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「俺の過去。」
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俺は、まんまと奴らの罠に引っかかり、この世で恐ろしいものを見させられた。
はっきり言う。
俺が見たのは、この世の者じゃない...。
それはそれは恐ろしいもの達の姿だったんだ...。
奴らは、俺にすがるように手を伸ばしてきて...うっ......考えただけでも吐き気がする。
俺は、リビングに行くと皆の前で、大きく息をつき、俺の企みの全てを話し始めた。
「...俺は、早くに両親を亡くして、兄ちゃんと共におばあちゃんの家で育ったたんだ。そんな幼かった俺に寂しさを感じさせないようにって、兄ちゃんは、小さいときから俺のことを一番に考えて、行動してくれてたんだ。そんな兄ちゃんの姿を見るのは、嬉しくもあったけど、同時に申し訳なさが募っていった。だから俺は、兄ちゃんに少しでも安心して欲しくて、人一倍よい子のフリをしてきた。そんな俺の姿を、知ってか知らないでか兄ちゃんは、俺の事をいい子いい子っていって、いつも優しく接してくれてたんだ。だがある日、大学生になった事を機に、兄ちゃんが一人暮らしをすると言って、おばあちゃんの家を出て行った。俺は兄ちゃんが大好きで、兄ちゃんの後についていったんだ。兄ちゃんは俺の事を、これまで以上に心配してくれて、大学も忙しいだろうに、俺にさみしい思いをさせないためにって、無理をしてバイトを沢山し始めたんだ。俺は、兄ちゃんと一緒にいられれば、例えご飯が満足に食べられなくても、構わなかったんだ。それなのに兄ちゃんは、そんな俺の気持ちはそっちのけでバイトにいそしむようになり、次第に一緒にいる時間が少なくなっていった。だから、俺は兄ちゃんに言ったんだ。『俺の前で、その仮面を取って。』って...。そしたら、兄ちゃんは、『これが、俺の本当の顔だよ。』って言って、俺の気持ちを理解してくれなかった。俺は、まだ子供だったから、兄ちゃんが俺のためにハイドを頑張ってくれていたことなんて、全く知らなかった。だから、兄ちゃんにひどいことを沢山言った。でも、兄ちゃんはひどいことを言った俺に、これまでと何ら変わらない態度で接してくれた。ただ一つ違ったのは、兄ちゃんにオレよりも大切な人が出来たっていうこと。その人は、奎佐木 叶芽(ふみさき かなめ)と言って、兄ちゃんの初めての友達であり...恋人だったんだ。『えっ!!?奎佐木 叶芽って今、大学に留年して残ってるって噂の...叶芽先輩!??』...あぁ、そうだよ。俺が、今一番恨んでて殺してやりたいと思っている奴だよ。そいつが、俺の大切な兄ちゃんの事を裏切ったんだ。俺の兄ちゃんの人生をめちゃくちゃにしたんだ。だから俺は、叶芽の野郎が通ってる大学に来たくもないのに、受験して...わざわざ復讐しに来てやったんだよ。そして俺は、兄ちゃんの人生をめちゃくちゃにした狩人もろともぶっ潰す。...そのためにも、叶芽に近づいて狩人に入ることで、野郎をつぶす隙を伺ってたんだ。そんなある日、叶芽から1年前......秋良と龍の事を聞かされた。そのことから、俺はこのシェアハウスに入ることで、秋良さんと龍さんに近づいたんだ。これが、俺がこのシェアハウスに入った理由だよ。満足した??」
俺は、こう言うと皆が次に発する言葉が怖くなり、自室に戻ろうとソファを立ち、リビングから出て行こうとしたその瞬間、背後から誰かに抱きしめられた。
誰かなんて、すぐに分かった。
...この温かさ、鈴斗さんだ。
俺を守ってくれた鈴斗さんの温かさと全く一緒だった。
俺が動けずにいると、鈴斗さんは、俺を抱きしめたまま、苦しそうにこう言ったんだ。
はっきり言う。
俺が見たのは、この世の者じゃない...。
それはそれは恐ろしいもの達の姿だったんだ...。
奴らは、俺にすがるように手を伸ばしてきて...うっ......考えただけでも吐き気がする。
俺は、リビングに行くと皆の前で、大きく息をつき、俺の企みの全てを話し始めた。
「...俺は、早くに両親を亡くして、兄ちゃんと共におばあちゃんの家で育ったたんだ。そんな幼かった俺に寂しさを感じさせないようにって、兄ちゃんは、小さいときから俺のことを一番に考えて、行動してくれてたんだ。そんな兄ちゃんの姿を見るのは、嬉しくもあったけど、同時に申し訳なさが募っていった。だから俺は、兄ちゃんに少しでも安心して欲しくて、人一倍よい子のフリをしてきた。そんな俺の姿を、知ってか知らないでか兄ちゃんは、俺の事をいい子いい子っていって、いつも優しく接してくれてたんだ。だがある日、大学生になった事を機に、兄ちゃんが一人暮らしをすると言って、おばあちゃんの家を出て行った。俺は兄ちゃんが大好きで、兄ちゃんの後についていったんだ。兄ちゃんは俺の事を、これまで以上に心配してくれて、大学も忙しいだろうに、俺にさみしい思いをさせないためにって、無理をしてバイトを沢山し始めたんだ。俺は、兄ちゃんと一緒にいられれば、例えご飯が満足に食べられなくても、構わなかったんだ。それなのに兄ちゃんは、そんな俺の気持ちはそっちのけでバイトにいそしむようになり、次第に一緒にいる時間が少なくなっていった。だから、俺は兄ちゃんに言ったんだ。『俺の前で、その仮面を取って。』って...。そしたら、兄ちゃんは、『これが、俺の本当の顔だよ。』って言って、俺の気持ちを理解してくれなかった。俺は、まだ子供だったから、兄ちゃんが俺のためにハイドを頑張ってくれていたことなんて、全く知らなかった。だから、兄ちゃんにひどいことを沢山言った。でも、兄ちゃんはひどいことを言った俺に、これまでと何ら変わらない態度で接してくれた。ただ一つ違ったのは、兄ちゃんにオレよりも大切な人が出来たっていうこと。その人は、奎佐木 叶芽(ふみさき かなめ)と言って、兄ちゃんの初めての友達であり...恋人だったんだ。『えっ!!?奎佐木 叶芽って今、大学に留年して残ってるって噂の...叶芽先輩!??』...あぁ、そうだよ。俺が、今一番恨んでて殺してやりたいと思っている奴だよ。そいつが、俺の大切な兄ちゃんの事を裏切ったんだ。俺の兄ちゃんの人生をめちゃくちゃにしたんだ。だから俺は、叶芽の野郎が通ってる大学に来たくもないのに、受験して...わざわざ復讐しに来てやったんだよ。そして俺は、兄ちゃんの人生をめちゃくちゃにした狩人もろともぶっ潰す。...そのためにも、叶芽に近づいて狩人に入ることで、野郎をつぶす隙を伺ってたんだ。そんなある日、叶芽から1年前......秋良と龍の事を聞かされた。そのことから、俺はこのシェアハウスに入ることで、秋良さんと龍さんに近づいたんだ。これが、俺がこのシェアハウスに入った理由だよ。満足した??」
俺は、こう言うと皆が次に発する言葉が怖くなり、自室に戻ろうとソファを立ち、リビングから出て行こうとしたその瞬間、背後から誰かに抱きしめられた。
誰かなんて、すぐに分かった。
...この温かさ、鈴斗さんだ。
俺を守ってくれた鈴斗さんの温かさと全く一緒だった。
俺が動けずにいると、鈴斗さんは、俺を抱きしめたまま、苦しそうにこう言ったんだ。
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