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第8章 ヤーベ、王都ではっちゃける PARTⅠ

第100話 クレリアの仕事に協力しよう

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喫茶<水晶の庭クリスタルガーデン>を出た俺とフィレオンティーナ。
だが、俺は早朝の散歩に出ただけだったとハタと気づく。

「あ、イカン! 誰にも伝言してこなかったな。朝食用意して待っているかもしれん」

「え、それは些か申し訳ないのでは?」

フィレオンティーナも心配してくる。
そんなわけで慌ててコルーナ辺境伯邸に戻ることにした。

 

 

「コルーナ辺境伯様、ご無沙汰いたしております。その節はヤーベ様にご助力頂き、命を長らえることが出来ました。大変感謝いたしております」

「フィレオンティーナ嬢、堅苦しい挨拶は抜きにしましょう。ヤーベ殿を追って来られたのでしょう。どうぞ我が家に逗留なさってください」

「お心遣い感謝いたします」

フェンベルク卿に挨拶すると、快くフィレオンティーナを受け入れてくれた。
ほっとするね、ありがたい。

「フェンベルク卿、フィレオンティーナはタルバリ伯爵から馬車と馬を借りてきているみたいだから、すまないけど管理をお願いしたい。王都から帰る時にタルバーンによって返却に行くから」

「ああ、分かった」

とりあえずタルバリ伯爵からの借り物はフェンベルク卿に預けてしまおう。

 

 

俺とフィレオンティーナは朝食を済ませて来たので、お茶だけにして、他のみんなが朝食が終わるのを待ってからフェンベルク卿と会談を持った。

「ヤーベ殿、王との謁見は7日後と決まった。明後日王城に一度出向き、段取りの確認と王家で用意してくれる礼服の合わせに伺うようになる」

「1週間後ね・・・」

「それはそうと本当に来たのだな、フィレオンティーナ殿」

「一緒にヤーベ様を支えましょうね!」

「うわっ!? なんというお胸の迫力・・・ボクには全くもって歯が立たないよ・・・」

「ふおおっ!? ご主人しゃまはまだ奥様がいらっしゃったでありましゅか!」

イリーナ、ルシーナ、サリーナ、リーナがそれぞれ反応する。
サリーナがなぜか自分の胸を押さえながら絶望している、どしたよ?
 
「うーん、リーナちゃんのような可愛い奴隷を買ったことと、あの憂いは結び付いておりませんわ・・・、ヤーベ様、まだ奥底に何か秘めていらっしゃいますわね?」

フィレオンティーナが首を傾げる。

「ななな、なんだとっ!? ヤーベ、どういうことだっ!?」

イリーナが憤慨するが、スルーを決め込む。

「フェンベルク卿、明後日の登城だが、時間はもうわかっているのか?」

「うむ、朝10時に訪問する予定だ。そのため、当日は朝から登城の準備をするので、その日は出かけないでくれよ? 今日みたいな散歩も遠慮してくれ」

「了解した」

俺は素直にフェンベルク卿に従うことを伝える。

「で、ヤーベ。今日はどうするのだ?」

「イリーナ、ルシーナと一緒にフィレオンティーナの買い物に付き合ってやってくれ。旅支度できているだろうが、しばらく王都に滞在するなら必要な物もあるだろう。リーナもできれば一緒に連れて行ってくれ」

「ふおおっ!? ご主人しゃま!?」

ガーンという表情のリーナをスルーして、みんなの予定を合わせるようにする。

「サリーナも錬金術ギルドに行く用事が無ければ皆と一緒に買い物に行くといい」

「うん! ボクも今日はそうしようかな」
 
嬉しそうなサリーナ。何たってサリーナは俺と同じド田舎出身。王都観光も楽しみの一つだろう。

「ヤーベはどうするのだ?」

イリーナが俺の予定を聞いてくる。

「俺は調べたいことがあるのでな、夕方までローガと王都を回ってくる」

「むうっ! 出来ればヤーベと一緒に王都を回りたいのだが?」

イリーナがほっぺを膨らましながら一緒にいたいと言ってくれるが、俺は首を振る。

「登城が終わって落ち着いたらみんなで王都観光としゃれこもう。今は少し待ってくれ。後、一人で町へ出るな。これは絶対だ」

俺は少し厳しい言い方でみんなに注意する。

「どうした、ヤーベ殿? 王都は比較的治安もいいから、それほど心配はいらないぞ。尤も貴族の令嬢が供も付けずに歩いたりはしないだろうが」

フェンベルク卿が王都を安全なところだと説明してくれる。
・・・普段は相違かもしれないが、今はダメだ。 

「いや、今は余分な外出は控えてもらった方がいい。特に馬車だとしても奥方一人でわずかな従者と出かけたりしない方が良いと思う」

あくまでも真剣にアドバイスする俺にフェンベルク卿も不安を募らせる。

「何かあるのか・・・?」

正直に説明した方がいいか。フェンベルク卿の身内だって騒動に巻き込まれるかもしれん。 

「王都警備隊隊長のクレリアを追い落とすため、王都の治安を悪化させようとしているグループがいるようだ。多分プレジャー公爵家の息がかかっている連中だな」

俺の説明に一瞬にしてフェンベルク卿が顔を曇らせる。

「なんとまあ厄介な話よ・・・。グリード、ドライセン公爵に先振れを出してくれ。王都に着いた挨拶に伺いたいとな」

「承知しました」

グリードと呼ばれた執事さんがフェンベルク卿の言葉に恭しく礼をしながら返事をした。
あのザ・執事さんはグリードというのか。セバスチャンじゃなかったんだ。

「俺もドライセン公爵に挨拶がてら、王都の情報を貰って来るようにしよう」

「では今日の夜にでも新しい情報が入ったら教えて頂きたい」

「わかった」

「ゲルドン、お前は今日もトレーニングだ。サボるなよ?」

『厳しいだでな、おでも王都観光に行きたいだよ』

「午前中トレーニングで、午後からならいいけど。でも、出来れば誰かと一緒に行ってくれよ。お前まだ人間の言葉喋れないだろ」

『そういやそうだでな』

頭をカキカキするゲルドン。お前、それ真っ赤な鉄兜の上からカキカキしてるけど、効果あるのか? 

「とりあえずトレーニングに精を出して、コルーナ辺境伯家の人たちが出かける際には護衛として使ってもらうといい。そうしたらとりあえず王都の散歩はできるぞ」

『わかっただよ』

「そんなわけで出かけて来るから」

ご主人しゃまー!と絶叫するリーナを置いて、俺はローガと共にコルーナ辺境伯邸を後にした。

 

 

俺とローガは王都の中央街のメインストリートを歩いていた。

それにしても昨日は濃い一日だった。

王都に着いたのは一昨日の昼過ぎ。その日はコルーナ辺境伯邸に到着後夕食、そしてすぐに休んだため、実質の王都活動は昨日一日だけだ。

その一日でマリンに会いに行ったり、シスターアンリに会いに行ったり、定食屋ポポロに行ったり、商業ギルドに顔を出したりした。

でも王都に到着した初日の午後奴隷商人のド・ゲドーからリーナを買い受け、手作りパンの店マンマミーヤでパンも購入している。王女様の様子も見に行ったな。後、出向いていないのはハーカナー男爵家と王都の聖堂教会本部、それに王都警備隊隊長クレリアの件がまだ手付かずだ。

だが、さてどこへ行こうかと考える間もなく、トラブルは向こうからやってくる。

「やめろっ! うわあ!」

「ひどいっ!」

よく見れば大通りの屋台を壊したりお金を払わずに果物を盗んだりしている6人のならず者風の男たちが暴れていた。

『むっ! 盗賊ですか?ボス』

ローガが俺に問いかけるが、俺は否定する。

「違うな。あの感じ、ただのチンピラか、もしくは雇われてわざと迷惑を掛けに来ているか、だな」

「貴様らっ! 王都の秩序を乱す輩は許せぬ! 大人しく縛に付け!」

威勢のいい声と共に、馬に乗った女性騎士と4名の槍を持った騎士が走って来た。

「はっ! 実家の金と色香で今の立場を掠め取った隊長様が出張って来たぜ! おら逃げろや逃げろ!」

「ははっ! お前のような実力も無く地位についた雑魚に捕まってたまるかよ!」

6名の男たちはその場を走って逃げようとする。

「悪口言ってる割には尻尾巻いて逃げ出してるじゃないか。雑魚はどうみてもお前らだろ?」

俺は逃げる6人の前に挑発するように立ちはだかる。

「ああん!? 誰にケンカ売ってんだ! テメー」

「死ねやっ!」

1人がナイフを持って突きかかってくる。

ローブとは言え、現在は矢部裕樹の姿なのだ。両手足が自由に使える状態にある。

俺はナイフを持って突きかかって来た男の手首を掴み、足を掛けて引きずり倒して、脇腹を踏みつける。

「ぐええっ!」

「てめえ!」

「やっちまえ!」

2人がかりで殴り掛かって来た男たちのパンチを躱し、それぞれにボディブローを突き刺す。

「げはっ!」

「ごぶっ!」

その場に2人が沈む。

馬に乗った騎士がもう近くまで来ているため、俺の方へ逃げるしかないチンピラたちは今度は3人がかりで襲い掛かって来た。

だが、中央のリーダーらしき男の攻撃タイミングが遅れたことを見た俺は、右足でするどい蹴りを左右に放ち、2人を吹き飛ばす。

「なあっ!?」

一歩タイミングが遅れたリーダーらしき男が驚くが、次の瞬間俺は攻撃態勢に入っていた。

右手で突き出した掌底をリーダーらしき男の胸に叩き込む。

「<雷撃衝ライトニングボルト>」
 

バチンッ!
 

派手なスパークと共にリーダーらしき男が爆ぜる様に痙攣し、煙を上げて倒れる。
殺さないようにかなり弱めに放ったからな。それでもすぐには動けないだろう。

「これで6人全員だな」

そこへ馬に乗ってやって来た騎士が到着する。
1人だけ馬だったので他の部下たちがここへ来るまでもう少し時間がかかりそうだ。

下馬して声を掛けて来た騎士は、女性であった。

「すまない、私は王都警備隊隊長のクレリアと申す。犯罪者の捕縛ご協力感謝致す」

「ああ、大したことはしていないから大丈夫だよ」

俺は手をぴらぴらと振って答える。
この女性が王都警備隊隊長のクレリア・スペルシオね・・・。
挨拶を受けている間に4人の部下と思われる連中も到着した。

「こいつらを縄で縛れ。詰め所へ連れて帰るんだ。取り調べて前後関係を吐かせろ」

「ははっ!」

「それにしても、見事なお点前。お手数をおかけするが、調書を取らせて頂きたい。詰め所までご同行願えるだろうか?」

クレリアはにこやかな笑みで俺に協力を要請した。
ちょうどいい、どうやってクレリアと接点を持つか思案中だった。
このままクレリアのお誘いを受けて彼女の相談を引き出すとしようか。

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