ファンタジア!!

日向 ずい

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第10章 「俺たちの運命を変える。」

「お断りしたのだが...。」

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 「えっと...何かの...ご冗談でしょうか??」

 俺がこういうのも当たり前だ。

 いや、だってな??

 俺たちが、何食わぬ顔で来た高級居酒屋で...絶対にお怒りになられていると思っていたバロック&ロックの先輩様が、まさかまさかの...。

 「いきなりで悪いんだけど....君たちアイドルにならないか??」

  ...いやいやいやいや、ちょっと待ちましょうやンやン付け棒はお菓子の名前...著作権引っかかんないか心配しちまいますそうろうって奴だぞ!!!!

 いや、何言ってんだよ俺...。(汗)

 ついに、翔真レベルの馬鹿になっちまったか????

 なっちまったのかよ...うぎゃーーー、それだけは嫌だぞ!!!

 いかんいかん、一回話を元に戻せ。

 つまり、俺たちに...SINさんはバンドを辞めてアイドルになりませんか???

 とこう言っているって事だろ??

 なら、当然答えは一つしか無いよな。

 俺は、こう決心すると...目の前のSINさんに向かってこう言った。

 「SINさん...せっかくの良いお誘いですが...俺たちは、バンドを辞めるつもりは微塵もないんです。なので...この話は。」

 「う~ん、何もバンドを完全に切って、アイドルをやって欲しいって言っているわけじゃなくてね...???とりあえず、アイドルをやってみて、まぁまぁ、ほんのお試し期間程度だよ???...それで、アイドルはやっぱり違うんだよなぁ。ってなったら、その時はバンドに戻ればいいし...。そんなに難しい話でも無いと思うよ??...どちらにせよ、君たちに不利益になることはないと思うから...。ねぇ、どうかな??」

 俺の断りに、心を揺さぶることを言ってきたSINさんに俺は、しばらく悩んだ後...はっきりとSINさんを見つめ、こう返した。

 「...本当に良いお誘いだとは思うのですが....、まだ俺たちには、それを受け止めれるだけの容量が備わっていません。それに...どうせなら、バンドを最後までやっていきたい。...みんなは、どうだ???」

 俺は、こう言うと周りで静かに事の行く末を見守っていた、月並みのメンバーを見渡し、意見を求めた。

 そんな俺に、仲間はみんなコクコクと頷いて、俺の意見に賛成の意を示してくれているようだった。

 そんな俺たちの様子に、軽く息を吐くと、SINさんは優しい微笑みを浮かべて、こう言った。

 「あはは、そっか。(笑)まぁさ、悪い話じゃないし...でも、大事なことだからやっぱりすぐには、決められないよね。....もしも、気が変わってアイドルがやりたくなったら、いつでも連絡ちょうだい??...はい、ということで、こんな堅苦しい話はやめやめ!!!....改めて、月並みのみんな、今回ここで共にご飯を食べるのも何かの縁だし...今日は俺たちがおごるから遠慮しないで食べてくれ!!!!」

 さっきとは打って変わって、明るいSINさんのテンションが、俺たちに気を遣わせまいとして振る舞われているようで、そんな優しい心遣いに、余計に胸がきゅっと締め付けられるのだった。
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