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第1章 「出来損ないの私。」
私の姉...
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エピーヌは、ヴァニーユの部屋を飛び出し...急いで階段を上り、二階にある自室を目指していた。
するとさっき自分のことを、泥棒呼ばわりした...ヴァニーユが、実の姉である...ヌーヴを呼んでいる声が耳についた...。
「まったく...ヌーヴ...ヌーヴ!!今から、買い物に行くわよ!!支度をして、降りてきなさい...!!!」
...その声の後に、暫く沈黙があったが次の瞬間...
「はーい!!ヴァニーユ母様!!今、行きますわ!!」
と言ってコツコツとヒールの音が地面に響いた...。
エピーヌは、階段を上りながら
「...姉様...ヌーヴ姉様は...私とは、大違い...。」
と独り事を言っていた。
エピーヌが階段を上り終え、自分の部屋に向かうため通路を歩いていると、エピーヌが通り過ぎようとしたある部屋のドアが勢いよく開き、中から華やかなドレスに身を纏った...女の人が出てきた。
「...はっ!?...はぁ~、びっくりした...エピーヌか...。...あっ!そうだわ!!これから、ヴァニーユ母様とお買い物に行くのだけれど...エピーヌも当然来るでしょ??」
と言ってドアから出てきて、エピーヌを見た瞬間驚いた顔をしたエピーヌの姉、ヌーヴは、エピーヌに一緒に買い物に行こうと誘いを出した...。だが、エピーヌは
「...えっと...私は、これから少しやりたい事があって...それと、あまり外に出るのは、好きではないので...。」
と言ってヌーヴの誘いを断ると、ヌーヴは、一瞬残念そうな顔をしたがすぐに元の明るい笑顔に戻って
「...そっか...じゃあ、また今度一緒に行きましょうね!...お土産は...うーん、何か買ってくるわね!!」
と言って目の前のエピーヌの両手をギュッと自分の両手で包み込むとエピーヌへお土産は、何がいいか質問した。
質問を受けたエピーヌは、一瞬どうしようか迷う素振りをしたがヌーヴを見つめると
「...いえ...ヌーヴ姉様と一緒にお買い物に行ける時に、また買いますので、お気になさらなくても大丈夫ですよ...!お気遣いありがとうございます!」
と言って満面の笑みを、ヌーヴに向けた。
ヌーヴは、戸惑った表情をしていたが、やがて納得すると
「...そう??分かったわ!じゃあ、行ってくるわね!!」
と言って、エピーヌに手を振り足早に階段を降りていった...。
そんなヌーヴの後ろ姿に
「はい!...どうぞ、ゆっくり楽しんで来てくださいね...。」
と言ってエピーヌは、悲しそうな顔で、ヌーヴを見送った...。
その後、自室に戻ったエピーヌは、部屋に入るなり深い溜息をつき
「...はぁ...ほんとは...私も...お買い物に、行きたかったな...。」
と言ってあんまり部屋に日が差さない窓から屋敷の入口に停る馬車にヴァニーユとヌーヴが乗って走り去るのを、じっと見つめていた...。
するとさっき自分のことを、泥棒呼ばわりした...ヴァニーユが、実の姉である...ヌーヴを呼んでいる声が耳についた...。
「まったく...ヌーヴ...ヌーヴ!!今から、買い物に行くわよ!!支度をして、降りてきなさい...!!!」
...その声の後に、暫く沈黙があったが次の瞬間...
「はーい!!ヴァニーユ母様!!今、行きますわ!!」
と言ってコツコツとヒールの音が地面に響いた...。
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と独り事を言っていた。
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「...はっ!?...はぁ~、びっくりした...エピーヌか...。...あっ!そうだわ!!これから、ヴァニーユ母様とお買い物に行くのだけれど...エピーヌも当然来るでしょ??」
と言ってドアから出てきて、エピーヌを見た瞬間驚いた顔をしたエピーヌの姉、ヌーヴは、エピーヌに一緒に買い物に行こうと誘いを出した...。だが、エピーヌは
「...えっと...私は、これから少しやりたい事があって...それと、あまり外に出るのは、好きではないので...。」
と言ってヌーヴの誘いを断ると、ヌーヴは、一瞬残念そうな顔をしたがすぐに元の明るい笑顔に戻って
「...そっか...じゃあ、また今度一緒に行きましょうね!...お土産は...うーん、何か買ってくるわね!!」
と言って目の前のエピーヌの両手をギュッと自分の両手で包み込むとエピーヌへお土産は、何がいいか質問した。
質問を受けたエピーヌは、一瞬どうしようか迷う素振りをしたがヌーヴを見つめると
「...いえ...ヌーヴ姉様と一緒にお買い物に行ける時に、また買いますので、お気になさらなくても大丈夫ですよ...!お気遣いありがとうございます!」
と言って満面の笑みを、ヌーヴに向けた。
ヌーヴは、戸惑った表情をしていたが、やがて納得すると
「...そう??分かったわ!じゃあ、行ってくるわね!!」
と言って、エピーヌに手を振り足早に階段を降りていった...。
そんなヌーヴの後ろ姿に
「はい!...どうぞ、ゆっくり楽しんで来てくださいね...。」
と言ってエピーヌは、悲しそうな顔で、ヌーヴを見送った...。
その後、自室に戻ったエピーヌは、部屋に入るなり深い溜息をつき
「...はぁ...ほんとは...私も...お買い物に、行きたかったな...。」
と言ってあんまり部屋に日が差さない窓から屋敷の入口に停る馬車にヴァニーユとヌーヴが乗って走り去るのを、じっと見つめていた...。
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