455 / 598
15歳
426 悩むしかない
しおりを挟む
結局、アロンとのことが有耶無耶なまま夜を迎えてしまった。ユリスに相談しようと計画する俺は、ティアンとジャンが去った後、しばらく時間を置いてからベッドを抜け出た。
「綿毛ちゃん、起きて」
すやすやと寝息を立てる毛玉を揺さぶって、ベッドから引っ張り出す。ぐっすり寝ている猫を起こすのは可哀想なので、置いて行こうと思う。
むにゃむにゃと眠そうな綿毛ちゃんと共に、そっとユリスの部屋に向かえば、寝室にて偉そうにベッドに腰掛けるユリスがいた。こいつがこの時間に起きているなんて珍しい。いつも寝起きの悪いユリスを起こすことに苦労している俺は、拍子抜けする。
「なんで起きてるの?」
「なんでって。おまえがなにか言いたそうにしていたから」
どうせ夜中に来るだろうと思っていたと吐き捨てるユリスは、俺のことを心配して待っていてくれたらしい。ユリスの突然の優しさに、俺は戸惑う。
ユリスと同じようにベッドに腰かけて、間に綿毛ちゃんを置いた。ベッドサイドの明かりの中、ユリスは黙って綿毛ちゃんに手を伸ばす。ちょっと雑な撫で方をするユリスは、さりげなく綿毛ちゃんの角を掴んでいる。角を触られた綿毛ちゃんは、ちょっと震えている。
「あのさ、アロンがね」
ふたりで綿毛ちゃんを触りながら、今日の出来事を報告する。相槌を挟みながら訊いてくれるユリスは、途中から眉間に皺を寄せてブルース兄様そっくりの表情を見せた。
「あいつは普段からそんな感じだろ」
「そうなんだけど」
でも普段以上に嫌だったと俯けば、ユリスは「そうか」と呟く。その真剣な声音に、俺はなんだかホッとする。やっぱりユリスは俺の話を聞いてくれる。聞いてくれるだけで、俺は満足。
「おまえはアロンのこと好きなのか?」
「うーん」
何度も訊かれた質問だが、即答できない。好きといえば好きだけど。どうなんだろうか。
「僕は、アロンは割といいと思うけど」
「うん」
「いいというのは、身分とかあの図々しさとか。とにかく、あいつと一緒にいて金に困るようなことはないし、それなりの地位におさまっていられる。おまけに騎士としての腕も確かだし」
「うん」
「性格はちょっとあれだが」
「うん」
要するに、性格以外は完璧ということだろう。アロンはモテる。それは顔の良さもあるし、あいつが持っている権力もだ。加えて、ユリスはアロンの手段を選ばないような性格も気に入っているらしい。綺麗事だけではどうにもならないというのは、ユリスもよく言っている。
好きにすればいいとユリスは言う。
「うーん」
そう言われても、俺は自分自身がどうしたいのかがわからない。
「アロンが女と一緒に居たのが嫌なのか?」
「うーん? そうかもしれない」
ベッドにあがって、中央に寝転んでみる。「おい」とユリスが低い声を出したが、すぐに諦めたようなため息が聞こえてきた。
ぼんやりと天井を眺めて、悩む。悩むことしかできない。
「俺は別にさ。アロンに彼女がいてもいいと思う。てかあいつモテるし。彼女のひとりやふたりくらいいても不思議じゃない感じだよね」
言いながら、自分の言動が矛盾していることに気がついたけど、ユリスは突っ込んでこない。
アロンに彼女がいてもいいと思いつつ、実際に女の人とベタベタしている場面を目撃したら苛々してしまう。自分でもどういうことだと苦笑する。
オーガス兄様とブルース兄様が結婚した時は、なにも思わなかったのに。エリックが結婚した時だってそうだ。俺は素直におめでとうと言えた。
アロンの結婚を想像してみる。その時の俺は、ちゃんと「おめでとう」と言えるだろうか。
「なんかアロンが俺のこと好きって言うからさ。俺のこと好きなのに、他の女の人と仲良くするんだって、多分そういうもやもやだと思う」
答えを捻り出せば、ユリスが「そうか」と短く頷く。
多分だけど、俺が腹を立てる原因は、アロンの本音がよくわからないことも関係していると思う。口では俺のことを好きと言いつつも、アロンは俺以外の女の人と仲良くやっている。一時期は、それを隠してもいなかった。そういう曖昧な態度に、苛々してしまうのかもしれない。
でも、曖昧なのは俺も同じだ。
アロンの好きという言葉に、俺はまだはっきりとした答えを返すことができていない。アロンからすれば、そんな曖昧な俺の態度にこそ腹が立っているのかもしれない。要するに、俺たちふたりは互いが互いに苛々しているのだ。
「ユリスは好きな人いないの?」
ごろっと転がって、いまだベッドに腰かけているユリスの背中を見つめる。綿毛ちゃんの角を掴んだまま、ユリスは「そうだな」と面倒くさそうに唸った。
「綿毛ちゃんは? 誰が好き?」
『オレ? オレはそうだね。みんな好きだよぉ』
「ふーん。綿毛ちゃんは悩みなさそうでいいね」
『失礼な。オレだって色々と考えてますぅ』
お気楽そうに笑う綿毛ちゃんは、きっと美味しい物をくれる人なら誰だって好きなのだ。食いしん坊な毛玉だから。
「そんなに難しく考える必要はないんじゃないか?」
綿毛ちゃんから手を離して、こちらに向き直ったユリスが、今度は俺の頭を触ってくる。ユリスが俺を撫でるなんて珍しい。抵抗せずにベッドに寝転がっていれば、ユリスは「別に間違えたらいけないというものでもないだろ」と素っ気なく言い放つ。
「なにも一生に一度の相手を探す必要はない。好きなら付き合ってみて、合わないと思ったのなら別れてもいいだろ」
「なるほど」
ユリスは、悩み過ぎるのはよくないと言いたいらしい。確かにね。ここで色々悩んだとしても、それは結局俺の想像に過ぎないわけで。結果がどうなるかなんて、行動してみなければ分からない。
「ルイスの好きにすればいい。それで困ったことになったら僕がどうにかしてやる」
どうにかってなんだろう。
ちょっと投げやりっぽい言い方に、思わず笑いが込み上げてきた。ユリスがお兄ちゃんらしく振る舞う度に、ブルース兄様の顔が頭をよぎる。ユリスは否定するけど、大人ぶった振る舞いをする時のユリスは、ブルース兄様にそっくりなのだ。
「ありがと」
話を聞いてもらって、少し気持ちが楽になった。アロンとはこれまでに何度かややこしい状況に陥ったが、その度になんだかんだで上手く解決してきた。だから今回も大丈夫。普段と変わらず冷静に言葉を紡ぐユリスの姿に、俺はようやく安堵することができた。
「綿毛ちゃん、起きて」
すやすやと寝息を立てる毛玉を揺さぶって、ベッドから引っ張り出す。ぐっすり寝ている猫を起こすのは可哀想なので、置いて行こうと思う。
むにゃむにゃと眠そうな綿毛ちゃんと共に、そっとユリスの部屋に向かえば、寝室にて偉そうにベッドに腰掛けるユリスがいた。こいつがこの時間に起きているなんて珍しい。いつも寝起きの悪いユリスを起こすことに苦労している俺は、拍子抜けする。
「なんで起きてるの?」
「なんでって。おまえがなにか言いたそうにしていたから」
どうせ夜中に来るだろうと思っていたと吐き捨てるユリスは、俺のことを心配して待っていてくれたらしい。ユリスの突然の優しさに、俺は戸惑う。
ユリスと同じようにベッドに腰かけて、間に綿毛ちゃんを置いた。ベッドサイドの明かりの中、ユリスは黙って綿毛ちゃんに手を伸ばす。ちょっと雑な撫で方をするユリスは、さりげなく綿毛ちゃんの角を掴んでいる。角を触られた綿毛ちゃんは、ちょっと震えている。
「あのさ、アロンがね」
ふたりで綿毛ちゃんを触りながら、今日の出来事を報告する。相槌を挟みながら訊いてくれるユリスは、途中から眉間に皺を寄せてブルース兄様そっくりの表情を見せた。
「あいつは普段からそんな感じだろ」
「そうなんだけど」
でも普段以上に嫌だったと俯けば、ユリスは「そうか」と呟く。その真剣な声音に、俺はなんだかホッとする。やっぱりユリスは俺の話を聞いてくれる。聞いてくれるだけで、俺は満足。
「おまえはアロンのこと好きなのか?」
「うーん」
何度も訊かれた質問だが、即答できない。好きといえば好きだけど。どうなんだろうか。
「僕は、アロンは割といいと思うけど」
「うん」
「いいというのは、身分とかあの図々しさとか。とにかく、あいつと一緒にいて金に困るようなことはないし、それなりの地位におさまっていられる。おまけに騎士としての腕も確かだし」
「うん」
「性格はちょっとあれだが」
「うん」
要するに、性格以外は完璧ということだろう。アロンはモテる。それは顔の良さもあるし、あいつが持っている権力もだ。加えて、ユリスはアロンの手段を選ばないような性格も気に入っているらしい。綺麗事だけではどうにもならないというのは、ユリスもよく言っている。
好きにすればいいとユリスは言う。
「うーん」
そう言われても、俺は自分自身がどうしたいのかがわからない。
「アロンが女と一緒に居たのが嫌なのか?」
「うーん? そうかもしれない」
ベッドにあがって、中央に寝転んでみる。「おい」とユリスが低い声を出したが、すぐに諦めたようなため息が聞こえてきた。
ぼんやりと天井を眺めて、悩む。悩むことしかできない。
「俺は別にさ。アロンに彼女がいてもいいと思う。てかあいつモテるし。彼女のひとりやふたりくらいいても不思議じゃない感じだよね」
言いながら、自分の言動が矛盾していることに気がついたけど、ユリスは突っ込んでこない。
アロンに彼女がいてもいいと思いつつ、実際に女の人とベタベタしている場面を目撃したら苛々してしまう。自分でもどういうことだと苦笑する。
オーガス兄様とブルース兄様が結婚した時は、なにも思わなかったのに。エリックが結婚した時だってそうだ。俺は素直におめでとうと言えた。
アロンの結婚を想像してみる。その時の俺は、ちゃんと「おめでとう」と言えるだろうか。
「なんかアロンが俺のこと好きって言うからさ。俺のこと好きなのに、他の女の人と仲良くするんだって、多分そういうもやもやだと思う」
答えを捻り出せば、ユリスが「そうか」と短く頷く。
多分だけど、俺が腹を立てる原因は、アロンの本音がよくわからないことも関係していると思う。口では俺のことを好きと言いつつも、アロンは俺以外の女の人と仲良くやっている。一時期は、それを隠してもいなかった。そういう曖昧な態度に、苛々してしまうのかもしれない。
でも、曖昧なのは俺も同じだ。
アロンの好きという言葉に、俺はまだはっきりとした答えを返すことができていない。アロンからすれば、そんな曖昧な俺の態度にこそ腹が立っているのかもしれない。要するに、俺たちふたりは互いが互いに苛々しているのだ。
「ユリスは好きな人いないの?」
ごろっと転がって、いまだベッドに腰かけているユリスの背中を見つめる。綿毛ちゃんの角を掴んだまま、ユリスは「そうだな」と面倒くさそうに唸った。
「綿毛ちゃんは? 誰が好き?」
『オレ? オレはそうだね。みんな好きだよぉ』
「ふーん。綿毛ちゃんは悩みなさそうでいいね」
『失礼な。オレだって色々と考えてますぅ』
お気楽そうに笑う綿毛ちゃんは、きっと美味しい物をくれる人なら誰だって好きなのだ。食いしん坊な毛玉だから。
「そんなに難しく考える必要はないんじゃないか?」
綿毛ちゃんから手を離して、こちらに向き直ったユリスが、今度は俺の頭を触ってくる。ユリスが俺を撫でるなんて珍しい。抵抗せずにベッドに寝転がっていれば、ユリスは「別に間違えたらいけないというものでもないだろ」と素っ気なく言い放つ。
「なにも一生に一度の相手を探す必要はない。好きなら付き合ってみて、合わないと思ったのなら別れてもいいだろ」
「なるほど」
ユリスは、悩み過ぎるのはよくないと言いたいらしい。確かにね。ここで色々悩んだとしても、それは結局俺の想像に過ぎないわけで。結果がどうなるかなんて、行動してみなければ分からない。
「ルイスの好きにすればいい。それで困ったことになったら僕がどうにかしてやる」
どうにかってなんだろう。
ちょっと投げやりっぽい言い方に、思わず笑いが込み上げてきた。ユリスがお兄ちゃんらしく振る舞う度に、ブルース兄様の顔が頭をよぎる。ユリスは否定するけど、大人ぶった振る舞いをする時のユリスは、ブルース兄様にそっくりなのだ。
「ありがと」
話を聞いてもらって、少し気持ちが楽になった。アロンとはこれまでに何度かややこしい状況に陥ったが、その度になんだかんだで上手く解決してきた。だから今回も大丈夫。普段と変わらず冷静に言葉を紡ぐユリスの姿に、俺はようやく安堵することができた。
1,355
お気に入りに追加
3,050
あなたにおすすめの小説
君のことなんてもう知らない
ぽぽ
BL
早乙女琥珀は幼馴染の佐伯慶也に毎日のように告白しては振られてしまう。
告白をOKする素振りも見せず、軽く琥珀をあしらう慶也に憤りを覚えていた。
だがある日、琥珀は記憶喪失になってしまい、慶也の記憶のみ失ってしまう。
今まで自分のことをあしらってきた慶也のことを忘れて、他の人と恋を始めようとするが…
「お前なんて知らないから」
不幸体質っすけど役に立って、大好きなボス達とずっと一緒にいられるよう頑張るっす!
タッター
BL
ボスは悲しく一人閉じ込められていた俺を助け、たくさんの仲間達に出会わせてくれた俺の大切な人だ。
自分だけでなく、他者にまでその不幸を撒き散らすような体質を持つ厄病神な俺を、みんな側に置いてくれて仲間だと笑顔を向けてくれる。とても毎日が楽しい。ずっとずっとみんなと一緒にいたい。
――だから俺はそれ以上を求めない。不幸は幸せが好きだから。この幸せが崩れてしまわないためにも。
そうやって俺は今日も仲間達――家族達の、そして大好きなボスの役に立てるように――
「頑張るっす!! ……から置いてかないで下さいっす!! 寂しいっすよ!!」
「無理。邪魔」
「ガーン!」
とした日常の中で俺達は美少年君を助けた。
「……その子、生きてるっすか?」
「……ああ」
◆◆◆
溺愛攻め
×
明るいが不幸体質を持つが故に想いを受け入れることが怖く、役に立てなければ捨てられるかもと内心怯えている受け
悪役令息、皇子殿下(7歳)に転生する
めろ
BL
皇子殿下(7歳)に転生したっぽいけど、何も分からない。
侍従(8歳)と仲良くするように言われたけど、無表情すぎて何を考えてるのか分からない。
分からないことばかりの中、どうにか日々を過ごしていくうちに
主人公・イリヤはとある事件に巻き込まれて……?
思い出せない前世の死と
戸惑いながらも歩み始めた今世の生の狭間で、
ほんのりシリアスな主従ファンタジーBL開幕!
.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚
HOTランキング入りしました😭🙌
♡もエールもありがとうございます…!!
※第1話からプチ改稿中
(内容ほとんど変わりませんが、
サブタイトルがついている話は改稿済みになります)
大変お待たせしました!連載再開いたします…!
転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい
翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。
それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん?
「え、俺何か、犬になってない?」
豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。
※どんどん年齢は上がっていきます。
※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。
金の野獣と薔薇の番
むー
BL
結季には記憶と共に失った大切な約束があった。
❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎
止むを得ない事情で全寮制の学園の高等部に編入した結季。
彼は事故により7歳より以前の記憶がない。
高校進学時の検査でオメガ因子が見つかるまでベータとして養父母に育てられた。
オメガと判明したがフェロモンが出ることも発情期が来ることはなかった。
ある日、編入先の学園で金髪金眼の皇貴と出逢う。
彼の纒う薔薇の香りに発情し、結季の中のオメガが開花する。
その薔薇の香りのフェロモンを纏う皇貴は、全ての性を魅了し学園の頂点に立つアルファだ。
来るもの拒まずで性に奔放だが、番は持つつもりはないと公言していた。
皇貴との出会いが、少しずつ結季のオメガとしての運命が動き出す……?
4/20 本編開始。
『至高のオメガとガラスの靴』と同じ世界の話です。
(『至高の〜』完結から4ヶ月後の設定です。)
※シリーズものになっていますが、どの物語から読んでも大丈夫です。
【至高のオメガとガラスの靴】
↓
【金の野獣と薔薇の番】←今ココ
↓
【魔法使いと眠れるオメガ】
どうやら手懐けてしまったようだ...さて、どうしよう。
彩ノ華
BL
ある日BLゲームの中に転生した俺は義弟と主人公(ヒロイン)をくっつけようと決意する。
だが、義弟からも主人公からも…ましてや攻略対象者たちからも気に入れられる始末…。
どうやら手懐けてしまったようだ…さて、どうしよう。
社畜だけど異世界では推し騎士の伴侶になってます⁈
めがねあざらし
BL
気がつくと、そこはゲーム『クレセント・ナイツ』の世界だった。
しかも俺は、推しキャラ・レイ=エヴァンスの“伴侶”になっていて……⁈
記憶喪失の俺に課されたのは、彼と共に“世界を救う鍵”として戦う使命。
しかし、レイとの誓いに隠された真実や、迫りくる敵の陰謀が俺たちを追い詰める――。
異世界で見つけた愛〜推し騎士との奇跡の絆!
推しとの距離が近すぎる、命懸けの異世界ラブファンタジー、ここに開幕!
もう人気者とは付き合っていられません
花果唯
BL
僕の恋人は頭も良くて、顔も良くておまけに優しい。
モテるのは当然だ。でも――。
『たまには二人だけで過ごしたい』
そう願うのは、贅沢なのだろうか。
いや、そんな人を好きになった僕の方が間違っていたのだ。
「好きなのは君だ」なんて言葉に縋って耐えてきたけど、それが間違いだったってことに、ようやく気がついた。さようなら。
ちょうど生徒会の補佐をしないかと誘われたし、そっちの方に専念します。
生徒会長が格好いいから見ていて癒やされるし、一石二鳥です。
※ライトBL学園モノ ※2024再公開・改稿中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる