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「シェアハウスで対談。」
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そうして次の日、各自様々な思いを抱えながら、シェアハウスへとたどり着いた。
俺は、何とか民宿を見つけることが出来、龍と虎太郎と共に、そこで一夜を過ごした。
青ちゃんは、外で雨風がしのげる場所を見つけたらしく、そこで一夜を過ごしたそうだ。
シェアハウスに帰ってきた途端、風呂場に急いで入っていったことからも、青ちゃんの綺麗好きは小さい頃から、変わらないらしい。
そうして、何も知らない䴇をリビングに呼ぶと、ソファに座らせた。
「...それで、今度は何??心配しなくても、この計画が上手くいけば、俺はここからも出て行くし、シェアハウスの皆にも、これ以上危害を加えないつもりだよ??」
䴇は、明らかに不機嫌な声色で、でもおとなしくソファに座ってくれていた。そうして、暫くたった頃、䴇が席を立とうとした瞬間、玄関からインターフォンの音が鳴り響いた。
俺は、ぐっと唇をかむと、ソファを立ち上がり、玄関に向かった。
実は、昨日民宿にいる間に一人で考えていたことがあった。
十希さんは、きっとこのシェアハウスに来てくれると。
いや正確には、昨日わざとあんな失礼なことを十希さんに言ったのは、十希さんの表情に迷いがあったからだ。
きっと、十希さんなりに考えて䴇に会わないつもりでいたのだろう。
俺が、ああやって言ったのも、十希さんになんとしても、今の䴇の気持ちを知って欲しかったからだ。
今の䴇を救えるのは、シェアハウスの皆でもなく、俺でもなく、他でもない十希さんただ一人だけだと思ったからだった。
だから俺は、大人がとるべきではない少し卑怯な手を使った。
でも、きっと秋良なら許してくれるだろう。
人を助けるためなら、そう言ったずるさも必要であると、あの口で...言ってくれるんだろうな。
俺はこんなことを考えながら、玄関の扉を開き、そこに立っていた人物を、シェアハウスに招き入れた。
俺が、その人をリビングに連れて行くと、今まで不機嫌な顔をしていた䴇が、目を見開いて声を発した。
「っ!!!えっ、兄ちゃん...なんで。それに、その隣の女の子...誰???俺、何も聞いて無いんだけど...。ごめん、やっぱり気が変わった。今すぐに、このシェアハウスを出て行くよ。もう、皆にも迷惑はかけな『おい、䴇。待て。お前がここで逃げてどうするんだ。十希さんは、䴇に会うことを何度もためらって。でも、いつまでも、逃げたらいけないと思って、今日はこのシェアハウスに足を運んでくれたんだぞ。それを、お前が逃げたりしたら、十希さんの気持ちはどうなるんだよ!!!䴇も、男だろ???男なんだったら、いつまでもうじうじしないで、覚悟決めて立ち向かえや!!!!(怒)』...別に、逃げてなんか無い。覚悟も兄ちゃんから離れたとき...とっくの昔に決めてるんだよ!!!(怒)」
俺は、逃げようとした䴇に対して口を開いた龍が、関西弁を使っていることに驚きを隠せなかったが、それよりも、龍がこんなに立派は意見が言えるまでに成長したことが嬉しかった。
龍の強い言葉に䴇は、声を荒げて渋々ソファに座り直した。
そんな䴇の姿に、動揺が隠せない様子の十希に䴇は、乱暴に話し始めた。
「何??どうしてそんなに驚いた顔してるの???俺は、昔からずっとこんなに悪い子だったよ???...兄ちゃんが、バイトで忙しくして、俺の事を見ようともしなかったから、気付かなかったんだよね??だって、俺の事を大切に...一番に考えているって言ったくせに、一番見てなかったのは、俺の事だったんだもんね。大丈夫、全部分かっているから。兄ちゃんの言いたいことも、考えていることも。全部分かっている。だから、そんな鈍感な兄ちゃんのために俺が、兄ちゃんを苦しめて、人生をめちゃくちゃにしたもの全部、俺が壊して、復讐してやるから。だから兄ちゃんは、今まで通り笑っていてくれれば、それでいいんだよ。それで...全部上手くいくんだよ。」
こう言った䴇の言葉に、十希は䴇に自らの過去を語り始めるのであった。
俺は、何とか民宿を見つけることが出来、龍と虎太郎と共に、そこで一夜を過ごした。
青ちゃんは、外で雨風がしのげる場所を見つけたらしく、そこで一夜を過ごしたそうだ。
シェアハウスに帰ってきた途端、風呂場に急いで入っていったことからも、青ちゃんの綺麗好きは小さい頃から、変わらないらしい。
そうして、何も知らない䴇をリビングに呼ぶと、ソファに座らせた。
「...それで、今度は何??心配しなくても、この計画が上手くいけば、俺はここからも出て行くし、シェアハウスの皆にも、これ以上危害を加えないつもりだよ??」
䴇は、明らかに不機嫌な声色で、でもおとなしくソファに座ってくれていた。そうして、暫くたった頃、䴇が席を立とうとした瞬間、玄関からインターフォンの音が鳴り響いた。
俺は、ぐっと唇をかむと、ソファを立ち上がり、玄関に向かった。
実は、昨日民宿にいる間に一人で考えていたことがあった。
十希さんは、きっとこのシェアハウスに来てくれると。
いや正確には、昨日わざとあんな失礼なことを十希さんに言ったのは、十希さんの表情に迷いがあったからだ。
きっと、十希さんなりに考えて䴇に会わないつもりでいたのだろう。
俺が、ああやって言ったのも、十希さんになんとしても、今の䴇の気持ちを知って欲しかったからだ。
今の䴇を救えるのは、シェアハウスの皆でもなく、俺でもなく、他でもない十希さんただ一人だけだと思ったからだった。
だから俺は、大人がとるべきではない少し卑怯な手を使った。
でも、きっと秋良なら許してくれるだろう。
人を助けるためなら、そう言ったずるさも必要であると、あの口で...言ってくれるんだろうな。
俺はこんなことを考えながら、玄関の扉を開き、そこに立っていた人物を、シェアハウスに招き入れた。
俺が、その人をリビングに連れて行くと、今まで不機嫌な顔をしていた䴇が、目を見開いて声を発した。
「っ!!!えっ、兄ちゃん...なんで。それに、その隣の女の子...誰???俺、何も聞いて無いんだけど...。ごめん、やっぱり気が変わった。今すぐに、このシェアハウスを出て行くよ。もう、皆にも迷惑はかけな『おい、䴇。待て。お前がここで逃げてどうするんだ。十希さんは、䴇に会うことを何度もためらって。でも、いつまでも、逃げたらいけないと思って、今日はこのシェアハウスに足を運んでくれたんだぞ。それを、お前が逃げたりしたら、十希さんの気持ちはどうなるんだよ!!!䴇も、男だろ???男なんだったら、いつまでもうじうじしないで、覚悟決めて立ち向かえや!!!!(怒)』...別に、逃げてなんか無い。覚悟も兄ちゃんから離れたとき...とっくの昔に決めてるんだよ!!!(怒)」
俺は、逃げようとした䴇に対して口を開いた龍が、関西弁を使っていることに驚きを隠せなかったが、それよりも、龍がこんなに立派は意見が言えるまでに成長したことが嬉しかった。
龍の強い言葉に䴇は、声を荒げて渋々ソファに座り直した。
そんな䴇の姿に、動揺が隠せない様子の十希に䴇は、乱暴に話し始めた。
「何??どうしてそんなに驚いた顔してるの???俺は、昔からずっとこんなに悪い子だったよ???...兄ちゃんが、バイトで忙しくして、俺の事を見ようともしなかったから、気付かなかったんだよね??だって、俺の事を大切に...一番に考えているって言ったくせに、一番見てなかったのは、俺の事だったんだもんね。大丈夫、全部分かっているから。兄ちゃんの言いたいことも、考えていることも。全部分かっている。だから、そんな鈍感な兄ちゃんのために俺が、兄ちゃんを苦しめて、人生をめちゃくちゃにしたもの全部、俺が壊して、復讐してやるから。だから兄ちゃんは、今まで通り笑っていてくれれば、それでいいんだよ。それで...全部上手くいくんだよ。」
こう言った䴇の言葉に、十希は䴇に自らの過去を語り始めるのであった。
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