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第2章 「あれ??...ターゲットって一人のはずだけど...?」

「約束通り...世界を救ってください。」

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 「はぁ...。BでLな世界...最高だったわ...。お陰で...大学ノート一冊分余裕で書き描きできちゃったわ!!...あら??なんだかフラフラするわ...。」

 「いや......日下部さん!???...とにかく、ルーとルグさんは、一旦お休みを...。......ちょっと、日下部さん!!!鼻血...鼻血を止めてください!!!!」

 「ははは...これが人間界で言われる萌え~と言うやつなのかは、よく分からないが......そういうシーン見て、鼻血出す人ってほんとにいるんだな...。」

 「って、ルムさんもそんなこと言ってないで、日下部さんの鼻血を止めるの手伝ってくださいよ!!!!(汗)」

 「え~...ヤダ。嫌にきまってるじゃん......俺は、そういうの向いてないから。はぁ...どこかに素敵な色はないかな~??」

 「あっ...ちょっと、ルムさん!????...もう!!!!」

 日下部は、鼻から大量の鼻血を流し......意識を朦朧(もうろう)とさせていた。

 そんな日下部の様子に、慌てて日下部を支えたのは、バイト終わりに現場に直行したボンだった。

 ボンは、日下部を支えながらぐったりとしているルーとルグには、休むように言い、近くでニヤニヤしているルムには、手伝うように促したのだった。

 だが、面倒事が嫌いなルムのこと......当然ルムは、ぷいっと顔を背け、日下部宅のベランダに出て行ったのだった...。

 その様子に、

 『全く...これだから魔界の住人は!!!』

 と言って、ボンは、心の中で盛大にため息をついていたのは言うまでもない。

 そうして...何とか日下部の鼻血が止まった時、完全復帰とまではいかないが、体力ゲージが50パーセント回復したルグは、改めて日下部にこうお願いをした。

 「日下部さん...。俺たちは、約束通り...仕事をしました。...なので、日下部さん。俺たちの国を救ってくれませんか??」

 ルグの問いかけに日下部は、ニッコリと満面の笑みでルグを見つめると

 「ふふふっ、あんなにいいグラフィックを描かせてもらったんだもの。賛成しなくてどうするって話よ!!」

 と言い、左手の親指をぐっと上に立てて、グッドサインをして見せた。

 日下部の様子に、それまで体力が50パーセント回復だったルグは、一気に体力ゲージを95パーセントにまで上昇させ、喜びマックスで日下部にこう礼を言った。

 「...うわぁ!!ありがとうございます!!!日下部さんも、やはりまともな人間だったんですね!!!」

 「はぁ!???まともな人間!???...お前誰に向かって口聞いてんだよ????」

 「あっ...いえ、そういう訳ではなくてですね......。その......ほら......。(汗)すみませんでした!!!!」

 「はぁ......まぁ、次のモデルの仕事も受けてくれるのなら、打(ぶ)たないでいてあげるわ???」

 「......はい。(くそっ!!俺のバカ野郎!!!自分から仕事増やすなんて......!!!)」

  ルグの失言を聞き逃さなかった日下部によりルグは、また近いうちに仕事を依頼されることとなったのだった。

 その事で、自身の発言に酷く絶望を覚えたルグなのであった。

 「それで...世界を救うって、具体的に何をすればいいわけ???」

 「それは.........とにかく、俺たちと一緒に俺たちの国に来てくだされば、状況は分かりますから。」

 「...??...分かったわ??約束は約束だしね。...ついて行きましょ??」

 日下部は、ルグの言葉に一瞬訝しげな表情をしたが、渋々了承するのだった。

  ......しかし彼らはまだ知らない。

 これからが......本当の試練なのだということを...。

 「さて、ルグくん???......魔界にはどうやって行くのかしら???」

 「それはもちろん...魔法です!!!」

 「...うん、やっぱり悪徳商法かなにかなのかも...。」

 「...悪徳...しょっ...???あまり良い言葉では無さそうなので、聞かなかったことにします。まぁ、日下部さん...ほら、そうと決まれば早く行きましょう??......ボン??頼んだぞ。」

 「分かりました、ルグさん。」

 ルグに声をかけられたボンは、すっと立ち上がると...その場にいた仲間と日下部を不思議な光の膜で包み込み、呪文を唱えると...次の瞬間、大きな光とともにあとかたもなく消えたのだった。
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