たんぽぽ 信一・維士

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信一 悩み

2011年 6月 信一

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2011年6月 日曜日 信一

 今日、昼、イシが来る。

 イシの話から、聞くか、おれから言うか、
 イシが住む場所決めたと言う話なら、おれからだし、どんな話か想像つかない、面倒くさぁと思った。
 よし、おれからだ、もう事務所との再契約済んでいるので、イシの面倒みれない。

 どのように話を持っていくか考えてたら、アルコールが飲みたくなったが、イシが帰るまで我慢しようと思った。チャイムが鳴ったセキュリティを解除した。いよいよ、イシが来る、今日が終われば楽になるはず、少しにやけた。
 いや、待ってたよと言ってテーブルの椅子を薦めた。向かい合わせで座った。

「話があるんだろう、おれもあるんだ、先に話をしていいかなぁ」と、おれが聞くと、

「どうぞ」と、イシが言った。

「はっきり言う、全てイシとおれの事、白紙に戻す、申し訳なく思う。仕事が忙しいんだ。
慰謝料としてこの前の絵の10枚分の金額を振り込んだ」と、簡潔に事務的におれは言った。

 イシは、全く感情を現さない人形のよう顔で、

「人生僕にくれるって言った事、後悔していると思ってました。絵を取りに来た日が、歯車が狂った日だ。

 信ちゃんはドクへの思いを僕に言った。引っ越して1年、僕はイシになっていた。
 
 たぶん途中で何か変だと、思ったでしょう。全てyes と言う僕に、信ちゃんは、僕の面倒見る事になってしまった。
 おばあさんに会いに行った後、僕は自分のお母さんに会いたくなった。小さい時からの事、考えたんだ、押し入れに隠れても、お母さんさんはいつも話しかけてくれた、小学生の時毎日の日課で一日の出来事を、お母さんに聞いてもらった、中学校には行けなくても毎日話しかけてくれた、教養と見識は僕を助けるからと言って、毎日勉強を見てくれた。

 お母さんのおかげで高校に入る事が出来た。
 僕の家は信ちゃんも知っている通りお金がない。古い古屋に2人だけで、住んでいた。唯一の贅沢はパソコンだけだった。
 お金に化けられる子供を、世間から守ってくれた。
 もしお母さんが死んでいなくなったら大人の餌食になった。

 自分がお母さんを守るなんて考えた事ない、子供時代はお母さんが側にいるのが当たり前だと、信ちゃん家に行くまで思っていた。

 もし、僕に僕のような子供がいたら、守ってあげれただろうか。365日18年間、精神状態がもたないと思った。僕の為の母は凄い人生だなって思う。

 信ちゃんは、全て恵まれいる、僕をいじめていた小学生の頃の同級生達と同じ人種だ。
 そのイジメをいつまで続ける意味はわかってますよね、家族を苦しめる為、自分が一番だとわからせ為、本当はそんなの必要がないのに性格の歪みでしょうね 。

 人は誰でも、歪み悩み苦しむ苦しめる、色々なものに救いを求める、宗教、ギャンブル、薬、アルコール、依存性あるも全て、大学で哲学、宗教学を学び、考え、思い様々な思想を知りたいと思った。

 教授の余談で禍福と五行説を知っていると、生きていけるよと笑いながら教えてくれた。

 続きがあって、ちょっと大変かもと、生徒が教授に言っら、
コインの表裏で人生決めろ、簡単だろうって、人生なんてそんなもんだ、気楽に、仲良くなって生徒達は爆笑して、講義は終わりました。

 気楽に、仲良くは信ちゃんに縁のない言葉ですよね。
 信ちゃんの事知りたくて少し調べました。

 恵まれた家庭に生まれ、全く教養を身につけないでスターです、苦労しないで手に入れて満足でしょうね、
 薄い歌詞ですね、僕がお金に変えたいと思って描いた絵と同じでした。

 それを喜ぶ人達がたくさんいるでしょう、頑張ってください。
 手に入れたら、飽きる、もう執着もなくなったと思います。
 さよならです、何か言う事もうありませんか、なんでも言ってください。わだかまりは残したくないので」と、イシは言った。


「特にないよ、気持ちよく、さようならだ、ありがとう」と、おれが言ったら
イシが、スッと立った。

「じゃあ」と、言って帰った。

 イシが帰った後、思いっきりテーブルを蹴った。
 何をどうしても、気持ちが収まらない。

 たった10分だけの来客に、これ程怒りが収まらないのは初めてだ。

 直接的な悪口か、間接的な悪口か、よく分からなかったが、良い事は、ひとつも言われていない事は、わかった。

簡単に言うと、
 
 高卒のバカの頭で、薄っぺらい言葉を並べ、
同じレベルのやつらに売っている、
歪んだイジメを辞めない我儘な奴 って事だった。

 本当の事を、直接言われた事が怒りの原因だった。
 人は誰しも本当の事言われると怒るって聞いた事はあったが、ここまで怒りが爆発すると思ってなかった。おれは、昼から浴びるようにアルコールを飲んだ。いくら飲んでも、酔った気にならない、怒りが収まらなかった。
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