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第一章【イファスアの街編】

未知の始まり

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数万フィートの高空を航行する飛行機の窓から、
村田俊は新たな人生の始まりを象徴するような広大な雲の海を眺めていた。
彼の眉毛にかかるほどのボサボサした黒髪の下では、
疲れと新たな冒険への期待が混在する眼差しが外の景色に釘付けになっていた。

そのとき、隣の席の佐藤さんが穏やかに声をかけてきた。
「村田君、アフリカは初めてかい?」

彼は28歳の元医療従事者で、過去のアフリカ旅行がきっかけで
青年海外協力隊(JOCV)に参加し、ウガンダに向かうことになっていた。
JOCVは、技術や知識を持つ日本人青年を発展途上国に派遣し、
現地の社会や経済発展を支援するプログラムであり、村田と佐藤はその一員としてこの旅に出たのだ。

村田は首を横に振りながら、
「いえ、アフリカは初めてです。どんな国なんですか?」
と興味津々に尋ねた。
彼の目は輝き、未知への興味と期待でいっぱいだった。

佐藤さんは微笑みを浮かべ、
「優しい人が多いし、料理も美味い、すごくいい国だよ」
と答えた。
彼の言葉は村田の心に温かい光を灯した。

「そうなんですね、楽しみです」
と村田は笑顔で返し、その笑顔は少し緊張を解している様子だった。

佐藤さんは少し表情を曇らせ、
「うん、ただ伝染病による死亡者が多いのも事実だ、そんな人を一人でも減らせるようにしないとね」
と語った。彼の言葉は重みを持ち、村田の心に深く響いた。

「そのために私も参加しました。全力でサポートします」
と村田は堅く誓い、その瞬間彼の目には新たな決意の輝きが宿った。

しかし、彼らの会話は突如として中断された。飛行機が突然激しく揺れ始め、不吉な異音が響きわたった。
機体は急降下を始め、乗客たちの間に恐怖の叫びが広がった。
村田は佐藤さんを見るが、彼の顔は青ざめ、固まっていた。
そして、何かに激突する飛行機からの強烈な衝撃により、村田は意識を失った。
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