31 / 102
第4章「乙四の開幕と奏也の危機。」
「俺の話を聞いて下さい。」
しおりを挟む
俺の背後から声をかけた、事の発端を運んできた両親は、月並みのみんなを目に留めた瞬間、鋭い目つきでこう言った。
「...っ!!!(汗)なんであなたたちがここにいるのよ!!しかも、大学生で昨日突きつけた条件を何とかするためにって...無許可で空港みたいな公共の場で、楽器を演奏するなんて、一体何を考えているの!!!こんなことをして、ただで済むはずがないわ!!!」
両親の意見に対して、俺の方を見つめていた虎雅さんは、両親の方に視線を移して、冷めた目でこう言った。
「勿論、そんなの決まっているじゃないですか!!!!俺たちは...俺たちだけでは月並みは成立しない。俺たちは...奏也がいてはじめて月並みなんだ!!!月並みとして、これからもバンド活動を行っていきたい俺たちは、それ相応の覚悟を決めてここに来たんだ。俺たちの覚悟を、何も知らないアンタたちに何が分かるんだ!!!これは、俺たちと奏也の問題だ!あなたたちには関係の無いことだ!」
こう言った虎雅さんの言葉に眉間に、より一層皺を寄せた俺の母親は、虎雅さんに罵声を浴びせた。
「あなたね...昨日も言ったけど、言っていいことと、言って悪いことの区別もつかないの!!???確かに、月並みというバンドで活躍するには奏也の才能が欲しくなるのも分かるわよ??でもね...奏也の才能を利用して売れたって、そんなの何の意味も無いわ!!!あなたたちが、自己満足するためだけに奏也の才能を悪用しないでちょうだい???目障りよ!!!」
母親の言葉に、流石に感情が押さえきれなくなった俺は、無意識のうちに反論の言葉を発していた。
「それは違うよ!母さん!!!俺が...俺の意思で月並みに入ったんだ!!...虎雅さんは他の人と違う。虎雅さんだけじゃない、翔真さんや優さん...それにずっと俺と一緒にいてくれた七緒...みんながこれまでの人生で出会った人たちとは違う。俺の才能じゃなくて、人格を見てくれたんだ。俺はそんな人たちだからこそ、このバンドに進んで入って、皆と練習に励んでいたんだ。母さんは、俺の気持ちを何一つ分かっていない。俺...今ならはっきり言えるよ、俺はオペラ歌手にはならない。俺は月並みとして、バンド活動がしたい。これが俺の答え。俺の気持ちだよ!!!」
俺がはっきりと自分の気持ちを伝えると、目の前の両親はひどく動揺した顔つきで俺の腕を掴むと、強引に飛行機の搭乗口に入ろうとした。
俺は必死に腕を振って、掴まれた腕を振り払おうとしたが、母親は俺の気持ちを受け入れられなかったのか、それは凄い力で腕を掴んでいたため、びくともしなかった。
そんなとき...俺の父親が、俺に向かってこう言った。
「...そうだったのか??奏也...奏也はオペラ歌手にはなりたくなかったのか??俺たちがお前の才能に期待していたから。その時の俺たちの反応を見るためだけに、オペラの勉強をこれまで頑張っていたのか????...俺たちが、お前と一緒にいなかったあの頃...お前は、俺たちの事を片時も忘れずにいてくれたのか???」
父親の言葉に俺は歩みを止めて、背後で苦痛に耐えるような顔をしていた父親に向かって、呆れた顔を向けた。
「...そうだよ!!!今頃気付いたのかよ!???遅いんだよ!!!......それでも、お前らは俺の両親だって胸を張って言えるのかよ!!!なぁ、どうなんだよ!俺の言葉に..子供である俺と真っ向から話すことが出来るのかよ!!!『...分からない。俺は...お前とこれまでしっかりと向き合ってこなかったから...こうやって、お前の口から正直な気持ちを聞くと...どう接していいのか。どんな言葉を掛けてやるべきなのか...分からないんだ。...ごめん。』...っ。」
父親の言葉に反論してやろうと思ったが、父親の顔を見た途端、口を出かかっていた言葉を飲み込みざる負えなかった。
だって...俺のことを申し訳なさそうな、今にも泣き出しそうな顔で見つめてきていたのだから。
そんな父親の様子に、痺れを切らした母親が、声を荒げてこう言った。
「あなた!???何馬鹿なこと言っているの???奏也は、もうオペラの学校に行くことになっているのよ???なのに、あなたが奏也の言葉に納得してどうするのよ!!!」
母親の厳しい言葉に、父親は驚くべきことを言ったのだ。
「じゃあ、チャンスをあげたらどうだ???月並みに納得させられたら、その時は大人しく、俺たちは身を引くというのは...それなら納得いくだろう???」
こう言った父親の目は、今までに見たこともないくらい真剣な眼差しであった。
「...っ!!!(汗)なんであなたたちがここにいるのよ!!しかも、大学生で昨日突きつけた条件を何とかするためにって...無許可で空港みたいな公共の場で、楽器を演奏するなんて、一体何を考えているの!!!こんなことをして、ただで済むはずがないわ!!!」
両親の意見に対して、俺の方を見つめていた虎雅さんは、両親の方に視線を移して、冷めた目でこう言った。
「勿論、そんなの決まっているじゃないですか!!!!俺たちは...俺たちだけでは月並みは成立しない。俺たちは...奏也がいてはじめて月並みなんだ!!!月並みとして、これからもバンド活動を行っていきたい俺たちは、それ相応の覚悟を決めてここに来たんだ。俺たちの覚悟を、何も知らないアンタたちに何が分かるんだ!!!これは、俺たちと奏也の問題だ!あなたたちには関係の無いことだ!」
こう言った虎雅さんの言葉に眉間に、より一層皺を寄せた俺の母親は、虎雅さんに罵声を浴びせた。
「あなたね...昨日も言ったけど、言っていいことと、言って悪いことの区別もつかないの!!???確かに、月並みというバンドで活躍するには奏也の才能が欲しくなるのも分かるわよ??でもね...奏也の才能を利用して売れたって、そんなの何の意味も無いわ!!!あなたたちが、自己満足するためだけに奏也の才能を悪用しないでちょうだい???目障りよ!!!」
母親の言葉に、流石に感情が押さえきれなくなった俺は、無意識のうちに反論の言葉を発していた。
「それは違うよ!母さん!!!俺が...俺の意思で月並みに入ったんだ!!...虎雅さんは他の人と違う。虎雅さんだけじゃない、翔真さんや優さん...それにずっと俺と一緒にいてくれた七緒...みんながこれまでの人生で出会った人たちとは違う。俺の才能じゃなくて、人格を見てくれたんだ。俺はそんな人たちだからこそ、このバンドに進んで入って、皆と練習に励んでいたんだ。母さんは、俺の気持ちを何一つ分かっていない。俺...今ならはっきり言えるよ、俺はオペラ歌手にはならない。俺は月並みとして、バンド活動がしたい。これが俺の答え。俺の気持ちだよ!!!」
俺がはっきりと自分の気持ちを伝えると、目の前の両親はひどく動揺した顔つきで俺の腕を掴むと、強引に飛行機の搭乗口に入ろうとした。
俺は必死に腕を振って、掴まれた腕を振り払おうとしたが、母親は俺の気持ちを受け入れられなかったのか、それは凄い力で腕を掴んでいたため、びくともしなかった。
そんなとき...俺の父親が、俺に向かってこう言った。
「...そうだったのか??奏也...奏也はオペラ歌手にはなりたくなかったのか??俺たちがお前の才能に期待していたから。その時の俺たちの反応を見るためだけに、オペラの勉強をこれまで頑張っていたのか????...俺たちが、お前と一緒にいなかったあの頃...お前は、俺たちの事を片時も忘れずにいてくれたのか???」
父親の言葉に俺は歩みを止めて、背後で苦痛に耐えるような顔をしていた父親に向かって、呆れた顔を向けた。
「...そうだよ!!!今頃気付いたのかよ!???遅いんだよ!!!......それでも、お前らは俺の両親だって胸を張って言えるのかよ!!!なぁ、どうなんだよ!俺の言葉に..子供である俺と真っ向から話すことが出来るのかよ!!!『...分からない。俺は...お前とこれまでしっかりと向き合ってこなかったから...こうやって、お前の口から正直な気持ちを聞くと...どう接していいのか。どんな言葉を掛けてやるべきなのか...分からないんだ。...ごめん。』...っ。」
父親の言葉に反論してやろうと思ったが、父親の顔を見た途端、口を出かかっていた言葉を飲み込みざる負えなかった。
だって...俺のことを申し訳なさそうな、今にも泣き出しそうな顔で見つめてきていたのだから。
そんな父親の様子に、痺れを切らした母親が、声を荒げてこう言った。
「あなた!???何馬鹿なこと言っているの???奏也は、もうオペラの学校に行くことになっているのよ???なのに、あなたが奏也の言葉に納得してどうするのよ!!!」
母親の厳しい言葉に、父親は驚くべきことを言ったのだ。
「じゃあ、チャンスをあげたらどうだ???月並みに納得させられたら、その時は大人しく、俺たちは身を引くというのは...それなら納得いくだろう???」
こう言った父親の目は、今までに見たこともないくらい真剣な眼差しであった。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
聖也と千尋の深い事情
フロイライン
BL
中学二年の奥田聖也と一条千尋はクラス替えで同じ組になる。
取り柄もなく凡庸な聖也と、イケメンで勉強もスポーツも出来て女子にモテモテの千尋という、まさに対照的な二人だったが、何故か気が合い、あっという間に仲良しになるが…
寮生活のイジメ【社会人版】
ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説
【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】
全四話
毎週日曜日の正午に一話ずつ公開
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる