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第4章 「一度歪めば、なかなか元には戻らない。」
「俺の行き先に乱入者。」
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俺なんて...どうせ、もう生きててもどうしようもないんだ。
だって、恋さんに...俺に関わるな!!って、はっきり言われちゃったし...。
こう考えながら、ぶん太は、人気のない道をとぼとぼと歩いていた。
「はぁ...何処で最後を迎えようかな...。あっ、どうせなら、恋さんに迷惑がかからない場所にしないとな...。あそこまで拒絶されたんだ。最後まで迷惑は掛けられない。」
こう考えたぶん太は、ある橋のかかっている河原に歩みを進めていた。
薄暗くなった河原に着くと、ぶん太は、カタカタと小刻みに震え
「...やっぱり......犯された所で死ぬのは、あんまりいい気がしないな。っ、ここなら人気がないし...まぁ、でも一番は、恋さんには迷惑かけないだろうしってところだよな。って、最期まで恋さん恋さんって、俺まだ未練あんのかな...。はぁ...ホントやになっちゃうよ...。」
と独り言を呟くと、橋の内側から柵に足をかけ、柵の外に両足を投げ出すと、そっと手すりに腰を下ろした。
手すりに腰をかけたぶん太は、先程よりも一層酷く震えていた。
ぶん太が震えていたのも無理はない。
なぜなら、ぶん太が最期を迎えようとしている場所は、過去に同期の男の子から、気が狂った壮馬の時と同じように酷く犯されたことがあった場所だったのだから。
ぶん太は、震える体を落ち着かせるために、暫く夜の冷たい夜風にあたりながら、これまでのことを思い返していた。
「はぁ...結局......恋さんには、このイヌのキーホルダーを返すことが出来なかったな...。はははっ、このイヌのキーホルダーを返すために、毎日必死で受験勉強して......学校の先生には、痛い目見るだけだから、やめておけって散々言われて...。両親からも、受験勉強は外でやれって言われて、ネットカフェや図書館とかの限られた中で勉強して......味方が居なくて死にそうになりながらも、受かった時は、ほんとに嬉しかったな。でも、もうすぐ亡くなる命なら、こんなこと考えたって無駄だよな。(笑)はぁ...俺の人生ってなんだったんだろうな...今になってもわからねぇわ...。よし......震えも少しマシになったし、そろそろ行こうかな。」
ぶん太は、ふぅっとため息をつくと、手すりから腰を上げ、柵の外にある小さな足場に立ち、深呼吸を繰り返していた。
この世に別れを告げようと、足場から少しずつ足をずらし、あと少しで遠い地面に落下する所で、ぶん太の名前を呼ぶ大きな声が暗い世界に響き渡った。
「ぶん太!!!!...っ!!!」
「えっ.........恋...さん???なんで...。あっ...!!」
「...っ、バカ!!!!!危ない!!!!」
「...っ!!!」
ぶん太は、自分の名前を呼ぶ声にびっくりして、声のした方にサッと目をやると、そこには荒い呼吸を繰り返し、ぶん太の状況を見て、目を大きく見開いた恋が立っていた。
恋は、ぶん太の様子に慌てて、ぶん太の方に駆け寄った。
だが、ぶん太は恋の方を見た際に、自身のいる場所を忘れたまま、体を恋の方に向けたため、ちいさな足場から足を踏み外し、空中に身体が投げ出されたのだった。
その瞬間、恋が橋の上からぶん太の腕をパシッと掴み、ぶん太は恋の腕を命綱代わりに使って宙吊り状態となっていた。
ぶん太は、自分を助けている恋に信じられないといった様子で、恋の顔を見上げると
「...なんで......なんでここに??...だって、恋さんは、俺のことが嫌いで憎くて...俺にもう関わるなって言ったくせに!!!......居なくなろうとしたら、これだ。...お前は、俺に死んで欲しいのか、生きて欲しいのか...どっちなんだよ!!!!ハッキリしてくれよ!!!!」
とこう声を荒らげた。
そんなぶん太に、恋はぐっと唇を噛み締めると
「......そんなの...ちゃんと言ってくれなきゃ分からないだろ!!!!!...お前が、あの時の男の子だなんて知らなかった。俺があげたイヌのキーホルダー...俺との約束......守って、この大学に来てくれて...俺の所にイヌのキーホルダーを返すために、学年違うから探すのも大変なのに......それなのに、その中から俺を探して、わざわざ近づいてきてくれたんだろ????...そんなの、ちゃんと言ってくれないと分かるわけないだろ!??...こんなに...こんなに、逞(たくま)しく可愛くなって......あの時の気弱な男の子だなんて、気がつくわけがないじゃないか!!!!!...っ、とにかく死のうなんてするなよ!!!まだ、イヌのキーホルダーを返してもらってないのに、呑気に死のうなんて......そんなこと、俺が許さないからな!!!」
と言うと、ぶん太の身体を自身の腕1本の力で引き上げると、橋の内側に連れ戻した。
勢いよく地面に倒れ込んだぶん太の隣に、恋はしゃがみ込むと、今にも泣きだしそうな...辛い表情を浮かべているぶん太を優しく、だけど力強い手で抱きしめたのだった。
そんな恋の様子にぶん太は
「...ふざけるな!!!!...ほんと、なんなんだよお前!!!!意味わかんねぇよ!!!!!!...もう俺に追っかけられることも無く、平和な大学生活送れるようになったじゃないかよ!!!なのに、なんで離れたばかりの俺に構うんだよ!!!あんた......本物の馬鹿なんじゃないのか!!?」
と言うと、恋の背中をバシバシッと叩いたのだった。
そんなぶん太の様子に恋は、ただ何も言えずギュッとぶん太のことを抱きしめると、ぶん太の背中を優しくさするのだった。
そんな恋の様子に、ぶん太はどこか温かく心地の良い何かを感じ、暫く恋の温もりに浸っていたのだった。
また、そんなぶん太を恋は、今までのような冷たい目線ではなく、高校時代の尊(たける)に向けるような優しいフワッとした表情で、見つめるのだった。
ぶん太......ほんとにごめんな。
本当は、とってもいい子だったんだよな。
ただ、感情の表現が少し苦手で...それでいて、言葉足らずなところも沢山あるから、誤解されやすかっただけなんだよな。
大丈夫...これからは、ちゃんと理解してあげるから。
今だけは、優しく抱きしめていてあげるよ...なぁ、ぶん太。
だって、恋さんに...俺に関わるな!!って、はっきり言われちゃったし...。
こう考えながら、ぶん太は、人気のない道をとぼとぼと歩いていた。
「はぁ...何処で最後を迎えようかな...。あっ、どうせなら、恋さんに迷惑がかからない場所にしないとな...。あそこまで拒絶されたんだ。最後まで迷惑は掛けられない。」
こう考えたぶん太は、ある橋のかかっている河原に歩みを進めていた。
薄暗くなった河原に着くと、ぶん太は、カタカタと小刻みに震え
「...やっぱり......犯された所で死ぬのは、あんまりいい気がしないな。っ、ここなら人気がないし...まぁ、でも一番は、恋さんには迷惑かけないだろうしってところだよな。って、最期まで恋さん恋さんって、俺まだ未練あんのかな...。はぁ...ホントやになっちゃうよ...。」
と独り言を呟くと、橋の内側から柵に足をかけ、柵の外に両足を投げ出すと、そっと手すりに腰を下ろした。
手すりに腰をかけたぶん太は、先程よりも一層酷く震えていた。
ぶん太が震えていたのも無理はない。
なぜなら、ぶん太が最期を迎えようとしている場所は、過去に同期の男の子から、気が狂った壮馬の時と同じように酷く犯されたことがあった場所だったのだから。
ぶん太は、震える体を落ち着かせるために、暫く夜の冷たい夜風にあたりながら、これまでのことを思い返していた。
「はぁ...結局......恋さんには、このイヌのキーホルダーを返すことが出来なかったな...。はははっ、このイヌのキーホルダーを返すために、毎日必死で受験勉強して......学校の先生には、痛い目見るだけだから、やめておけって散々言われて...。両親からも、受験勉強は外でやれって言われて、ネットカフェや図書館とかの限られた中で勉強して......味方が居なくて死にそうになりながらも、受かった時は、ほんとに嬉しかったな。でも、もうすぐ亡くなる命なら、こんなこと考えたって無駄だよな。(笑)はぁ...俺の人生ってなんだったんだろうな...今になってもわからねぇわ...。よし......震えも少しマシになったし、そろそろ行こうかな。」
ぶん太は、ふぅっとため息をつくと、手すりから腰を上げ、柵の外にある小さな足場に立ち、深呼吸を繰り返していた。
この世に別れを告げようと、足場から少しずつ足をずらし、あと少しで遠い地面に落下する所で、ぶん太の名前を呼ぶ大きな声が暗い世界に響き渡った。
「ぶん太!!!!...っ!!!」
「えっ.........恋...さん???なんで...。あっ...!!」
「...っ、バカ!!!!!危ない!!!!」
「...っ!!!」
ぶん太は、自分の名前を呼ぶ声にびっくりして、声のした方にサッと目をやると、そこには荒い呼吸を繰り返し、ぶん太の状況を見て、目を大きく見開いた恋が立っていた。
恋は、ぶん太の様子に慌てて、ぶん太の方に駆け寄った。
だが、ぶん太は恋の方を見た際に、自身のいる場所を忘れたまま、体を恋の方に向けたため、ちいさな足場から足を踏み外し、空中に身体が投げ出されたのだった。
その瞬間、恋が橋の上からぶん太の腕をパシッと掴み、ぶん太は恋の腕を命綱代わりに使って宙吊り状態となっていた。
ぶん太は、自分を助けている恋に信じられないといった様子で、恋の顔を見上げると
「...なんで......なんでここに??...だって、恋さんは、俺のことが嫌いで憎くて...俺にもう関わるなって言ったくせに!!!......居なくなろうとしたら、これだ。...お前は、俺に死んで欲しいのか、生きて欲しいのか...どっちなんだよ!!!!ハッキリしてくれよ!!!!」
とこう声を荒らげた。
そんなぶん太に、恋はぐっと唇を噛み締めると
「......そんなの...ちゃんと言ってくれなきゃ分からないだろ!!!!!...お前が、あの時の男の子だなんて知らなかった。俺があげたイヌのキーホルダー...俺との約束......守って、この大学に来てくれて...俺の所にイヌのキーホルダーを返すために、学年違うから探すのも大変なのに......それなのに、その中から俺を探して、わざわざ近づいてきてくれたんだろ????...そんなの、ちゃんと言ってくれないと分かるわけないだろ!??...こんなに...こんなに、逞(たくま)しく可愛くなって......あの時の気弱な男の子だなんて、気がつくわけがないじゃないか!!!!!...っ、とにかく死のうなんてするなよ!!!まだ、イヌのキーホルダーを返してもらってないのに、呑気に死のうなんて......そんなこと、俺が許さないからな!!!」
と言うと、ぶん太の身体を自身の腕1本の力で引き上げると、橋の内側に連れ戻した。
勢いよく地面に倒れ込んだぶん太の隣に、恋はしゃがみ込むと、今にも泣きだしそうな...辛い表情を浮かべているぶん太を優しく、だけど力強い手で抱きしめたのだった。
そんな恋の様子にぶん太は
「...ふざけるな!!!!...ほんと、なんなんだよお前!!!!意味わかんねぇよ!!!!!!...もう俺に追っかけられることも無く、平和な大学生活送れるようになったじゃないかよ!!!なのに、なんで離れたばかりの俺に構うんだよ!!!あんた......本物の馬鹿なんじゃないのか!!?」
と言うと、恋の背中をバシバシッと叩いたのだった。
そんなぶん太の様子に恋は、ただ何も言えずギュッとぶん太のことを抱きしめると、ぶん太の背中を優しくさするのだった。
そんな恋の様子に、ぶん太はどこか温かく心地の良い何かを感じ、暫く恋の温もりに浸っていたのだった。
また、そんなぶん太を恋は、今までのような冷たい目線ではなく、高校時代の尊(たける)に向けるような優しいフワッとした表情で、見つめるのだった。
ぶん太......ほんとにごめんな。
本当は、とってもいい子だったんだよな。
ただ、感情の表現が少し苦手で...それでいて、言葉足らずなところも沢山あるから、誤解されやすかっただけなんだよな。
大丈夫...これからは、ちゃんと理解してあげるから。
今だけは、優しく抱きしめていてあげるよ...なぁ、ぶん太。
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