396 / 598
14歳
376 頑張ろうね
しおりを挟む
「ブルース兄様」
「なんだ。今忙しいから後にしてくれないか」
ブルース兄様の部屋にお邪魔すれば、兄様は忙しそうに書類を捲っていた。探し物でもしているのか。忙しなく室内をうろうろする兄様は落ち着きがない。
アロンは不在。きっと騎士棟に居るのだろう。アロンはブルース兄様の護衛なのに、ほとんど兄様のそばに居ない。護衛って一体なんだろう。
俺に背中を向けたまま、今度は書類棚をあさり始めるブルース兄様は「で? なんの用だ」と素っ気ない。
「あのさぁ」
「うん?」
「古い本あるじゃん。昔の言葉で書いてあるやつ。ユリスがよく読んでる」
「あぁ」
「あれ。あの言葉。勉強するのに一番簡単な本どれ?」
「あー、そうだな」
ガサゴソと棚をあさる兄様は、しばらく考えるように黙り込む。だが、突然ピタリと動きを止めると、勢いよく振り返ってきた。
「今なんだって!?」
その声量の大きさにびっくりした俺は、思わず首をすくめる。だが、ブルース兄様も驚いたように目を丸くしていた。
「え、勉強って言ったか?」
「言ったけど。なに?」
そのまま口を開ける兄様は、「おまえ、勉強とかするのか?」とめっちゃ失礼なことを口走ってくる。ユリスといい、兄様といい。みんな俺のことを馬鹿にしすぎでは?
ムスッと半眼になれば、兄様は慌てたように「あ、いや。すまない」と謝罪してくる。別にいいけど。
「え? 古い本が読みたいのか? カルに教えてもらっただろ」
「やったけど。でももう一回やる」
カル先生にも教えてもらったので、一応俺も読み方の基礎くらいはわかると思う。でもあやふやな知識ではまずいので、なんか拠り所となる教科書が欲しい。カル先生と使っていたものはちょっと難しい。初心者向けの一番簡単なやつが欲しいと伝えれば、兄様は「あぁ」と気の抜けた返事をする。
なんだその顔は。
疑いのような困惑のような。とにかく失礼な目線を向けてくるブルース兄様は、切り替えるかのように咳払いをした。
「それなら、おまえの部屋に俺が置いておいたあれとかいいんじゃないか?」
俺の部屋には、ブルース兄様が勝手に用意した本棚がある。その中に詰め込まれている本に俺が手を伸ばすことはないのでわからないが、そこに良さそうな本があるらしい。
早速見繕ってくれるという兄様は、探し物を放り出して俺の部屋に向かう。
「なにか探してたんじゃないの?」
「後でいい」
心なしか嬉しそうなブルース兄様は、「勉強してどうするんだ?」と投げかけてくる。
「ジェフリーがね、古い本読みたいって。だから俺が読み方教えてあげようと思って」
「へぇ? ジェフリーに」
適当なことは教えられないので、俺ももう一回復習しておこうと思う。あとジェフリーに説明する用に簡単な教科書がどうしても必要なのだ。
「随分と仲良くしているんだな」
「うん」
ジェフリーは、俺が色々教えてあげるとわかりやすく目を輝かせる。そして「すごい」「かっこいい」と手放しで褒めてくれるので、俺はとても楽しい。
俺の方が年上なので、お兄さんっぽい振る舞いをするように気をつけている。俺に毎回同行しているレナルドが「お兄さんっぽいですよ」と褒めてくれるので、俺はますます得意になる。
まさかジェフリーの前で、勉強嫌いとか言うわけにはいかない。ジェフリーは俺のことをなんでもできるお兄さんだと思っているようなので、期待を裏切るわけにもいかないのだ。
「ほら、これ」
「ありがとう」
そうして教科書を見繕ってくれたブルース兄様は、ついでと言わんばかりに他の科目の教科書も渡してくる。どれも初心者向けの易しいやつだ。
「あとね、乗馬も教えてあげてるの」
「まさかルイスが教える側にまわるとは」
成長したな、としみじみと呟くブルース兄様は、俺の背中を叩いてくる。
「頑張れよ」
「うん。ブルース兄様も婚約者探し頑張ってね」
「うるせぇよ」
先程までの笑顔が嘘のように引っ込んでしまったブルース兄様は「え、なんで突然そんなことを言い出すんだ」と顔色を悪くする。
なんでって。
ちらりと部屋の隅で気配を消していたジャンに視線を投げる。ビクッと肩を揺らしたジャンは、そろそろと俺たちから視線を逸らしてしまう。その顔色はとても悪い。「おまえ、居たのか!」と、なにやらブルース兄様がびっくりしている。ジャンはさっきから部屋にずっと居た。ブルース兄様が目もくれずに本棚へと直行したのだ。気が付いてもらえなかったジャンが可哀想。
ちなみに床では猫と犬がごろごろしている。レナルドは、用事があるとかで部屋に居ない。レナルドは、なにかと理由をつけては俺から目を離してしまう。まぁ、俺ももう大人なので問題はない。
「お母様がね」
「あー、嫌な予感」
「ブルース兄様はいつ結婚するのかって言ってたよ。顔が怖いから女の子に逃げられているんじゃないかって心配してたよ」
「それは心配ではなく、俺を揶揄っているだけだろ」
「孫の顔が見たいって言ってた」
「それは兄上に言ってほしいな」
「オーガス兄様にも言ってるみたいだよ」
その度に、オーガス兄様は「また今度」と言って逃げてしまうそうだ。ちなみにお母様、初孫は女の子がいいと言っていた。お母様はずっと娘がほしかったらしいが、生憎と生まれたのは全部息子だったので。
「お母様が、それとなくブルース兄様がいつ結婚するのか探ってこいって」
「おまえ、それとなくの意味わかってないだろ」
「わかってるけど?」
で? いつ誰と結婚するの、と詰め寄れば、ブルース兄様は露骨に不機嫌になった。先程まであんなに嬉しそうだったのに。
「まだ考えていない」
ブルース兄様は、今年二十五歳だ。そろそろ結婚して孫の顔を見せてほしいと、お母様が嘆いていた。せめて婚約者くらいは見つけてこいと。
「オーガスでさえ結婚できたんだから。ブルースも頑張れって、お母様が言ってたよ」
「その微妙な励まし方は一体なんなんだ」
「さぁ?」
お母様の愉快な言動はいつものことだ。
最近では、綿毛ちゃんにこっそりとお菓子を食べさせているらしい。基本的に可愛いものが好きなんだと思う。そのお母様の可愛い基準から、ブルース兄様は微妙にズレているのだろう。事あるごとに文句を言っている。
「頑張ってね」
俺は勉強を頑張るので、ブルース兄様は婚活を頑張ればいいと思う。心を込めて応援したのに、ブルース兄様の口からは「うるさい」という暴言が返ってきた。物騒な兄だな。そんなんだからお母様に可愛くないと言われてしまうのだ。
「なんだ。今忙しいから後にしてくれないか」
ブルース兄様の部屋にお邪魔すれば、兄様は忙しそうに書類を捲っていた。探し物でもしているのか。忙しなく室内をうろうろする兄様は落ち着きがない。
アロンは不在。きっと騎士棟に居るのだろう。アロンはブルース兄様の護衛なのに、ほとんど兄様のそばに居ない。護衛って一体なんだろう。
俺に背中を向けたまま、今度は書類棚をあさり始めるブルース兄様は「で? なんの用だ」と素っ気ない。
「あのさぁ」
「うん?」
「古い本あるじゃん。昔の言葉で書いてあるやつ。ユリスがよく読んでる」
「あぁ」
「あれ。あの言葉。勉強するのに一番簡単な本どれ?」
「あー、そうだな」
ガサゴソと棚をあさる兄様は、しばらく考えるように黙り込む。だが、突然ピタリと動きを止めると、勢いよく振り返ってきた。
「今なんだって!?」
その声量の大きさにびっくりした俺は、思わず首をすくめる。だが、ブルース兄様も驚いたように目を丸くしていた。
「え、勉強って言ったか?」
「言ったけど。なに?」
そのまま口を開ける兄様は、「おまえ、勉強とかするのか?」とめっちゃ失礼なことを口走ってくる。ユリスといい、兄様といい。みんな俺のことを馬鹿にしすぎでは?
ムスッと半眼になれば、兄様は慌てたように「あ、いや。すまない」と謝罪してくる。別にいいけど。
「え? 古い本が読みたいのか? カルに教えてもらっただろ」
「やったけど。でももう一回やる」
カル先生にも教えてもらったので、一応俺も読み方の基礎くらいはわかると思う。でもあやふやな知識ではまずいので、なんか拠り所となる教科書が欲しい。カル先生と使っていたものはちょっと難しい。初心者向けの一番簡単なやつが欲しいと伝えれば、兄様は「あぁ」と気の抜けた返事をする。
なんだその顔は。
疑いのような困惑のような。とにかく失礼な目線を向けてくるブルース兄様は、切り替えるかのように咳払いをした。
「それなら、おまえの部屋に俺が置いておいたあれとかいいんじゃないか?」
俺の部屋には、ブルース兄様が勝手に用意した本棚がある。その中に詰め込まれている本に俺が手を伸ばすことはないのでわからないが、そこに良さそうな本があるらしい。
早速見繕ってくれるという兄様は、探し物を放り出して俺の部屋に向かう。
「なにか探してたんじゃないの?」
「後でいい」
心なしか嬉しそうなブルース兄様は、「勉強してどうするんだ?」と投げかけてくる。
「ジェフリーがね、古い本読みたいって。だから俺が読み方教えてあげようと思って」
「へぇ? ジェフリーに」
適当なことは教えられないので、俺ももう一回復習しておこうと思う。あとジェフリーに説明する用に簡単な教科書がどうしても必要なのだ。
「随分と仲良くしているんだな」
「うん」
ジェフリーは、俺が色々教えてあげるとわかりやすく目を輝かせる。そして「すごい」「かっこいい」と手放しで褒めてくれるので、俺はとても楽しい。
俺の方が年上なので、お兄さんっぽい振る舞いをするように気をつけている。俺に毎回同行しているレナルドが「お兄さんっぽいですよ」と褒めてくれるので、俺はますます得意になる。
まさかジェフリーの前で、勉強嫌いとか言うわけにはいかない。ジェフリーは俺のことをなんでもできるお兄さんだと思っているようなので、期待を裏切るわけにもいかないのだ。
「ほら、これ」
「ありがとう」
そうして教科書を見繕ってくれたブルース兄様は、ついでと言わんばかりに他の科目の教科書も渡してくる。どれも初心者向けの易しいやつだ。
「あとね、乗馬も教えてあげてるの」
「まさかルイスが教える側にまわるとは」
成長したな、としみじみと呟くブルース兄様は、俺の背中を叩いてくる。
「頑張れよ」
「うん。ブルース兄様も婚約者探し頑張ってね」
「うるせぇよ」
先程までの笑顔が嘘のように引っ込んでしまったブルース兄様は「え、なんで突然そんなことを言い出すんだ」と顔色を悪くする。
なんでって。
ちらりと部屋の隅で気配を消していたジャンに視線を投げる。ビクッと肩を揺らしたジャンは、そろそろと俺たちから視線を逸らしてしまう。その顔色はとても悪い。「おまえ、居たのか!」と、なにやらブルース兄様がびっくりしている。ジャンはさっきから部屋にずっと居た。ブルース兄様が目もくれずに本棚へと直行したのだ。気が付いてもらえなかったジャンが可哀想。
ちなみに床では猫と犬がごろごろしている。レナルドは、用事があるとかで部屋に居ない。レナルドは、なにかと理由をつけては俺から目を離してしまう。まぁ、俺ももう大人なので問題はない。
「お母様がね」
「あー、嫌な予感」
「ブルース兄様はいつ結婚するのかって言ってたよ。顔が怖いから女の子に逃げられているんじゃないかって心配してたよ」
「それは心配ではなく、俺を揶揄っているだけだろ」
「孫の顔が見たいって言ってた」
「それは兄上に言ってほしいな」
「オーガス兄様にも言ってるみたいだよ」
その度に、オーガス兄様は「また今度」と言って逃げてしまうそうだ。ちなみにお母様、初孫は女の子がいいと言っていた。お母様はずっと娘がほしかったらしいが、生憎と生まれたのは全部息子だったので。
「お母様が、それとなくブルース兄様がいつ結婚するのか探ってこいって」
「おまえ、それとなくの意味わかってないだろ」
「わかってるけど?」
で? いつ誰と結婚するの、と詰め寄れば、ブルース兄様は露骨に不機嫌になった。先程まであんなに嬉しそうだったのに。
「まだ考えていない」
ブルース兄様は、今年二十五歳だ。そろそろ結婚して孫の顔を見せてほしいと、お母様が嘆いていた。せめて婚約者くらいは見つけてこいと。
「オーガスでさえ結婚できたんだから。ブルースも頑張れって、お母様が言ってたよ」
「その微妙な励まし方は一体なんなんだ」
「さぁ?」
お母様の愉快な言動はいつものことだ。
最近では、綿毛ちゃんにこっそりとお菓子を食べさせているらしい。基本的に可愛いものが好きなんだと思う。そのお母様の可愛い基準から、ブルース兄様は微妙にズレているのだろう。事あるごとに文句を言っている。
「頑張ってね」
俺は勉強を頑張るので、ブルース兄様は婚活を頑張ればいいと思う。心を込めて応援したのに、ブルース兄様の口からは「うるさい」という暴言が返ってきた。物騒な兄だな。そんなんだからお母様に可愛くないと言われてしまうのだ。
1,546
お気に入りに追加
3,050
あなたにおすすめの小説
君のことなんてもう知らない
ぽぽ
BL
早乙女琥珀は幼馴染の佐伯慶也に毎日のように告白しては振られてしまう。
告白をOKする素振りも見せず、軽く琥珀をあしらう慶也に憤りを覚えていた。
だがある日、琥珀は記憶喪失になってしまい、慶也の記憶のみ失ってしまう。
今まで自分のことをあしらってきた慶也のことを忘れて、他の人と恋を始めようとするが…
「お前なんて知らないから」
不幸体質っすけど役に立って、大好きなボス達とずっと一緒にいられるよう頑張るっす!
タッター
BL
ボスは悲しく一人閉じ込められていた俺を助け、たくさんの仲間達に出会わせてくれた俺の大切な人だ。
自分だけでなく、他者にまでその不幸を撒き散らすような体質を持つ厄病神な俺を、みんな側に置いてくれて仲間だと笑顔を向けてくれる。とても毎日が楽しい。ずっとずっとみんなと一緒にいたい。
――だから俺はそれ以上を求めない。不幸は幸せが好きだから。この幸せが崩れてしまわないためにも。
そうやって俺は今日も仲間達――家族達の、そして大好きなボスの役に立てるように――
「頑張るっす!! ……から置いてかないで下さいっす!! 寂しいっすよ!!」
「無理。邪魔」
「ガーン!」
とした日常の中で俺達は美少年君を助けた。
「……その子、生きてるっすか?」
「……ああ」
◆◆◆
溺愛攻め
×
明るいが不幸体質を持つが故に想いを受け入れることが怖く、役に立てなければ捨てられるかもと内心怯えている受け
悪役令息、皇子殿下(7歳)に転生する
めろ
BL
皇子殿下(7歳)に転生したっぽいけど、何も分からない。
侍従(8歳)と仲良くするように言われたけど、無表情すぎて何を考えてるのか分からない。
分からないことばかりの中、どうにか日々を過ごしていくうちに
主人公・イリヤはとある事件に巻き込まれて……?
思い出せない前世の死と
戸惑いながらも歩み始めた今世の生の狭間で、
ほんのりシリアスな主従ファンタジーBL開幕!
.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚
HOTランキング入りしました😭🙌
♡もエールもありがとうございます…!!
※第1話からプチ改稿中
(内容ほとんど変わりませんが、
サブタイトルがついている話は改稿済みになります)
大変お待たせしました!連載再開いたします…!
転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい
翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。
それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん?
「え、俺何か、犬になってない?」
豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。
※どんどん年齢は上がっていきます。
※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。
金の野獣と薔薇の番
むー
BL
結季には記憶と共に失った大切な約束があった。
❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎
止むを得ない事情で全寮制の学園の高等部に編入した結季。
彼は事故により7歳より以前の記憶がない。
高校進学時の検査でオメガ因子が見つかるまでベータとして養父母に育てられた。
オメガと判明したがフェロモンが出ることも発情期が来ることはなかった。
ある日、編入先の学園で金髪金眼の皇貴と出逢う。
彼の纒う薔薇の香りに発情し、結季の中のオメガが開花する。
その薔薇の香りのフェロモンを纏う皇貴は、全ての性を魅了し学園の頂点に立つアルファだ。
来るもの拒まずで性に奔放だが、番は持つつもりはないと公言していた。
皇貴との出会いが、少しずつ結季のオメガとしての運命が動き出す……?
4/20 本編開始。
『至高のオメガとガラスの靴』と同じ世界の話です。
(『至高の〜』完結から4ヶ月後の設定です。)
※シリーズものになっていますが、どの物語から読んでも大丈夫です。
【至高のオメガとガラスの靴】
↓
【金の野獣と薔薇の番】←今ココ
↓
【魔法使いと眠れるオメガ】
どうやら手懐けてしまったようだ...さて、どうしよう。
彩ノ華
BL
ある日BLゲームの中に転生した俺は義弟と主人公(ヒロイン)をくっつけようと決意する。
だが、義弟からも主人公からも…ましてや攻略対象者たちからも気に入れられる始末…。
どうやら手懐けてしまったようだ…さて、どうしよう。
社畜だけど異世界では推し騎士の伴侶になってます⁈
めがねあざらし
BL
気がつくと、そこはゲーム『クレセント・ナイツ』の世界だった。
しかも俺は、推しキャラ・レイ=エヴァンスの“伴侶”になっていて……⁈
記憶喪失の俺に課されたのは、彼と共に“世界を救う鍵”として戦う使命。
しかし、レイとの誓いに隠された真実や、迫りくる敵の陰謀が俺たちを追い詰める――。
異世界で見つけた愛〜推し騎士との奇跡の絆!
推しとの距離が近すぎる、命懸けの異世界ラブファンタジー、ここに開幕!
もう人気者とは付き合っていられません
花果唯
BL
僕の恋人は頭も良くて、顔も良くておまけに優しい。
モテるのは当然だ。でも――。
『たまには二人だけで過ごしたい』
そう願うのは、贅沢なのだろうか。
いや、そんな人を好きになった僕の方が間違っていたのだ。
「好きなのは君だ」なんて言葉に縋って耐えてきたけど、それが間違いだったってことに、ようやく気がついた。さようなら。
ちょうど生徒会の補佐をしないかと誘われたし、そっちの方に専念します。
生徒会長が格好いいから見ていて癒やされるし、一石二鳥です。
※ライトBL学園モノ ※2024再公開・改稿中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる