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第4話 あやかしだって喧嘩したい!
18 答え
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世の中には、言わない方がよいことというのも存在する。果たして、八太さんの引っ越しは言わなくてもよいことなのだろうか。
昨日、八太さんの話を聞いてから僕はずっと考えていた。おかげで本日の講義は全くと言っていいほど頭に入ってこなかった。八太さんの望み通りにするのが、本当に正解なのだろうか。他にいい方法はないのだろうか。
「どうしましたか、優斗さん。難しい顔をして」
事務所に来るなりデスクで思考にふける僕に、宮下さんがアイスコーヒーを差し出してくれた。ありがたく受け取って、僕は目下の悩みを彼に相談してみることにした。なんだかんだ言って、宮下さんはここあやかし相談事務所の所長だ。もしかしたらいいアドバイスを貰えるかもしれない。
僕の話を黙って聞いていた宮下さんは、グラスを傾けつつ目尻を下げた。
「悩むのはいいことですよ。優斗さんがそこまであやかしに親身になってくれると、私としてもありがたいですしねぇ」
「はぁ」
懐からハンカチを取り出して、流れてもいない涙を拭う宮下さん。これ、僕馬鹿にされているのか?
「まぁ、冗談はさておいて。優斗さんのやりたいようにやれば大丈夫です」
「そんな無責任な」
「いえいえ。優斗さんは我が事務所の立派な所員ですよ? 八太くんとマリさんのことは私よりも優斗さんの方が詳しいでしょ。それに、悩んでいる時点でもう答えは出たも同然です。自分の考えに自信を持ってください」
いつも通りの胡散臭い笑みをたたえていたが、妙に説得力があった。
悩んでいる時点で答えは出ている、か。確かにその通りかもしれない。
「僕、ちょっと外に行って来てもいいですか」
「もちろん。くれぐれも熱中症にはお気をつけて」
「行ってきます!」
いてもたってもいられなかった。
勢いよく飛び出す僕を、宮下さんがにこやかに見送ってくれた。
昨日、八太さんの話を聞いてから僕はずっと考えていた。おかげで本日の講義は全くと言っていいほど頭に入ってこなかった。八太さんの望み通りにするのが、本当に正解なのだろうか。他にいい方法はないのだろうか。
「どうしましたか、優斗さん。難しい顔をして」
事務所に来るなりデスクで思考にふける僕に、宮下さんがアイスコーヒーを差し出してくれた。ありがたく受け取って、僕は目下の悩みを彼に相談してみることにした。なんだかんだ言って、宮下さんはここあやかし相談事務所の所長だ。もしかしたらいいアドバイスを貰えるかもしれない。
僕の話を黙って聞いていた宮下さんは、グラスを傾けつつ目尻を下げた。
「悩むのはいいことですよ。優斗さんがそこまであやかしに親身になってくれると、私としてもありがたいですしねぇ」
「はぁ」
懐からハンカチを取り出して、流れてもいない涙を拭う宮下さん。これ、僕馬鹿にされているのか?
「まぁ、冗談はさておいて。優斗さんのやりたいようにやれば大丈夫です」
「そんな無責任な」
「いえいえ。優斗さんは我が事務所の立派な所員ですよ? 八太くんとマリさんのことは私よりも優斗さんの方が詳しいでしょ。それに、悩んでいる時点でもう答えは出たも同然です。自分の考えに自信を持ってください」
いつも通りの胡散臭い笑みをたたえていたが、妙に説得力があった。
悩んでいる時点で答えは出ている、か。確かにその通りかもしれない。
「僕、ちょっと外に行って来てもいいですか」
「もちろん。くれぐれも熱中症にはお気をつけて」
「行ってきます!」
いてもたってもいられなかった。
勢いよく飛び出す僕を、宮下さんがにこやかに見送ってくれた。
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