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第三章【パシフィス王国編】

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月明かりが差し込む窓から軽やかに飛び込み、部屋の静寂を破る。

「うわびっくりした..なんでみんなドアから入ってこないんだ..?」
村田は驚き、呆れた様子でケイラを見つめた。

ケイラは軽く笑いながら答えた。
「こっちの方が近いからよ、ライト君は大丈夫そう?」
その目には心配の色が浮かんでいた。

村田はライトが寝ているベッドを指し示しながら答えた。
ライトは穏やかな寝息を立て、疲れきった表情を浮かべていた。
「あぁ、ぐっすりと寝ているよ。で、そっちはどうだったんだ?」
村田はケイラに向き直り、真剣な表情で尋ねた。

ケイラは一瞬の沈黙の後、静かに話し始めた。
「情報を引き出したわ。アダムという魔人らしき男の命令で動いていて、奴らは魔素を増加させる粉を飲まされていたみたい」

「今度はアダムか....それに魔素を増加させる粉も気になる..」
村田は興味を示しながら呟いた。

ケイラは冷静な表情で続けた。
「ま、リベルタスの関係者ってところでしょうね。どちらにせよ、早くこの国から離れるのが吉よ」
彼女の声には確信と焦りが混じっていた。

「だな、明日の朝には出るとしよう」
村田は受け入れ、計画を立て始めた。

「私も一緒に..ね。事情が事情だしもういいでしょ?」
ケイラは少し微笑みながら提案した。

「もちろんだ..あいつもケイラが居てくれた方が安心するだろうしな」
村田は心からの感謝を込めて答えた。
彼の顔には安堵の色が浮かんでいた。

ケイラは頷き、優しく微笑む。
「じゃあ私は朝まで見張っておくわ。また変な奴らが来るかもしれないしね」
その言葉には強い決意と共に、仲間を守る覚悟が込められていた。

村田は感謝の気持ちを込めて答えた。
「ありがとう..一応俺も起きておく、夜勤は慣れているからな..」
彼の声には頼もしさと共に、仲間を守るための強い意志が感じられた。

ケイラは少し笑いながら、
「なら話し相手にもなってもらおうかしら?」
と軽い調子で答えた。

宿の静寂が再び戻り、月明かりが二人の決意を照らし出していた。
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