているが、その腹で伯爵だとすぐに判断できる。
ふっ、お粗末な変装だぜ、俺の足元にも及ばない。
俺はいま、漆黒のタオルケットで全身を隠し、顔を隠すように目から下にはよだれ掛けを巻いている。さらに父上の汗拭きタオルを帽子かわりに被り、完全に誰かわからない状態だ。
さしずめ、闇の暗殺者といったところか。
俺は月光に照らされながら、「とうっ!」と飛び上がり、ぱさぁと漆黒のマントを翻らせ盗賊共の前に躍り出た。
「だっ、だれだ貴様、小人かっ!?」
「全員構えろ、珍妙な奴があらわれたぞ!」
(騒ぐな、お前たちの命はすでに俺の手中にあると知れ)
俺は昨日ドラゴンから会得したテレパシーで直接脳内に話かける。
「なっなんだ頭の中に声がぁぁ」
はじめての経験に全員がうろたえて、騒がしくなる。だが、有象無象がどれだけ群がろうと興味はない。俺は伯爵の位置を確認する。
すると、後方にいた伯爵は、馬から降りて物資を運ぶ馬車に隠れたようだった。
(ふん、所詮は醜いブタか)
その場でキッチンから拝借してきた包丁を上段に構える。
すると、正面から男が一人、槍を持って突撃して来たので、俺はすれ違い様に包丁を一閃する。
男は俺が居た場所を通り過ぎたにも関わらず、止まらずに走り続ける。
盗賊たちがどうしたんだと、その男に呼びかけるがもう遅い。
ちょうど十歩目を踏み出した瞬間、
男は縦に真っ二つに割れて絶命した。
「嘘だろ! な、なにが起こっているっ!?」
(言ったはずだ、お前らの命は俺が握っていると)
動揺する盗賊共に、魔力を解放して威圧してやると、全員がビビって腰を抜かす。
(馬車までの道を開けろ、邪魔だ)
そう伝えると、すぐさま人垣が左右に割れて、伯爵の隠れる馬車までの道ができた。俺は馬車をみつめたまま、近くにいた男に話しかける。
(なあ、お前は、猛烈に腹が減っている時に、目の前に前菜とメインが並んでたらどちらを選ぶ?)
「・・・な、なんの話だ?」
(俺はな、もし目の前に御馳走があったら、飛び起きてむしゃぶりつく主義なんだ。いつもそうしている)
「そ、そうか?」
(つまり俺が言いたいことはだ、本当は母上を侮辱された瞬間にこうしてやりたかったんだが、諸事情で大っぴらには手を下せなかった。昨日からずっとお預けさせられている気分だったんだ)
また包丁を上段に構える。
(だからお前等みたいな前菜はいらねぇ、一口目からメインディッシュに噛みついてやるぜ!!)
包丁を振り、伯爵がいる馬車を分解する。
中には怯えた表情で震えるブタが一人。
俺はブタにテレパシーをとばしてやる。
(喜べ伯爵、貴様には今宵、この最強の俺が手ずからつくったディナーを食わせてやるっ)
「ひ、ひィ!!」
(すこしお粗末だが、醜いブタのポークビッツだ、とくと味わえっ!)
斬撃を飛ばすと、時間差で伯爵のズボンが赤く染まった。
伯爵はなにが起きたのか理解できないのか、股間を押さえて呆然と立ち尽くす。
しかし、それとは対照的に、空中には元伯爵だったお粗末なものがクルクル回転して勢いよく舞い上がった。
「ばぶばぶばぶばう」
股間を両手で抑えたままショックで気絶する伯爵と。その幻想的な光景を唖然と眺め立ち尽くす兵士達……
これでもう奴は、母上の乳を求めようとは、しないだろう。
今の一撃には濃厚な魔力ものせてある。よほど凄腕の回復術師でなければ治せない。
いつか、奴が反省していれば俺がなおしてやらんこともない。
一人切り殺してしまったが、武器を向けてきた以上やられても文句はいわせない。
俺の存在は純粋な人間ではないせいか、見知らぬ盗賊風情が死んだ所で心は痛まなかった。
(さあ、お前達もああなりたくなかったらさっさと帰れ、俺も最近外出がおおくてホームシックなんだ)
そういうと、盗賊共は伯爵を担ぎ、股間をおさえて大急ぎで走り去っていった。
全員が見えなくなるまで見送った俺は、これでまた明日から平和なスローライフがおくれるぜ、とルンルン気分で家に帰るのだった。
顔を真っ赤にした伯爵が汚い唾を飛ばして怒鳴る。
「昨日のエリーナの件で私に仕返しでもしたつもりか!?」
母上は自分の名前がでたことに驚き、疑問を投げかける視線を父上に向ける。
「・・・昨日伯爵が来た時に、エリーナを引き渡せば金を貸すと言われたんだ。愛人にしたいらしい。もちろん断ったがな」
「……そんな、お金は大丈夫だって言ってたのに。どうして相談してくれなかったのよ」
「言えるわけないだろ! 世界一愛する妻を誰にも渡したりはしない。私は貴族としてそこまで落ちたつもりはないよエリーナ」
「あなた……」
父上はこれ以上ないほど渋い表情できめて、母上に熱いまなざしをおくる。
そして母上も、まるで今日付き合い始めたカップルのように頬を染めて、嬉しそうにしている。
(なんだ、この胸やけする光景は……流石に自分の両親だとキツイな)
しかし、目の前でそんなシーンを見せられた伯爵は余計に気分を害したようで、空気をぶち壊すかように二人の間に割り込んで叫ぶ。
「なにイチャイチャしてんだ底辺貴族がっ! どうでもいいから、さっさとあのドラゴンを屋敷から追い出せ!」
「そういわれても、私にはどうしようもできないのだが」
「まだとぼけるのか! お前が差し向けたドラゴンは私の屋敷を粉砕したんだぞ!? しかも、なぜかお気に入りの美術品だけを念入りに砕いて燃やしやがった! この、くそがぁぁぁぁ!!!」
思い出して怒りが再熱した伯爵は近くにあったものを殴りつけて、ぜえぜえと息を切らす。
「あのドラゴンのせいで、私の領地はパニックだっ、住民も逃げ出してゴーストタウンのようになっている」
「なら、伯爵が自分で言っていた、S級冒険者を雇えばいいのでは?」
「馬鹿をいうなっ! そんな貴重な戦力が都合よく待機しているものか、魔王討伐の遠征にでているに決まっているだろ!?」
「なっ!? では昨日は私をだましていたのですか!?」
父上が怒りに震えて、伯爵に飛びかかりそうだったが、母上が腕を掴んでとめた。クズとはいえ上流貴族だ。殴ればただでは済まないだろう。
「ふん、田舎貴族が、だまされる方が悪い」
「帰れっ!!二度とくるなっ」
「言われなくてもそのつもりだ」
そういって伯爵はあっさりと引き下がり部屋を退出する。
俺もお馴染みの壺へダイブした。
(ふう、あのドラゴン、想像以上に仕事をしてくれたみたいだな。今度お礼にコーヒーでも持って行ってやるか)
ひとまず、最初の嫌がらせはうまくいったようだ。
(それにしても伯爵、ぷぷぷ、お前母上に嫌われたな。母上はなっ、俺がいれば十分なんだよっ。俺も母上がいれば十分なんだ。つまりお前の入る隙間はないってわけ)
もちろん俺は父上も尊敬しているが、俺は断然母上派だ。断じておっぱいで選んでない。
だがな、伯爵。お前がしたことは、この程度で許されはしない。
何故なら、全然俺がスカッとしないからだ。これは序章にすぎない。
それに、あの意地汚い伯爵が、そう易々と諦めるものか。
どうせこの後、絶対になにか仕掛けてくるに決まってる。ならば、その時に俺が直接引導を引き渡してやろうじゃないか。
■■■■■
――――夜
町外れにある、先端が尖った巨大な岩の上で俺は一人ただずんでいた。
眠くはない。既にカフェインは注入済みだ。
苦くて飲むのに苦労したが、大切な人を守るためなら俺はいつだって修羅となる。目をつむり精神を研ぎ澄ませていく。
静かだ・・・耳に入ってくるのは虫や夜鳥の鳴き声と、そっと吹く夜風の流れ。
すると、そこへカチャ、カチャと、鎧をつけた人間の歩く音が聞こえてきた。
ゆっくりと目をあけて、眼下に集まっている不届き者を見おろす。
百人ほどか。
それは伯爵が集めた、盗賊風の男たち。
おそらく、兵士の装備をワザと汚くして変装させている。
身のこなしと、統一のとれた全体の動きから訓練された兵士なのは丸わかりだ。
おおかた、我が父カイリーがドラゴンを差し向けたとか言って動かしているのだろう。
そいつらは列になって、町に向かい進行していた。
一番後方には馬に乗っているデブの男がいる。
顔は布で隠しているが、その腹で伯爵だとすぐに判断できる。
ふっ、お粗末な変装だぜ、俺の足元にも及ばない。
俺はいま、漆黒のタオルケットで全身を隠し、顔を隠すように目から下にはよだれ掛けを巻いている。さらに父上の汗拭きタオルを帽子かわりに被り、完全に誰かわからない状態だ。
さしずめ、闇の暗殺者といったところか。
俺は月光に照らされながら、「とうっ!」と飛び上がり、ぱさぁと漆黒のマントを翻らせ盗賊共の前に躍り出た。
「だっ、だれだ貴様、小人かっ!?」
「全員構えろ、珍妙な奴があらわれたぞ!」
(騒ぐな、お前たちの命はすでに俺の手中にあると知れ)
俺は昨日ドラゴンから会得したテレパシーで直接脳内に話かける。
「なっなんだ頭の中に声がぁぁ」
はじめての経験に全員がうろたえて、騒がしくなる。だが、有象無象がどれだけ群がろうと興味はない。俺は伯爵の位置を確認する。
すると、後方にいた伯爵は、馬から降りて物資を運ぶ馬車に隠れたようだった。
(ふん、所詮は醜いブタか)
その場でキッチンから拝借してきた包丁を上段に構える。
すると、正面から男が一人、槍を持って突撃して来たので、俺はすれ違い様に包丁を一閃する。
男は俺が居た場所を通り過ぎたにも関わらず、止まらずに走り続ける。
盗賊たちがどうしたんだと、その男に呼びかけるがもう遅い。
ちょうど十歩目を踏み出した瞬間、
男は縦に真っ二つに割れて絶命した。
「嘘だろ! な、なにが起こっているっ!?」
(言ったはずだ、お前らの命は俺が握っていると)
動揺する盗賊共に、魔力を解放して威圧してやると、全員がビビって腰を抜かす。
(馬車までの道を開けろ、邪魔だ)
そう伝えると、すぐさま人垣が左右に割れて、伯爵の隠れる馬車までの道ができた。俺は馬車をみつめたまま、近くにいた男に話しかける。
(なあ、お前は、猛烈に腹が減っている時に、目の前に前菜とメインが並んでたらどちらを選ぶ?)
「・・・な、なんの話だ?」
(俺はな、もし目の前に御馳走があったら、飛び起きてむしゃぶりつく主義なんだ。いつもそうしている)
「そ、そうか?」
(つまり俺が言いたいことはだ、本当は母上を侮辱された瞬間にこうしてやりたかったんだが、諸事情で大っぴらには手を下せなかった。昨日からずっとお預けさせられている気分だったんだ)
また包丁を上段に構える。
(だからお前等みたいな前菜はいらねぇ、一口目からメインディッシュに噛みついてやるぜ!!)
包丁を振り、伯爵がいる馬車を分解する。
中には怯えた表情で震えるブタが一人。
俺はブタにテレパシーをとばしてやる。
(喜べ伯爵、貴様には今宵、この最強の俺が手ずからつくったディナーを食わせてやるっ)
「ひ、ひィ!!」
(すこしお粗末だが、醜いブタのポークビッツだ、とくと味わえっ!)
斬撃を飛ばすと、時間差で伯爵のズボンが赤く染まった。
伯爵はなにが起きたのか理解できないのか、股間を押さえて呆然と立ち尽くす。
しかし、それとは対照的に、空中には元伯爵だったお粗末なものがクルクル回転して勢いよく舞い上がった。
「ばぶばぶばぶばう」
股間を両手で抑えたままショックで気絶する伯爵と。その幻想的な光景を唖然と眺め立ち尽くす兵士達……
これでもう奴は、母上の乳を求めようとは、しないだろう。
今の一撃には濃厚な魔力ものせてある。よほど凄腕の回復術師でなければ治せない。
いつか、奴が反省していれば俺がなおしてやらんこともない。
一人切り殺してしまったが、武器を向けてきた以上やられても文句はいわせない。
俺の存在は純粋な人間ではないせいか、見知らぬ盗賊風情が死んだ所で心は痛まなかった。
(さあ、お前達もああなりたくなかったらさっさと帰れ、俺も最近外出がおおくてホームシックなんだ)
そういうと、盗賊共は伯爵を担ぎ、股間をおさえて大急ぎで走り去っていった。
全員が見えなくなるまで見送った俺は、これでまた明日から平和なスローライフがおくれるぜ、とルンルン気分で家に帰るのだった。
46
お気に入りに追加
1,037
あなたにおすすめの小説
平凡すぎる、と追放された俺。実は大量スキル獲得可のチート能力『無限変化』の使い手でした。俺が抜けてパーティが瓦解したから今更戻れ?お断りです
たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
ファンタジー
★ファンタジーカップ参加作品です。
応援していただけたら執筆の励みになります。
《俺、貸します!》
これはパーティーを追放された男が、その実力で上り詰め、唯一無二の『レンタル冒険者』として無双を極める話である。(新形式のざまぁもあるよ)
ここから、直接ざまぁに入ります。スカッとしたい方は是非!
「君みたいな平均的な冒険者は不要だ」
この一言で、パーティーリーダーに追放を言い渡されたヨシュア。
しかしその実、彼は平均を装っていただけだった。
レベル35と見せかけているが、本当は350。
水属性魔法しか使えないと見せかけ、全属性魔法使い。
あまりに圧倒的な実力があったため、パーティーの中での力量バランスを考え、あえて影からのサポートに徹していたのだ。
それどころか攻撃力・防御力、メンバー関係の調整まで全て、彼が一手に担っていた。
リーダーのあまりに不足している実力を、ヨシュアのサポートにより埋めてきたのである。
その事実を伝えるも、リーダーには取り合ってもらえず。
あえなく、追放されてしまう。
しかし、それにより制限の消えたヨシュア。
一人で無双をしていたところ、その実力を美少女魔導士に見抜かれ、『レンタル冒険者』としてスカウトされる。
その内容は、パーティーや個人などに借りられていき、場面に応じた役割を果たすというものだった。
まさに、ヨシュアにとっての天職であった。
自分を正当に認めてくれ、力を発揮できる環境だ。
生まれつき与えられていたギフト【無限変化】による全武器、全スキルへの適性を活かして、様々な場所や状況に完璧な適応を見せるヨシュア。
目立ちたくないという思いとは裏腹に、引っ張りだこ。
元パーティーメンバーも彼のもとに帰ってきたいと言うなど、美少女たちに溺愛される。
そうしつつ、かつて前例のない、『レンタル』無双を開始するのであった。
一方、ヨシュアを追放したパーティーリーダーはと言えば、クエストの失敗、メンバーの離脱など、どんどん破滅へと追い込まれていく。
ヨシュアのスーパーサポートに頼りきっていたこと、その真の強さに気づき、戻ってこいと声をかけるが……。
そのときには、もう遅いのであった。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
クラス転移で神様に?
空見 大
ファンタジー
集団転移に巻き込まれ、クラスごと異世界へと転移することになった主人公晴人はこれといって特徴のない平均的な学生であった。
異世界の神から能力獲得について詳しく教えられる中で、晴人は自らの能力欄獲得可能欄に他人とは違う機能があることに気が付く。
そこに隠されていた能力は龍神から始まり魔神、邪神、妖精神、鍛冶神、盗神の六つの神の称号といくつかの特殊な能力。
異世界での安泰を確かなものとして受け入れ転移を待つ晴人であったが、神の能力を手に入れたことが原因なのか転移魔法の不発によりあろうことか異世界へと転生してしまうこととなる。
龍人の母親と英雄の父、これ以上ない程に恵まれた環境で新たな生を得た晴人は新たな名前をエルピスとしてこの世界を生きていくのだった。
現在設定調整中につき最新話更新遅れます2022/09/11~2022/09/17まで予定
美しい姉と痩せこけた妹
サイコちゃん
ファンタジー
若き公爵は虐待を受けた姉妹を引き取ることにした。やがて訪れたのは美しい姉と痩せこけた妹だった。姉が夢中でケーキを食べる中、妹はそれがケーキだと分からない。姉がドレスのプレゼントに喜ぶ中、妹はそれがドレスだと分からない。公爵はあまりに差のある姉妹に疑念を抱いた――
祈りの力でレベルカンストした件!〜無能判定されたアーチャーは無双する〜
KeyBow
ファンタジー
主人公は高校の3年生。深蛇 武瑠(ふかだ たける)。以降タケル 男子21人、女子19人の進学校ではない普通科。大半は短大か地方の私立大学に進む。部活はアーチェリー部でキャプテン。平凡などこにでもいて、十把一絡げにされるような外観的に目立たない存在。それでも部活ではキャプテンをしていて、この土日に開催された県総体では見事に個人優勝した。また、2年生の後輩の坂倉 悠里菜も優勝している。
タケルに彼女はいない。想い人はいるが、彼氏がいると思い、その想いを伝えられない。(兄とのショッピングで仲良くしているのを彼氏と勘違い)
そんな中でも、変化があった。教育実習生の女性がスタイル抜群で美人。愛嬌も良く、男子が浮き足立つのとは裏腹に女子からの人気も高かった。タケルも歳上じゃなかったら恋をしたかもと思う。6限目が終わり、ホームルームが少しなが引いた。終わると担任のおっさん(40歳らしい)が顧問をしている部の生徒から質問を受け、教育実習生のミヤちゃん(竹下実弥子)は女子と雑談。タケルは荷物をまとめ、部活にと思っていた、後輩の二年生の坂倉 悠里菜(ゆっちゃん、リナ)が言伝で来た。担任が会議で遅れるからストレッチと走り込みをと言っていたと。この子はタケルに気があるが、タケルは気が付いていない。ゆっちゃんのクラスの担任がアーチェリー部の担任だ。ゆっちゃんと弓を持って(普段は学校においているが大会明けで家に持って帰っていた)。弓を背中に回して教室を出ようとしたら…扉がスライドしない。反対側は開いていたのでそっちに行くが見えない何かに阻まれて進めない。反発から尻餅をつく。ゆっちゃんは波紋のようなのが見え唖然とし、タケルの手を取る。その音からみっちゃんも扉を見て驚く。すると急に光に包まれ、気絶した。目を覚ますと多くの人がいる広間にいた。皆すぐに目覚めたが、丁度三人帰ったので40人がそこにいた。誰かが何だここと叫び、ゆっちゃんは震えながらタケルにしがみつく。王女と国王が出てきてありきたりな異世界召喚をしたむね話し出す。強大な魔物に立ち向かうべく勇者の(いせかいから40人しか呼べない)力をと。口々に避難が飛ぶが帰ることは出来ないと。能力測定をする。タケルは平凡な数値。もちろんチート級のもおり、一喜一憂。ゆっちゃんは弓の上級スキル持ちで、ステータスも上位。タケルは屑スキル持ちとされクラスのものからバカにされる。ウイッシュ!一日一回限定で運が良ければ願いを聞き入られる。意味不明だった。ステータス測定後、能力別に(伝えられず)面談をするからと扉の先に案内されたが、タケルが好きな女子(天川)シズクと他男子二人だけ別の扉を入ると、閉められ扉が消え失せた。四人がいないので担任が質問すると、能力が低いので召喚を取り消したと。しかし、帰る事が出来ないと言っただろ?となるが、ため息混じりに40人しか召喚出
転移した場所が【ふしぎな果実】で溢れていた件
月風レイ
ファンタジー
普通の高校2年生の竹中春人は突如、異世界転移を果たした。
そして、異世界転移をした先は、入ることが禁断とされている場所、神の園というところだった。
そんな慣習も知りもしない、春人は神の園を生活圏として、必死に生きていく。
そこでしか成らない『ふしぎな果実』を空腹のあまり口にしてしまう。
そして、それは世界では幻と言われている祝福の果実であった。
食料がない春人はそんなことは知らず、ふしぎな果実を米のように常食として喰らう。
不思議な果実の恩恵によって、規格外に強くなっていくハルトの、異世界冒険大ファンタジー。
大修正中!今週中に修正終え更新していきます!
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい
616號
ファンタジー
不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる