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第6章 ヤーベ、辺境伯のピンチを華麗に救う!

第48話 辺境伯の娘を助けよう

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診療所を後にした俺たちは再びローガに跨って大通りに戻る。

「コルーナ辺境伯にあったら、手紙を渡した後、町の井戸という井戸をチェックしないとダメだな」

「やはり井戸に毒が入れられているのか?」

「そうだな。たくさん入れると死人が出てしまうだろうから、絶妙な量をコントロールしているか、もしくはより上位よりただ「コレを入れろ」と決められた分量を渡されているだけかもしれない」

「その場合、かなり組織的になるな」

「うむ」

・・・すげーイリーナと真面目に話をしている。
イリーナもこんな会話出来たんだ。



ぎゅぎゅぎゅ!



「ほわあっ!」

イリーナさん、だから手のカタチが変わりますって!

『ぴよよー!(ボス!この先の通りに人がたくさん集まっています!)』

「なんだ?」

『ぴよぴよ~!(なんだかちょっと怪しいです)』

「むっ?」

ヒヨコが怪しいと言うんだ。きっと何かあるんだろう。
ヒヨコの感受性は相当豊かだからな!

聖神会せいしんかいの御祈祷薬を買えば、今の辛さを改善できますよ! これがたったの銀貨一枚だ。聖神会せいしんかいに入会して銀貨一枚払うだけで辛さを改善できますぞ!」

何か怪しい神父が叫んでいる。何でも聖神会せいしんかいに入会して銀貨一枚払うだけで辛さを改善? ああ、具体的には御祈祷薬を飲めば辛さが軽減ってわけか。なんとか手に入れて分析したいが、悪党臭くてもかっぱらうのは頂けないし、金を払うのは良いが、怪しい宗教に入りたくはないな・・・。

「お、にーちゃん御祈祷薬買ったのか?」

怪しい神父の人だかりから出て来た具合の悪そうな兄ちゃんに声を掛ける。

「あ、ああ・・・、だるくて体に力が入らなくてね・・・」

俺は懐から銀貨一枚を出した。もちろん実際は亜空間圧縮収納からだが。

「ちょっとだけ御祈祷薬見せてくれない? コレ手間賃」

といって銀貨一枚を兄ちゃんに握らせる。

「いいけど・・・ちゃんと返してくれよ?」

「もちろんもちろん」

そう言って御祈祷薬とやらを頭上にかざしたりしながらふと後ろを向いて兄ちゃんの視界を一瞬遮る。

「(今だ!)」

俺は亜空間圧縮収納へ一瞬仕舞い、解析する。

【カルノレッセの実の粉末(劣)】

【ポイズンウォータードレイクの毒に対する解毒剤。但し、ほとんど小麦粉でカルノレッセの実の粉末はわずかしか含まれない。解毒効果(劣)】



・・・最悪だ。

何が最悪って、ほんと気持ち楽になる程度の効果しかない物を売っているのもそうだが、これを売っている時点で犯人だと言っているようなものだよな。

ボーンテアックの話だと、ポイズンウォータードレイクの毒もカルノレッセの実も非常に珍しく手に入りにくい物らしいからな。

「にーちゃんありがと」

でもって御祈祷薬とやらを返す。

「にーちゃんもう一仕事頼む」

「な、なんだよ」

「もう三人分買って来てくんない? コレお手間賃ね」

そう言って今度は銀貨5枚を渡す。

「お、おお、わかった」

そう言ってまた人の輪の中に戻って行く兄ちゃん。

「どうしたのだ?その御祈祷薬がどうかしたのか?」

イリーナが小首を傾げて聞いてくる。

「ああ、劣化品の解毒剤のようだ。そんなものを売っているということはこのポイズンウォータードレイクの毒を使ったテロの犯人だと言っているようなものだがな」

「では、あの聖神会せいしんかいというのが犯人なのか?」

「ああ。もしくはさらに裏の組織があるかもしれないがな」

待っているとさっきの兄ちゃんが帰って来た。

「はいよ、三人分だ」

「ああ、ありがとう」

「じゃあな」

俺は三人分の御祈祷薬を受け取る。

「その薬をどうするのだ?」

「特にどうもしないが、とりあえずコルーナ辺境伯にはコレを渡して聖神会せいしんかいが怪しいと報告しないとな」

「なるほど、証拠の一つということだな?」

「そういうことだ」

イリーナににっこりと微笑むと、俺たちはコルーナ辺境伯の屋敷へ向かった。





「ここが辺境伯の屋敷か。相当デカいね」

今俺たちはコルーナ辺境伯の屋敷の前に到着した。
大きな門の左右に衛兵が立っている。

「こちらはコルーナ辺境伯の屋敷であっているか?」

「そうだ、何か用か?」

「ソレナリーニの町代官のナイセー殿より火急の用件にて手紙を預かっている。コルーナ辺境伯に直接手渡ししたい。先触れはないが辺境伯にお取次ぎ願いたい」

そう言って手紙の封印を見せる。

「間違いない。ソレナリーニの町代官のナイセー殿の印だ。少々待ってもらえるか?」

そう言って衛兵の一人が屋敷の中へ入って行く。
そのうちメイドを一人連れて戻って来た。

「それでは入ってくれ。このメイドに案内を頼んだので付いて行ってくれ」

「こちらへどうぞ。ご案内致します」

「よろしく頼む」

「使役獣はそちらの庭にてお待ち頂けますようお願い致します」

「わかった。ローガ、そこで待っていてくれ」

『わふっ(了解です!)』

ヒヨコ隊長にあえて声を掛けなかったのは、イリーナの肩に止まって隠れているからだ。

「ではご案内致します」

そうして屋敷の中に入ったのだが・・・

「貴様! それでも聖職者なのか!」

とんでもない怒声が聞こえて来た。

「きぃ~~~ひっひっひ、もちろん聖職者の鑑ですよぉ。こうして聖水を持ってきているではありませんか」

「金ならいくらでも払う! その聖水とやらで娘が治せるのなら使ってくれ!」

「ですからぁ、欲しいのはお金じゃなくてぇ、この地を治める経営権ですよぉ」

「馬鹿な! そのような物、渡せるはずも無かろう!」

「では、娘さんは死ぬしかありませんなぁ」

「ああ、ルシーナ!」

「あ、あの・・・少しお待ちを・・・」

しどろもどろになるメイドさん。
そりゃそうだよな、いきなり修羅場だよ。
扉の外側から聞いただけでも辺境伯大ピンチってとこか。
聖職者とか言ってるって事は例の聖神会せいしんかいなんだろうね。



ゴンゴン!



扉を勢いよくぶっ叩く。

「お、お客様!」

メイドが目を剥く。少し待てと言ったのに、まさかこの修羅場に乗り込もうとは。

「何だ!」

「毎度、正義の味方でおま」

左手をちょいと上げて部屋にずかずかと入って行く。

「ヤ、ヤーベ! さすがにその挨拶はどうかと思うのだが!」

イリーナが俺のローブの裾を摘まんでついてくる。

「な、何だ貴様は! どこから入って来た!」

この激おこぷんぷん丸な人がフェンベルク・フォン・コルーナ辺境伯なんだろうね。ベッドで寝込んでいるのがルシーナと呼ばれていた娘さんで、そのそばで手を握って泣いているのが奥さんか。メイドや執事はこの場にはいない。どうせこの悪徳神官とのやり取りがあるから人払いしたってところか?

「どこからと言われれば、玄関からだが。ちなみに俺はヤーベ。こっちはイリーナだ。ソレナリーニの町代官のナイセー殿より火急の用件で手紙を預かって来た」

そう言って手紙を差し出す。

「火急の用件だと! 今はそれどころではない!出ていけ!」

怒鳴り散らして手を払うフェンベルク卿。
そこそこ年のようだが、白髪のダンディーな親父さんって感じだ。でも娘の事で余裕が無さすぎだな。

「まあ、出て行けと言うなら出て行くけど。さっきも言ったけど一応正義の味方として来てるんで。娘さんの事とか後悔しないといいけど?」

「なんだと! 貴様このフェンベルク・フォン・コルーナを脅すか!」

俺のローブの胸倉を掴むフェンベルク卿。

「いや、脅されてたのはあいつにだろう? 俺じゃなくて」

「むっ? それもそうか・・・、だったら貴様は何なんだ?」

とりあえず一周して少し落ち着いたか?

「とにかく手紙に目を通せよ。これでもソレナリーニの町で起きた毒によるテロ事件を未然に防いだ功労者だぞ。ナイセーの手紙にも書いてあるはずだが?」

「なんだと!」

そう言って慌てて手紙に目を通すフェンベルク卿。

「未然に防いだ・・・だと?」

怪しい神官がこちらをねめつける様に睨んで来る。

聖神会せいしんかいの悪党か? ソレナリーニの町での毒散布は止めさせてもらったぞ。ちなみに貴様らが町で毒を井戸に投入して町の人々をポイズンウォータードレイクの毒で中毒症にしているのも、その御祈祷薬と言って気持ちばかりの偽解毒剤を暴利で売っているのも全て知っているぞ?」

「な、なな何だと!?」

驚く神官。

「貴様、許さんぞ!」

「証拠はあるのですかな! いきなり無礼でしょうに!」

掴みかかろうとするフェンベルク卿に顕然と言い放つ神官。

「ここまで無礼な仕打ちは記憶にありませんな。この聖水は渡せません。これで失礼する!」

そう言って出て行こうとする神官を俺は捕まえる。

「逃げんなよ、この悪党」

威圧するように睨みを効かす。

「証拠の一つはコレだ」

ポイっと御祈祷薬をフェンベルク卿に渡す。

「これは聖神会せいしんかいが御祈祷薬として銀貨一枚で売っていたものだ。中身はカルノレッセの実の粉末をわずかに混ぜた小麦粉だ。これはポイズンウォータードレイクの毒で中毒症になっている事を想定していないとこのようなものは用意できない」

「確かに!」

悪徳神官を目だけで殺せそうな勢いで睨むフェンベルク卿。

「ああ、ちなみに屋敷に入る前に部下に聖神会せいしんかいと名乗ってこの御祈祷薬を売っている連中を全てしょっ引いてくるように指示してるから。集まったヤツ尋問すればすぐ吐くんじゃない?」

「おおっ!」

今度は嬉しそうな表情で声を上げるフェンベルク卿。
俺が味方だってやっと認識してきたっぽい。

「クソどもが! ならば永遠に後悔するがいい!」

そう言って持っていた瓶を床に投げつけ踏みつけて壊してしまった。

「貴様!何てことを!」

「これで貴様の娘は永遠に助からない! ザマーミロ! ハッハッハ」

バキィ!

フェンベルク卿怒りの一撃が悪徳神官の右頬を打ち抜く。
このままほっておくと間違いなく悪徳神官と娘のルシーナは死んでしまう。
悪徳神官が死ぬのは一向に構わないが、ルシーナは死なせるわけにはいかない。

俺はベッドで横たわるルシーナの元へ行く。

「ああ、娘を、娘をお助けください・・・」

涙を流しながら俺のローブを掴みすがる奥さん。

「お任せください。全力を尽くしますよ」

そう言ってルシーナを見る。
非常に辛そうだ。頬もこけ、顔色も悪い。
ポイズンウォータードレイクの毒による中毒症だろう。それも重篤な状況だ。

金も権力もあるコルーナ辺境伯が教会に助力を頼まないわけがない。ということは<解毒ディスポイズン>で解毒に失敗しているということだ。<癒しヒール>で回復し切れない場合、<解毒ディスポイズン>も試しているはずだからな。

ポイズンウォータードレイクの毒が<解毒ディスポイズン>で解毒出来ないのは、体の一か所に毒が溜まり続けていないからだろう。ならば毒はどこにあるのか? 俺は一つの仮説を立てる。日本の医療に「人工透析」があった。これは腎機能の低下により血中の老廃物を処理できずに体に様々な悪影響が出るというものだったはず。ではこのポイズンウォータードレイクの毒も同じように血中を回り続け、腎臓で処理できずに悪影響を体に与え続けているとすれば・・・。

俺はルシーナの右手首を掴む。

「あ・・・」

異性?に手を握られて恥ずかしいのか(実際は手首を掴んでいるけど)ものすごく顔色が悪いのに少し頬に紅が差すようにはにかむ。照れてるのかな?

「さて・・・」

俺は掴んだルシーナの手首の一部に自分のスライム細胞を「同化」させて行く。
これはスライム細胞に「対象の細胞と同化せよ」との指令を出している。
そして同化を進めて行き、手首の中に潜り込んでいく。血管にたどり着いたスライム細胞に血管へ接続させる。もちろん抜いた血液を戻すための接続も忘れない。

何をしているかって・・・もちろん「スライム透析」に決まっているではないですか。

それも水の精霊ウィンティアの加護パワーを使って、血液浄化対応! 血液を解毒してピカピカサラサラにして返してあげるのだ! ぐるぐるパワーがあればなんとかなる!
ルシーナの血液を吸い上げ、解毒浄化した後、再度血管へ戻す。

「ああ・・・、もの・・・すご・・・く・・・らく・・・に・・・」

ルシーナが掠れた声で途切れ途切れに伝えてくる。

「ああ、無理して喋る必要はないぞ。少し水をやるから、ゆっくり口に含んで飲むんだ」

そう言って触手を一本増やして、ルシーナの口に差し込む。

「ひっ・・・」

「何だそれは!」

ルシーナが少し怯え、フェンベルク卿がキレる。
でも必要な事だからあまり騒がないで欲しいね。

「落ち着いて、水をゆっくり飲んで」

「ふわっ・・・」

コクコクと水を飲むルシーナ。

「お、おいひいれす・・・」

ニコッと笑ってそう伝えてくれるルシーナ。
そりゃおいしいと思うよ。何てったって、水の精霊ウィンティアの加護を受けた奇跡の泉の水だからね。
ルシーナの顔に赤みが戻ってくる。もう大丈夫かな。

「ば、ばかな! ポイズンウォータードレイクの毒は今捨てたカルノレッセの実を絞った果汁が無いと治らないはずだ!貴様どうなってる!」

「全力で自白ありがとう。お前が町の人たちに、そしてこのルシーナに毒を盛った犯人だな」

「ば、ばかな! なぜそれを!」

「いや、今普通に自分でそう言ったじゃないか」

呆れて物も言えないな。

「貴様がルシーナを苦しめたのか!」


ドボォッ!


強烈なボディブローが怪しい神官に突き刺さる。

「ゴボゲロゴボ!」

ああ、出てはいかん物が出ているな。見なかったことにしよう。
俺は慌てず騒がず、ゆっくりとルシーナの血液を綺麗にしていった。
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