24 / 36
第4章 「真実の幕開け」
「内原の本性。」
しおりを挟む
「それで内原さん。原稿はいつ仕上がりそうですか??」
日下部は、柊が持ってきた紅茶と蜂蜜ケーキをごちそうになりながら、原稿の多量に乗っかっている机とにらめっこをしている内原に、遠慮がちに声を掛けたのだった。
「う~ん、彼は智暁(ともあき)のことを愛していた...。いいや、ここは情熱的に二人きりの空間を作り出して、諒(りょう)がロールキャベツ男子という裏設定から、智暁のことを無理矢理...そして、大人の階段を登らせる...とか???...ちょっとまった~!!!!やっぱりここは、清純派の恋愛をテーマに...。」
「...あの~、すみません。気持ちよさそうに妄想しているときに...申し訳ないのですが...その~、マエモトに出していただける原稿は...。」
日下部の声に、はっと我に返った内原は、焦った様子で原稿の紙束をがさがさと漁りだした。
そうして50枚ほどある紙の束を日下部に渡すと、再び空想の世界へと入り込んでしまった。
「....あの~、原稿はこれで合ってますよね???...すみませんが、原稿チェックをさせていただきます。」
「...う~ん、智暁と諒の恋を邪魔する新たなライバル登場っていうのも...悪くない。...名前は...そう...創一(そういち)。おおお!!!!これは、いい案かも知れない。早速書き書きスタートだ!!!」
今私が持っている....この原稿は、感動ものって感じがするのよね...。
てっきり私の好きなBLかと思ったけど...って、もしかして...本当にそうなんじゃ。
...でも、40いってるだろうおじさんがBLを書き書きする???
あ~、どうしよう。
今渡されている原稿の内容なんかじゃなくて、あの内原さんが熱心に空想しているあの物語がのぞき見たい。
今なら、変態の気持ちもわかる気がするわ。
でも、なんて言えば???
...ただの編集者の分際で、こんなことお願いできる訳もないし....。
あ~、もう!!
どうしたらいいのよ!!!!
日下部はこんな事を考えながら、目の前で楽しそうに空想をしている内原の声が耳に入ってくるせいで、本当はチェックをしなければならない原稿の内容が全く頭に入らず、この状況にひとりで悪戦苦闘している日下部なのであった。
「よしっ...この話の構成から次に進んでいくとして...。そうだな...智暁は、諒と一緒に大学で行動を共にしているとする。そんな状況に面白みを感じない創一は、智暁にちょっかいをかけだす。...そんな創一に諒が怒りをふつふつとさせる。...おおお、筆が進むぞ~!!!!こんなに調子のいいときは無い!!!!」
「...うっ...うううっ...駄目だ!!!!もう限界よ!!!...内原さん、今書き書きされている物語は、もしかしてもしかしなくても...BL小説ではないですか!???」
「あとは、智暁と諒の愛のシーンで...って、えっ!!!!!なんで!!!!あなた今なんて!!!!俺がBLを書いていると言ったのか????」
「.....っ...。(しっ...しまった...!!!!やってしまった、この馬鹿な私!!!!いくら名前が男の子の名前だとしても、それがBLであるとは限らないじゃないのよ!!!!あー、どうしよう!!!こんなこと、謝っても許してもらえるはず無い...。)」
日下部が、内原の原稿を読んでいる目の前では、それはそれは楽しそうな顔をして、ずっと筆を走らせている内原が、終始物語に出てくるであろう登場人物の名前を、これでもかというほどに連呼していた。
その為、流石の日下部も自分の中に秘めているBL魂に火が付いてしまい、勢いよく目の前の内原に質問を投げかけたのだった。
そんな日下部の行動に肩を一瞬ふるわせると、内原はそれまでの笑顔を封印し、ばっと顔をあげて日下部に冷たい視線を投げかけたのだった。
日下部は、内原を怒らせてしまったと悟り、とっさにいいわけを考えてこう言った。
「いっ、いや~、最近はやりのBLって小説家さんも書かれたりするのかな~。なんて思いまして...!!!!(我ながら、なんという最悪のいいわけだ...。こんなことなら、会社が主催している礼儀作法の講習会にでも出れば良かったわ...。)」
日下部は、目の前で血相を変えている内原に対して、苦し紛れのいいわけをしてしまい、何度も後悔にさいなまれていた。
「......お前....よく分かったな。そうだよ、俺が書いているのはファンタジーものと感動もの...それに加えて、BLものだ。今まで担当してきた編集者さん達は、みんな俺の原稿をもらうとさっさと帰って行っていた。だがアンタは、俺のこの小さなつぶやきから、俺の書いているジャンルを当ててしまった。....あんた...本当にタダの編集者か???」
内原は、クビをきられるとびくびくしていた日下部に対して、次の瞬間、興奮ぎみに日下部の考察力への疑問を投げかけたのだった。
日下部は呆気にとられながら、もう隠しきれないと判断し、目の前で真剣なまなざしを送ってくる内原に、自分の裏の顔について語り出したのだった。
全てを聞き終えた内原は、驚いた顔が隠せずにただじっと日下部を見つめていた。
「あの...それで、私のこの本性を知って、どうなさるおつもりですか??」
「...いや...どうもこうも......。あの...実は、俺...あなたの漫画のお陰でこの仕事が出来ているんです...。」
「...えっ...えっ!???」
日下部が驚くのも無理はない...。
さっき日下部の事を鋭い目付きで睨みつけていた内原の姿は、どこにもなく代わりに残ったのは、一種のあこがれにも似た強い視線を送る全く別の内原の姿だったのだ...。
動揺している日下部には、まるで気付かずに内原は、先々話を進めていった。
「いや~、先生!!こんなところでお会い出来るなんて...夢にも思いませんでした!!まさか、俺がお世話になってる編集社のいち編集者だったとは...それで最近は描かないんですか???」
「いや...えっと......最近色々ありまして...(主に魔族との冒険)...でも、そろそろ描けそうなので、描くつもりです...。」
「へぇ、そうなんですね。編集者としてお忙しいのによくやりますよね!!...それで、誠に申し上げにくいのですが...俺の...この作品、読んでいただくことできませんか???」
「...はっ、はい。読むのは全然...(というよりも、5分前の私の心情はどこに行ったの!?...あんなに興味が湧いていたはずの内原さんの作品が、こんなに簡単に読めてしまっていいの!??)。」
日下部は、こんなことを考えながら目の前で40代にはとても見えないほど、モジモジと恥ずかしそうにする内原の原稿を恐る恐る手を取ったのだった。
「この作品......とても面白いです!!!智暁と諒のぜつみょーな感じが...なんとも言えない萌えポイントです!!!!」
「おおおー!!!先生がこんなに褒めてくださるなんて明日は雨が降るかもしれん...!!!」
「いいえ、そんな大袈裟な...。」
「大袈裟じゃなくて、大真面目ですよ!!!......あの...つかぬ事を聞きますけど...その...これからも、私の専属編集者になって頂けますか??...もちろん、マエモト編集に出す作品期限は、きっちり守ります。その代わり...私のBL作品の編集者になっていただくことは出来ませんか????」
困った顔の日下部をよそに内原は、自分の言いたいことを早口で口にすると、そのまま内原の中での仕事が終わりを告げたのか、自室のドアを開けるとリビングへと向かっていったのだった。
内原が部屋を出て行った後、ひとり部屋にとり残されていた日下部は、内原の話を全て理解するとこう叫ぶのだった。
「.....いやいやいやいや、ちょっと待とうや....うんうん、一旦落ち着こ....って、落ち着けるわけ無いやン!!!!!!!はぁ!!!!いや、これからどうなるねん!!!!!!内原さん!????ちょっと、私まだ引き受けるなんて一言もいってないですし....!!!!!ちょっ...内原さーん!!!!!」
日下部は、柊が持ってきた紅茶と蜂蜜ケーキをごちそうになりながら、原稿の多量に乗っかっている机とにらめっこをしている内原に、遠慮がちに声を掛けたのだった。
「う~ん、彼は智暁(ともあき)のことを愛していた...。いいや、ここは情熱的に二人きりの空間を作り出して、諒(りょう)がロールキャベツ男子という裏設定から、智暁のことを無理矢理...そして、大人の階段を登らせる...とか???...ちょっとまった~!!!!やっぱりここは、清純派の恋愛をテーマに...。」
「...あの~、すみません。気持ちよさそうに妄想しているときに...申し訳ないのですが...その~、マエモトに出していただける原稿は...。」
日下部の声に、はっと我に返った内原は、焦った様子で原稿の紙束をがさがさと漁りだした。
そうして50枚ほどある紙の束を日下部に渡すと、再び空想の世界へと入り込んでしまった。
「....あの~、原稿はこれで合ってますよね???...すみませんが、原稿チェックをさせていただきます。」
「...う~ん、智暁と諒の恋を邪魔する新たなライバル登場っていうのも...悪くない。...名前は...そう...創一(そういち)。おおお!!!!これは、いい案かも知れない。早速書き書きスタートだ!!!」
今私が持っている....この原稿は、感動ものって感じがするのよね...。
てっきり私の好きなBLかと思ったけど...って、もしかして...本当にそうなんじゃ。
...でも、40いってるだろうおじさんがBLを書き書きする???
あ~、どうしよう。
今渡されている原稿の内容なんかじゃなくて、あの内原さんが熱心に空想しているあの物語がのぞき見たい。
今なら、変態の気持ちもわかる気がするわ。
でも、なんて言えば???
...ただの編集者の分際で、こんなことお願いできる訳もないし....。
あ~、もう!!
どうしたらいいのよ!!!!
日下部はこんな事を考えながら、目の前で楽しそうに空想をしている内原の声が耳に入ってくるせいで、本当はチェックをしなければならない原稿の内容が全く頭に入らず、この状況にひとりで悪戦苦闘している日下部なのであった。
「よしっ...この話の構成から次に進んでいくとして...。そうだな...智暁は、諒と一緒に大学で行動を共にしているとする。そんな状況に面白みを感じない創一は、智暁にちょっかいをかけだす。...そんな創一に諒が怒りをふつふつとさせる。...おおお、筆が進むぞ~!!!!こんなに調子のいいときは無い!!!!」
「...うっ...うううっ...駄目だ!!!!もう限界よ!!!...内原さん、今書き書きされている物語は、もしかしてもしかしなくても...BL小説ではないですか!???」
「あとは、智暁と諒の愛のシーンで...って、えっ!!!!!なんで!!!!あなた今なんて!!!!俺がBLを書いていると言ったのか????」
「.....っ...。(しっ...しまった...!!!!やってしまった、この馬鹿な私!!!!いくら名前が男の子の名前だとしても、それがBLであるとは限らないじゃないのよ!!!!あー、どうしよう!!!こんなこと、謝っても許してもらえるはず無い...。)」
日下部が、内原の原稿を読んでいる目の前では、それはそれは楽しそうな顔をして、ずっと筆を走らせている内原が、終始物語に出てくるであろう登場人物の名前を、これでもかというほどに連呼していた。
その為、流石の日下部も自分の中に秘めているBL魂に火が付いてしまい、勢いよく目の前の内原に質問を投げかけたのだった。
そんな日下部の行動に肩を一瞬ふるわせると、内原はそれまでの笑顔を封印し、ばっと顔をあげて日下部に冷たい視線を投げかけたのだった。
日下部は、内原を怒らせてしまったと悟り、とっさにいいわけを考えてこう言った。
「いっ、いや~、最近はやりのBLって小説家さんも書かれたりするのかな~。なんて思いまして...!!!!(我ながら、なんという最悪のいいわけだ...。こんなことなら、会社が主催している礼儀作法の講習会にでも出れば良かったわ...。)」
日下部は、目の前で血相を変えている内原に対して、苦し紛れのいいわけをしてしまい、何度も後悔にさいなまれていた。
「......お前....よく分かったな。そうだよ、俺が書いているのはファンタジーものと感動もの...それに加えて、BLものだ。今まで担当してきた編集者さん達は、みんな俺の原稿をもらうとさっさと帰って行っていた。だがアンタは、俺のこの小さなつぶやきから、俺の書いているジャンルを当ててしまった。....あんた...本当にタダの編集者か???」
内原は、クビをきられるとびくびくしていた日下部に対して、次の瞬間、興奮ぎみに日下部の考察力への疑問を投げかけたのだった。
日下部は呆気にとられながら、もう隠しきれないと判断し、目の前で真剣なまなざしを送ってくる内原に、自分の裏の顔について語り出したのだった。
全てを聞き終えた内原は、驚いた顔が隠せずにただじっと日下部を見つめていた。
「あの...それで、私のこの本性を知って、どうなさるおつもりですか??」
「...いや...どうもこうも......。あの...実は、俺...あなたの漫画のお陰でこの仕事が出来ているんです...。」
「...えっ...えっ!???」
日下部が驚くのも無理はない...。
さっき日下部の事を鋭い目付きで睨みつけていた内原の姿は、どこにもなく代わりに残ったのは、一種のあこがれにも似た強い視線を送る全く別の内原の姿だったのだ...。
動揺している日下部には、まるで気付かずに内原は、先々話を進めていった。
「いや~、先生!!こんなところでお会い出来るなんて...夢にも思いませんでした!!まさか、俺がお世話になってる編集社のいち編集者だったとは...それで最近は描かないんですか???」
「いや...えっと......最近色々ありまして...(主に魔族との冒険)...でも、そろそろ描けそうなので、描くつもりです...。」
「へぇ、そうなんですね。編集者としてお忙しいのによくやりますよね!!...それで、誠に申し上げにくいのですが...俺の...この作品、読んでいただくことできませんか???」
「...はっ、はい。読むのは全然...(というよりも、5分前の私の心情はどこに行ったの!?...あんなに興味が湧いていたはずの内原さんの作品が、こんなに簡単に読めてしまっていいの!??)。」
日下部は、こんなことを考えながら目の前で40代にはとても見えないほど、モジモジと恥ずかしそうにする内原の原稿を恐る恐る手を取ったのだった。
「この作品......とても面白いです!!!智暁と諒のぜつみょーな感じが...なんとも言えない萌えポイントです!!!!」
「おおおー!!!先生がこんなに褒めてくださるなんて明日は雨が降るかもしれん...!!!」
「いいえ、そんな大袈裟な...。」
「大袈裟じゃなくて、大真面目ですよ!!!......あの...つかぬ事を聞きますけど...その...これからも、私の専属編集者になって頂けますか??...もちろん、マエモト編集に出す作品期限は、きっちり守ります。その代わり...私のBL作品の編集者になっていただくことは出来ませんか????」
困った顔の日下部をよそに内原は、自分の言いたいことを早口で口にすると、そのまま内原の中での仕事が終わりを告げたのか、自室のドアを開けるとリビングへと向かっていったのだった。
内原が部屋を出て行った後、ひとり部屋にとり残されていた日下部は、内原の話を全て理解するとこう叫ぶのだった。
「.....いやいやいやいや、ちょっと待とうや....うんうん、一旦落ち着こ....って、落ち着けるわけ無いやン!!!!!!!はぁ!!!!いや、これからどうなるねん!!!!!!内原さん!????ちょっと、私まだ引き受けるなんて一言もいってないですし....!!!!!ちょっ...内原さーん!!!!!」
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
完結 そんなにその方が大切ならば身を引きます、さようなら。
音爽(ネソウ)
恋愛
相思相愛で結ばれたクリステルとジョルジュ。
だが、新婚初夜は泥酔してお預けに、その後も余所余所しい態度で一向に寝室に現れない。不審に思った彼女は眠れない日々を送る。
そして、ある晩に玄関ドアが開く音に気が付いた。使われていない離れに彼は通っていたのだ。
そこには匿われていた美少年が棲んでいて……
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断
Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。
23歳の公爵家当主ジークヴァルト。
年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。
ただの女友達だと彼は言う。
だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。
彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。
また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。
エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。
覆す事は出来ない。
溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。
そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。
二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。
これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。
エルネスティーネは限界だった。
一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。
初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。
だから愛する男の前で死を選ぶ。
永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。
矛盾した想いを抱え彼女は今――――。
長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。
センシティブな所へ触れるかもしれません。
これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。
虐げられた令嬢、ペネロペの場合
キムラましゅろう
ファンタジー
ペネロペは世に言う虐げられた令嬢だ。
幼い頃に母を亡くし、突然やってきた継母とその後生まれた異母妹にこき使われる毎日。
父は無関心。洋服は使用人と同じくお仕着せしか持っていない。
まぁ元々婚約者はいないから異母妹に横取りされる事はないけれど。
可哀想なペネロペ。でもきっといつか、彼女にもここから救い出してくれる運命の王子様が……なんて現れるわけないし、現れなくてもいいとペネロペは思っていた。何故なら彼女はちっとも困っていなかったから。
1話完結のショートショートです。
虐げられた令嬢達も裏でちゃっかり仕返しをしていて欲しい……
という願望から生まれたお話です。
ゆるゆる設定なのでゆるゆるとお読みいただければ幸いです。
R15は念のため。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
【完結】後妻に入ったら、夫のむすめが……でした
仲村 嘉高
恋愛
「むすめの世話をして欲しい」
夫からの求婚の言葉は、愛の言葉では無かったけれど、幼い娘を大切にする誠実な人だと思い、受け入れる事にした。
結婚前の顔合わせを「疲れて出かけたくないと言われた」や「今日はベッドから起きられないようだ」と、何度も反故にされた。
それでも、本当に申し訳なさそうに謝るので、「体が弱いならしょうがないわよ」と許してしまった。
結婚式は、お互いの親戚のみ。
なぜならお互い再婚だから。
そして、結婚式が終わり、新居へ……?
一緒に馬車に乗ったその方は誰ですか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる