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第一章 「隣国王との出会い」
「王子との生活。」
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「リル王子!!お待ちください...!!!こんな...どこを出たのかもわからないような、小汚い女を妃にするなど、国王様と王女様が許すはずありません!!!どうか、今一度お考えを改めて...」
リルの目の前でこう言った使用人の男は、背後に俺が控えているにも関わらず、俺に対する悪口ともとれる言葉を並べだしたのだった。
まぁな、そりゃそうなるわな...。
王子が仮に、俺との婚約を本気にしていても、国の一喜一憂を争う事でもあるからして...俺が妃になる確率は......ほぼ100パーセントないと言っても過言じゃない。
天と地がひっくり返っても、俺と王子が結婚なんて......有り得ない!
なんて、心の中で断言したのもつかの間...目の前にいる王子は、俺の予想をはるかに上回る言葉を発したのだった。
「俺の父上も母上も、俺が決めた人なら、誰でもいいと言っていたんだ。俺が一生添い遂げる人だ。俺が誰を選ぼうと、お前らにそれを止める権利は無いと思うんだが...??」
「...そっ......そうは言いましても...。」
...そうだよ、王子!???
今一度、考えを改め直して!!
ねぇ??
そこの失礼なおじさんの、味方をするわけではないけれど...俺は、どこの出かも変わらない輩なわけですよ!!
俺は、二人の会話を何とかいい方向に持っていけるように、恐れ多いと思いながら、恐る恐る二人の会話に口を挟んだのだった。
「あの......私も、まだ婚約は早すぎるのではと思いますし......。」
俺の言葉に王子は、少し悩む素振りをみせ
「うーん、確かに......出会ってすぐに結婚...というのもあれか...。そうだな、ではこうしよう。1ヶ月間、俺と同じ部屋で生活を共にし、それから考えるとしよう。これなら文句ないだろう??」
「...っ!???」
...いいや、文句大ありだ!!!!
何...1ヶ月!??
アンタ、寄りにもよってなんて提案してんだよ!!!
その提案って要するに俺は、故郷の母さんの元に1ヶ月間、帰れないってことじゃないかよ!!!
こいつ......あー、クソっ!!
無駄な助言するんじゃなかった...。
って、あんだけ悪口ほざいてた使用人も了承してるし......はぁ、分かったよ。
俺がその意見に、賛成すりゃいいんだろ??
内心悪態をついていた俺は、目の前で俺の顔色を伺っている二人に、にっこりと微笑むと
「そうですね、それが名案かもしれませんね。では、王子。...これからよろしくお願い致しますね。」
とどこかとげのある言い方で、目の前の王子に告げたのだった。
「入れ、ここが今日からお前が生活する部屋だ。」
「....あっ、はい。失礼します。....思った通り、大きくて立派なお部屋ですね。」
「...あそこが風呂...それで、そこが洗面所。で...そこの突き当たりが.........。」
はぁ、こうなってしまったからには仕方がない。
なんとか、俺が男だってばれないように細心の注意を払いながら、1ヶ月間を無事に過ごし、ナシェルおばさんに面倒任せちゃった母さんの元に帰らないとな...。
俺はこんなことを考えつつ、目の前で面倒くさそうに部屋の説明をしている王子に笑顔を向けて、心にも無いことを並べたのだった。
だが、そんな俺の様子に気がついたのだろう。
王子が俺の方を見つめ、わざとらしく眉間に皺を寄せると、俺の顎をぐいっと乱暴にひっつかみ、そのまま上を向かせ
「....お前...俺の話をちゃんと聞いているのか???...少なくとも、俺は他の人よりも、他人の動向をよく見ている。お前が、さっきから俺に投げかけている言葉や視線には、感情のかの字も感じられない。忘れたとは言わせないからな???お前は、俺たちエルミナ国の宝を盗もうとしたこそ泥で、俺がお前に条件を突きつけているのだということを...。分かったら、1ヶ月間は俺の妃候補だ。完璧な振る舞いを目指せ。......返事は??」
「....はい、分かりました。その代わり、私からも条件があります。」
俺が反抗の色を含んだ瞳で、王子を見つめると王子は、首を軽くかしげて一言
「なんだ???」
と言ってきたので、俺は、これが発言を許された合図だと取り、王子にこう言ったのだ。
「1ヶ月間、約束通り私はあなたと一緒にいます。勿論、先ほどおっしゃられたことも、最善を尽くします。....ですが、私はあなたと結婚するつもりなんて、微塵もありません。ですから、私の体には必要な時以外は、決して触れないようにしていただきたいんです。」
俺の提案に、王子は度義母を抜かれていたようだ。
まぁ、そりゃ、そうだろうな....。
だって、普通の女性なら1ヶ月間王子と一緒の部屋で過ごせる。
しかも、婚約者候補として...。
当然、お金持ちでイケメンな王子の嫁として、玉の輿を狙う世の女性は、少しでもお近づきになろうと努力するだろう。
でも、俺は違う。
何度も言うが、男だ。
当たり前だが...こいつには女として認識されているわけで、必要以上にボディタッチをされると、筋肉の付き方とかで男だってばれる確率が、格段にアップしてしまう。
現に、ナノさんには男だってバレたし...。(汗)
単純に、それを避けたかったからなんだが...。
俺の思考の意図が良く分からなかったからか、王子は少し間を置いた後
「...何故だ???俺がお前に触れることで、お前に何か不利益なことでも起こるというのか???」
あ~、やっぱりそう捉えますよね。
うーん...ここは、何も考えずにさらりと受け流していただきたかった。
くそっ、この王子め...。
意外と鋭いのかもしれないな。
こう考えた俺は、王子の目をじっと見つめると、一瞬だけ下を向いて、再度王子に顔を向け
「あの...失礼ながら私は、心に決めた人が居りますので...。その、あなたの妃にはなりたくありません...。これでは、理由になっていませんか???」
と言って、渾身の嘘をついたのだ。
そんな俺の内情を知ってか知らないでか、王子は
「ふ~ん、そうなんだな。」
とだけ言うと、無関心なのか俺に背を向けて、足早に部屋を出て行こうとした。
だが、出て行く直前...何か忘れ物をしたのか、くるりと俺の方を向き、何か企んでいるような瞳で俺を見つめると
「俺さぁ、いいこと思いついちゃった。お前....俺との賭けをしないか???お前が勝ったら、お前に一生遊んで暮らせるだけの金をやるよ。....でも、もしお前が負けたら、俺の妃兼奴隷として、一生俺の元にいてもらう。...どうだ???悪い話では無いだろう???(笑)」
はぁ???
アンタ、ホントに何言ってんだよ!!!!
俺は、確かにお金は欲しいが、俺が負けたときの代償は、俺が永久に母さんとは会えないって事だろうが!!!!!
そんなの、耐えられるかよ!!!
俺はこう思い、断りの意を唱えようとしたが
「...おっと、この勝負を降りるって言ったら、お前のことを今から問答無用で犯してやるから。」
と王子が先手を打ち言ってきたので、俺は出かかっていた言葉を、無理矢理腹の中に戻すと、ため息も早々に
「はぁ、分かりました。その勝負....お受け致しましょう???それで、何で勝敗を決めるのかしら???」
と聞くと、王子はにたぁっと笑って、
「お前が、1ヶ月間で俺に身を売るようになるかどうかだ。...お前に拒否権はない。」
と言って、使用人に呼ばれているらしく、王子は急いで部屋から出て行ったのだった。
一人取り残された俺は、呆然と立ち尽くしていたが、王子との賭けの内容を理解した瞬間、顔から笑みがこぼれた。
だって、俺男だし???
あいつに身を売るなんて...あり得ないだろ???
この勝負、始めから俺の勝ち確定だな。(笑)
っというように、完全にこの勝負を舐めていたからだ。
だが、俺はまだ知らなかった。
これから俺の身に起こる出来事で、次第に俺の決意が揺らいでいくことを...。
リルの目の前でこう言った使用人の男は、背後に俺が控えているにも関わらず、俺に対する悪口ともとれる言葉を並べだしたのだった。
まぁな、そりゃそうなるわな...。
王子が仮に、俺との婚約を本気にしていても、国の一喜一憂を争う事でもあるからして...俺が妃になる確率は......ほぼ100パーセントないと言っても過言じゃない。
天と地がひっくり返っても、俺と王子が結婚なんて......有り得ない!
なんて、心の中で断言したのもつかの間...目の前にいる王子は、俺の予想をはるかに上回る言葉を発したのだった。
「俺の父上も母上も、俺が決めた人なら、誰でもいいと言っていたんだ。俺が一生添い遂げる人だ。俺が誰を選ぼうと、お前らにそれを止める権利は無いと思うんだが...??」
「...そっ......そうは言いましても...。」
...そうだよ、王子!???
今一度、考えを改め直して!!
ねぇ??
そこの失礼なおじさんの、味方をするわけではないけれど...俺は、どこの出かも変わらない輩なわけですよ!!
俺は、二人の会話を何とかいい方向に持っていけるように、恐れ多いと思いながら、恐る恐る二人の会話に口を挟んだのだった。
「あの......私も、まだ婚約は早すぎるのではと思いますし......。」
俺の言葉に王子は、少し悩む素振りをみせ
「うーん、確かに......出会ってすぐに結婚...というのもあれか...。そうだな、ではこうしよう。1ヶ月間、俺と同じ部屋で生活を共にし、それから考えるとしよう。これなら文句ないだろう??」
「...っ!???」
...いいや、文句大ありだ!!!!
何...1ヶ月!??
アンタ、寄りにもよってなんて提案してんだよ!!!
その提案って要するに俺は、故郷の母さんの元に1ヶ月間、帰れないってことじゃないかよ!!!
こいつ......あー、クソっ!!
無駄な助言するんじゃなかった...。
って、あんだけ悪口ほざいてた使用人も了承してるし......はぁ、分かったよ。
俺がその意見に、賛成すりゃいいんだろ??
内心悪態をついていた俺は、目の前で俺の顔色を伺っている二人に、にっこりと微笑むと
「そうですね、それが名案かもしれませんね。では、王子。...これからよろしくお願い致しますね。」
とどこかとげのある言い方で、目の前の王子に告げたのだった。
「入れ、ここが今日からお前が生活する部屋だ。」
「....あっ、はい。失礼します。....思った通り、大きくて立派なお部屋ですね。」
「...あそこが風呂...それで、そこが洗面所。で...そこの突き当たりが.........。」
はぁ、こうなってしまったからには仕方がない。
なんとか、俺が男だってばれないように細心の注意を払いながら、1ヶ月間を無事に過ごし、ナシェルおばさんに面倒任せちゃった母さんの元に帰らないとな...。
俺はこんなことを考えつつ、目の前で面倒くさそうに部屋の説明をしている王子に笑顔を向けて、心にも無いことを並べたのだった。
だが、そんな俺の様子に気がついたのだろう。
王子が俺の方を見つめ、わざとらしく眉間に皺を寄せると、俺の顎をぐいっと乱暴にひっつかみ、そのまま上を向かせ
「....お前...俺の話をちゃんと聞いているのか???...少なくとも、俺は他の人よりも、他人の動向をよく見ている。お前が、さっきから俺に投げかけている言葉や視線には、感情のかの字も感じられない。忘れたとは言わせないからな???お前は、俺たちエルミナ国の宝を盗もうとしたこそ泥で、俺がお前に条件を突きつけているのだということを...。分かったら、1ヶ月間は俺の妃候補だ。完璧な振る舞いを目指せ。......返事は??」
「....はい、分かりました。その代わり、私からも条件があります。」
俺が反抗の色を含んだ瞳で、王子を見つめると王子は、首を軽くかしげて一言
「なんだ???」
と言ってきたので、俺は、これが発言を許された合図だと取り、王子にこう言ったのだ。
「1ヶ月間、約束通り私はあなたと一緒にいます。勿論、先ほどおっしゃられたことも、最善を尽くします。....ですが、私はあなたと結婚するつもりなんて、微塵もありません。ですから、私の体には必要な時以外は、決して触れないようにしていただきたいんです。」
俺の提案に、王子は度義母を抜かれていたようだ。
まぁ、そりゃ、そうだろうな....。
だって、普通の女性なら1ヶ月間王子と一緒の部屋で過ごせる。
しかも、婚約者候補として...。
当然、お金持ちでイケメンな王子の嫁として、玉の輿を狙う世の女性は、少しでもお近づきになろうと努力するだろう。
でも、俺は違う。
何度も言うが、男だ。
当たり前だが...こいつには女として認識されているわけで、必要以上にボディタッチをされると、筋肉の付き方とかで男だってばれる確率が、格段にアップしてしまう。
現に、ナノさんには男だってバレたし...。(汗)
単純に、それを避けたかったからなんだが...。
俺の思考の意図が良く分からなかったからか、王子は少し間を置いた後
「...何故だ???俺がお前に触れることで、お前に何か不利益なことでも起こるというのか???」
あ~、やっぱりそう捉えますよね。
うーん...ここは、何も考えずにさらりと受け流していただきたかった。
くそっ、この王子め...。
意外と鋭いのかもしれないな。
こう考えた俺は、王子の目をじっと見つめると、一瞬だけ下を向いて、再度王子に顔を向け
「あの...失礼ながら私は、心に決めた人が居りますので...。その、あなたの妃にはなりたくありません...。これでは、理由になっていませんか???」
と言って、渾身の嘘をついたのだ。
そんな俺の内情を知ってか知らないでか、王子は
「ふ~ん、そうなんだな。」
とだけ言うと、無関心なのか俺に背を向けて、足早に部屋を出て行こうとした。
だが、出て行く直前...何か忘れ物をしたのか、くるりと俺の方を向き、何か企んでいるような瞳で俺を見つめると
「俺さぁ、いいこと思いついちゃった。お前....俺との賭けをしないか???お前が勝ったら、お前に一生遊んで暮らせるだけの金をやるよ。....でも、もしお前が負けたら、俺の妃兼奴隷として、一生俺の元にいてもらう。...どうだ???悪い話では無いだろう???(笑)」
はぁ???
アンタ、ホントに何言ってんだよ!!!!
俺は、確かにお金は欲しいが、俺が負けたときの代償は、俺が永久に母さんとは会えないって事だろうが!!!!!
そんなの、耐えられるかよ!!!
俺はこう思い、断りの意を唱えようとしたが
「...おっと、この勝負を降りるって言ったら、お前のことを今から問答無用で犯してやるから。」
と王子が先手を打ち言ってきたので、俺は出かかっていた言葉を、無理矢理腹の中に戻すと、ため息も早々に
「はぁ、分かりました。その勝負....お受け致しましょう???それで、何で勝敗を決めるのかしら???」
と聞くと、王子はにたぁっと笑って、
「お前が、1ヶ月間で俺に身を売るようになるかどうかだ。...お前に拒否権はない。」
と言って、使用人に呼ばれているらしく、王子は急いで部屋から出て行ったのだった。
一人取り残された俺は、呆然と立ち尽くしていたが、王子との賭けの内容を理解した瞬間、顔から笑みがこぼれた。
だって、俺男だし???
あいつに身を売るなんて...あり得ないだろ???
この勝負、始めから俺の勝ち確定だな。(笑)
っというように、完全にこの勝負を舐めていたからだ。
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