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LEVELZEROafterSTORY~Venus Tune~

影の存在

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 記憶があいまいになってきている。少し、休もう。本の製本は終わっているし、後は変えるだけ。
 しかし、ビーストを倒す際に、私は部室であった魔法少女に再びあった。
「あんた、私の獲物に何してんの?」
「でも、私が助けなきゃ、あんた死んでたじゃない!」
 口論になった。魔法少女として、ビーストを倒す。それが彼女の使命だったという。それを私に横取りされたのだから、怒られないわけがない。
「それに、あんた魔法をどうやって出してるか知ってんの?」
「そ、それは……」
「まあいいわ、いずれ知ることになるだろうし」
 魔法の出し方と、今この口論にどんな関係が? 密接な関係がないにしろ、何か関係がありそうではあるが。
 いずれ知ることになる。ということは、嫌でもその事実を知るという事だろう。……一体、この魔法少女に何が隠されているのだろうか。
「でも、あんたにも協力してもらうわよ」
「え……?」
 協力。確かに彼女はそう言った。何を……?
「私たち、魔法少女で組織を組んでんだ」
 確かに、彼女がいるなら、さらに他の魔法少女がいてもおかしくはない。そのすべてがその組織に。というわけではないだろうにしても、他の魔法少女に会っておける機会でもあった。なのだが……
 私がその組織に入って得られるメリットもとくには無いようだった。単に、戦いやすくなるというだけの物だった。ならば、当然のノーセンキュー。入らないことの方がむしろメリットかもしれない。まあ、戦いやすくなるに越したことはないけども、私は、ここで本を作り続けなきゃいけない。約束だから。
 ――あれ……? 誰との約束だっけ……?――
「それはとっても嬉しい話ではあるけど……断ります」
「はあ!? なんでよ、あんたにはメリットしかないのよ!?」
「別に、私は見返りを求めて戦ってるんじゃないもの」
 そう言うと、ちっ。という舌打ちをしたが、もういいよ。というふうに、手をいやいや振ってきた。ううん、ずっと気になっていけど、態度が気に食わない。
「なら別にいいわよ。私帰るから」
 そう言って、テレポートを使った。
 ……一体、何だったのだろうか。しかし、断ったのは断ったので少し心残りがある……でも、断っちゃったし、もういっそ気にすることはないか。


――1時間経過――

「まったく……何よ、あいつのあの態度は」
 テレポート先は少し薄暗い路地裏。そこで、彼女は変身をした。その動機はわからないが、小さなナイフも取り出す。
「あっ、お前!!」
 彼女に話しかける腕に入れ墨をしたタンクトップの怪しい男。
 しかし、彼女はそんな男に向かってナイフを投げる。そして、心臓に一刺し。男はその場で即死した。
 なぜこんなことをするのか、こんな事をしなければいけなかったのだろうか。
「悪いわね。でも、こうしないと私たち魔法少女は生きていけないの。私たちは――ビーストと変わらない、『捕食者』だから」
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