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第7章 「アイラに一泡吹かせましょ!」

7-4話 「反撃開始よ!!!(笑)」

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 「...悪魔の囁きって...一体何のこと????」
「...あっ、いえ、その...なんでもないのよ...!!!(汗)」
「ふーん、ねぇ、ポチ???...ちょっと聞きたいことがあるのだけれど...。(汗)」
「なんだ、エピーヌ。(大丈夫!芝居なら得意だからな...!!(笑)...俺の凄さを見せてやる!!)」
エピーヌの言葉に、同様を隠しきれてないアイラに対して、エピーヌは、わざとらしく大きな声を出して、柱の影に待機していたポチを呼び寄せた。
 そんなエピーヌにこれまたわざとらしく柱の影から出てきたポチは、首を傾げてお遊戯会を思わせる棒読みの、まるでセリフのような抑揚のない声で質問をしたのだった。
 その様子を見つめていたラグルは、若干物言いたげな顔をしていたが、作戦実行の為にも今回は黙っていることにした...。
「ねぇ、ポチ??悪魔の囁きって、一体なんの事かしら???(汗)」
「ん???...あー、悪魔の囁きって言うのはな、悪魔が激しい嫉妬や妬みを持った時にのみ、かけることの出来る魔法のようなものなんだ。...でも、最近ではその力の強大さゆえに、魔界での使用が禁止されているはずだ...。なんでも...もし使用していることがバレたら、即刻死刑確定なんだとよ???(汗)(よし、バレてない!バレてない!!(笑)...俺はやっぱり演技が上手いんだよな~!(笑))」
「っ!!!(汗)...そんなこと...知らなかった...知らなかったのよっ...!!!!(汗)そうだわ...お父様に頼めば、きっとなんとかしてくれるかも...『へぇ、そうなのねぇ~。でも、アイラ様はどうして悪魔の囁きなんて話をしたのかしら???...あっ!!!もしかして、激しい嫉妬や妬みって言っていたから、やっぱり乙女には付きものの恋の悩みとかなのかしら????(汗)(大丈夫!!我ながらポチよりも上手くアイラ様を騙せているわ!!(笑))...だとしたら、私もわかる気がするわ。だって...恋をすれば、きっとどんな手を使ってでも、気になる相手を振り向かせたいと思うもの。(照)』...エピーヌ???(汗)(俺は...エピーヌよりは上手いこと演技できてるだろうし、いっその事このまま役者にでもなっちまおうかな??)...でもな、そんなにいいものでもないぞ???気になる相手が、そんな力で振り向いてくれたとしても、きっと...何も満たしてはくれない...あとに残るのは...ポッカリと空いた寂しさのみだ...。(汗)」
 エピーヌとポチのやり取りを目の前で聞いていたアイラは、余裕のない表情をさらに青白くさせて、怯えた顔をしていた。
 そんなアイラに一度目を向けたあと、エピーヌは、ニコッと微笑むと目の前のポチにこういった。
「そっか、ポチ...ありがとうね!!(笑)確かに...よく考えてみればそうよね~!...自らの力ではなく、魔法とかの力を借りて手に入れたものって、本当に安っぽい気がするもの...。飽き性の私なら...きっと直ぐに飽きてしまうわね...。(笑)」
「何なのよ!!!!(汗)...もう...もうやめて!!!!(汗)...そんな話をしないで!!!!(怒)...魔法を使って手に入れた愛でも、私が欲しかった愛と何ら変わらないわ!!!(汗)...私は寂しくなんかないわ!!!!(汗)私は......私は全く構わないのよ!!!(怒)」
 アイラは、目の前で微笑みあっているエピーヌとポチに激しく怒鳴ると、隣に立っているラグルの腕を掴んで、強引に自分の父親のいる部屋へと歩き出した。
 そんなアイラの様子にニヤッと不気味な顔をしたラグルは、アイラの腕をぐっと引き寄せると、バランスを崩させ自らの腕の中へと抱き留めた。
 その瞬間...次に起こる事を予想したポチは、咄嗟にエピーヌの両目を手で覆った。
 ポチがエピーヌの目を塞いだのも、ラグルは勢いよくバランスを崩したアイラの首筋にこれまた勢いよく噛み付いたからである。
 アイラは、そんなラグルに目を丸くして、咄嗟にその痛みと牙から逃れるように身をよじったが、大人...??の男の力に適うはずもなく、がっしりと固定されてしまい...ビクともしなかった。
 そして、ラグルはアイラの不安を極限まで高めるため、わざと煽るように耳元でそっと囁いたのだった。
「...クククッ、アイラ...。(笑)俺に愛されるのなら、どんな形でも嬉しいと...望むと...お前は、そう言ったな。(笑)...だが、お前は...重要なことを見落としている。俺が...ヴァンパイアだってこと。そして...同時に、俺の愛の注ぎ方には...吸血行為も含まれているということ。(笑)...この意味...頭のキレるお前には、容易に理解できるだろう???(笑)...つまり、お前を生かすも...殺すも...俺の意思の赴くままってわけだ...。(笑)...でも、お前はどんな愛の形でも喜ぶと言った。(笑)俺は...優しいから、嫌がるやつに無理には強要しない...。だが......お前は嫌じゃないのだろう???(笑)なぁ......アイラ???(笑)」
 こういって、ラグルはアイラのすっかり怯えきった目をじっと見つめると、血に濡れた口を片手で拭い、気味の悪い笑みをアイラへと向けた。
 そんなラグルの様子に、涙目のアイラは一刻も早くこの場から逃れたくて、必死に声をあげようとしたが、恐怖のあまり声が出なくなり、ずっとラグルの腕の中で小刻みに震えていた。
 ラグルは、舌なめずりをすると...再び血に汚れたアイラの首筋に噛み付こうとしたが...「ラグル様!!!!(怒)心配になって来てみれば...話が違うじゃないですか!!!!(怒)...アイラ様には...手を出さない。これが作戦の条件に組み込まれていたでしょう????(汗)なのに...なんで!!!!(怒)なんでアイラ様の血を吸ってるんだよ...何でだよ!!!!(怒)」
「ん???...だって、俺を誘ったのはアイラだし...???(笑)まぁ...だから、俺のことが好きで好きでたまらないって言ったアイラを俺なりの愛し方で、楽しませてあげてるってわけだけど...???(笑)それでも何か...まだ文句があるのか???でもまぁな...アイラからの頼みなら、なぁ?(笑)」
 ラグルに怒鳴り散らしたのは、屋敷の外で待機しているはずのアトリーだった。
 一方その頃...屋敷の外では...「だから...あいつはなんで勝手な行動を...。(汗)」と言って、ニーソンが深呼吸にも似た深いため息をついているのだった。
 アトリーの叫び声に唇の端から流れている赤い血の痕をおもむろに舌で舐めとると、ラグルはニヤッと不敵に笑い、目の前のアトリーを更に煽るような言葉を発した。
 アトリーは、ラグルの様子に怒りが爆発してしまい、計画のことはすっかり忘れて、目の前で不敵に笑う...ラグルに怒りをぶつけたのだった。
「...ふざけるのもいい加減にしろ!!!!(怒)こんなくだらない計画も...アイラ様の裏切りも...俺の怒りももう全部関係ない...!!!!(怒)いいか...???あんただけは絶対に許さないからな!!!(怒)お前よりも、俺の方が何倍もアイラ様のことを見てきていたんだ!!!!(怒)アイラ様が、そんなことをされて喜ぶはずない!!!!(怒)...ラグル...お前だけは、絶対に許さないからな...!!!!(怒)」
 こう言うとアトリーは、目の前のラグルからすっかり怯えきったアイラを、サッと奪い取ると、自分の方に抱き寄せた。
 アイラは、自分を抱き寄せたアトリーの顔をじっと見つめていたが、やがて涙をボロボロと流し始めた。
「...うっ...うう...アトリー...。ゴメンなさい...。(泣)」
「アイラ様...。大丈夫。僕が、あなたを何があっても守り続けるから。」
 アトリーのこの言葉に、目の前でさっきまで不敵な笑みを浮かべていたラグルは、深い溜息をひとつつくと、いつもの気だるげな...それでいてどこか真面目な表情に戻ると...アトリーに照れ隠しのつもりか乱暴にこう言い放ったのだ。
「はぁ...おまえ...やっと言ったな。...遅いんだよ...ここに来るのも...自分の気持ち伝えるのも...。(笑)...アトリー皇...貴方になら、アイラを安心して任せられる。(笑)アイラも、こんなジジくさい俺より、アトリーを選ぶべきだ。(笑)その方が...絶対幸せになれるから。(照)...幸せになれよな。(照)(馬鹿が...アトリーも俺の屋敷に来た時から、アイラに復讐なんてするつもりサラサラなかったくせに...こんな作戦にまで文句言わずに参加した時は...さすがに焦ったぞ...。(汗)...でもまぁ、俺が悪役になることでアトリーがアイラに気持ちを伝えられたなら良しとするか...というより、最初からこっちの方がメインでこの作戦作ったわけだし、この状態で丸く収まってくれないと計画の意味がないっていう話だ。(笑)うっ...今思ったが、アイラの血は口に合わないな...やっぱり悪魔の血は俺の体質に合わない...。(汗)他の奴らは、人間の血より悪魔の血の方が美味しいとか言ってたけど...有り得ないだろ...。俺はやっぱり...って、いや...もう吸わないって約束したし...な???(笑)でも時々無性にエピーヌのことを...食べてしまいたくなるほどに可愛いと思うことはあるけど...さすがにこれは言えないな...むしろ言う気なんてサラサラない...。)」
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