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第6章 「後日談と解説。」

「2人を繋ぐメロンパン。」

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 「恋さーん、待ってよ!!!俺を連れていきたいところってどこなんだよ???黙ってないで、いい加減...って、おい!!」

 自身を置いて先々行く恋に対して、大学の講義が終わったばかりのぶん太は、プンプンしながら、恋のことを追っかけていた。

 そんなぶん太に恋は、

 「...いいから。黙って、早くついて来いよ。」

 と言い、一瞬だけぶん太の方を振り返ったが、直ぐに前へと目線を戻すと、そのままスタスタと歩いていってしまった。

 また、そんな恋の意図が分からず、軽く首を傾げると、ぶん太はため息も早々に、恋の後を渋々追いかけるのだった。

 そうしてぶん太は大人しく恋の後をついていき、たどり着いた先は、あるひとつのパン屋さんだった。

 恋は、パン屋さんに着くとニコニコとほほ笑みを浮かべながら、チャリンっとお店のドアについているベルを鳴らし、中に入っていった。

 恋が店の中に入ると...恋のよく見知った優しい笑顔が、待ってましたと出迎えてくれた。

 「いらっしゃいま......あっ、恋ちゃん!!!!久しぶりだな~!!暫く顔を見ていなかったが、元気にしていたか???......そうそう、あの時はありがとうな。俺もまだ若いと思っていたけど......もう歳だな...。(笑)今度からは、頑張りすぎない程度にお店をやっていくべきだな...。(笑)」

 こう言った店のおじさんに恋は、くすりと微笑むと

 「...ホントに。将文おじさん、俺...おじさんがいなくなったら、どうしようってマジで焦ったんだからさ????まぁ、おじさんが無事でよかった。...これからは、定期的におじさんの様子を見にこないとね。」

 と言い、おじさんに意地悪そうな顔を向けた。

 そんな2人の様子に、遅れながら恐る恐るお店の中に入ったぶん太は、どうしたものかと困り果てていた。

 ぶん太のソワソワした様子に、将文おじさんはニヤリとした表情を恋に向けると

 「...それよりも恋ちゃん。もしかして、その子が今日俺に会わせたいって言っていた子???......ふ~ん、恋ちゃんがねぇ。えぇ、恋ちゃんもいい男になったってことだな...この、色男!!!(笑)」

 と言うと、途端に顔を真っ赤に染めた恋に、将文おじさんは勝ち誇ったような表情を向けていた。

 恋は、将文おじさんの様子に罰が悪そうな顔をして

 「...くそっ。将文おじさんも大人気ないな...。まぁ、いいよ。今日はどちらにせよ、将文おじさんに紹介したいと思って連れてきたし??...そうだよ、この子は風三谷ぶん太と言って、俺の現恋人だよ。どお???おじさん若さが羨ましくなった???(笑)」

 と言うと、真っ赤に染った顔を誤魔化すために、わざと将文おじさんに突っかかっていった。

 そんな恋の言葉にぶん太は、驚いた表情をして

 「えっ...恋さん!???今なんて!???俺の事......恋人って...恋人って言ってくれました!???」

 と声を荒らげて、恋に顔を近づけた。

 ぶん太の行動に恋は

 「っ...バカ!!!そんな近づくなよ!!!(赤くなった顔がバレるだろ!!)っ...勝手に勘違いするなよ!!!!!...あー、くそっ!!!!将文おじさん!メロンパン......俺とぶん太の分...メロンパンふたつ頂戴!!!!」

 と乱暴に告げると、ぴょんぴょん自分の周りにまとわりついてくるぶん太に、ギャーギャー言いながら、店内の少し奥にあるスタッフ席に腰を下ろしに向かった。

 そんな恋の後を追いかけながら、ぶん太は

 「恋さん!!!もう1回...もう1回言ってくださいよ!!!!携帯で恋さんの貴重な甘々ボイス録音して、何度でも再生しますから!!!!なんなら...俺の永久保存版に...!!!」

 と言い、恋に素直な愛を伝えるのだった。

 そんな二人の姿を見つめながら、将文おじさんは

 「はははっ、恋ちゃん。良かったな。彼は君の良さを心からわかってくれているだろうよ。長年大人やってる俺が言うんだ。間違いないよ...恋ちゃんは、本当にいい人に巡り会えたな。おじさんも......嬉しいよ。(笑)......はぁ、俺もまだまだ若い子に負けてられないな。よし、恋ちゃんが結婚して、子供を店に連れて来てくれるまでは、何としてもこの店を続けるぞ~!!!!」

 と、独り呟くと、ギャーギャー言っている2人に向かって

 「...恋ちゃんとぶんちゃん。待ってな。2人のお祝いに、とびきり美味しいメロンパンご馳走するからな!!!(笑)」

 と言うと、弾む足取りで厨房に向かっていった。

 そんな将文おじさんに恋とぶん太は声を揃えて

 「いや、ホントに違うから!!!!!」

 「えっ、ホントにいいんですか!!!?」

 「「......えっ。」」

 と言い、また2人でギャーギャーと言い争いを始めるのだった。

 そんな仲の良い2人の様子に、いつも以上に笑顔が眩しい将文おじさんなのであった。

 「さぁ、俺の自慢のメロンパンで、2人にはもっと幸せになってもらうぞ!!」
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