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第三章【パシフィス王国編】

剣士

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ケイラは、転倒から立ち上がりながらも怒りと屈辱を露にする。
「絶対に、許さないわ..」
という彼女の言葉は、敗北を認めることなく、戦いを続ける決意を固く表している。
彼女の痛む右手を庇いながらも、戦闘の姿勢を取り直すその姿からは、
未だに彼女が放つ強い気迫が感じられる。

「さっき剣士がどうとか言ってたわね..ちょうど一本になったし見せてあげる」
と宣言するケイラは、戦闘構えを変更し、
右前半身を前に出すと同時に左手に持ったマチェーテを体で隠すように後ろに持っていく。
この構えは外見上脱力しているように見えるが、実は瞬時の攻撃に備えた緊張感が隠されている。

一方のケラプは、彼女の挑戦を受けて立つ。
彼女の腕はプラズマクラッドで覆われ、重厚な一撃を狙うために熊のように腕を振り下ろす。

その瞬間、ケイラは巧みに後ろに構えたマチェーテを前方に振り上げ、ケラプの拳を軽く受け止める。
彼女の動作はキネティックの能力を使って加速され、通常では考えられない反応速度を実現している。

「後ろに構えているのに振り遅れていない..これもキネティックのおかげか」
とケラプはその場で冷静に分析し、戦況を再評価する。

ケイラは受け止めた拳を弾き、再度マチェーテを後ろに構える
酔狂を思わせる独特のステップでケラプに迫り、不意を突いて斬りかかる。
彼女は反応して後ろに退避するが、ケイラの攻撃範囲は予想外に広がり、腹部に浅く長い傷を付ける。

この切り傷によりケラプは驚愕し、
(間合いが..伸びた..!?)
と混乱する。

ケイラはその混乱を見逃さず、さらに予測不能な動きで近づき斬りかかる。
ケラプは避けたつもりでいたが、再び斜めに切り傷が入り、警戒はさらに高まる。

「どう、気持ち悪いでしょ?」
ケイラは挑発的に笑いながら、ゆっくりと構えなおす。
彼女の言葉はケラプの集中を乱すことを狙っている。

「あぁ、後ろに構えて間合いをわからなくしているのか..」
ケラプは彼女の戦術を理解し始め、彼の声にはある種の敬意さえ感じられる。

頭の中でケイラの構えを分析し、内心で考える。
(それにあのロングドレス..足元を隠してステップを隠す役割を果たしている..厄介だな)
ケラプはケイラの戦術の巧妙さに対する評価を改め、次の対応を模索する。
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