202 / 271
LEVELZEROafterSTORY~Venus Tune~
公演終了後
しおりを挟む
「おーい、早く―!!」
待ち望んでいたかのように、待っていたかのように、その場にはざっと20人くらいの人が待機していた。
私たちは、急いで準備を始める。壇上の横の待機室。私はそこへ。
マイクとうの機材などを扱うための放送室には、千佳が。まだ、10分ある。始まる前に、最後にもう一度読み返しておかなきゃ……
私が黙読する中、千佳のアナウンスが体育館中に響き渡る。
『えー、あと7分ほどで開始します。それまで、もうしばらくお待ちください』
あと、7分か。黙読はこの辺にして、この緊張をほぐそうかな……
準備運動をしてみる。ほぐれない。そうだ、手に人って書いて。
友達に聞いたおまじないをやってみる。……なんか、緊張がほぐれた気がする。おまじないって、胡散臭いのが多いけどたまに本物があるから怖いよね……
4分ほどたったところで、体育館の扉が閉まっていく。開園するために、外に音を漏らさないためだ。OKです。という意味合いの合図が見えると、再び千佳のアナウンスが入った。
『お待たせしました! 間もなく、開演します!』
そのアナウンスが入るのと同時くらいのタイミングで、私は舞台に上がる。舞台はまだ、幕が下りているので、前に人は見えない。
準備係りの人が、マイクを運んでくる。
「あ、ありがとうございます」
「いえいえ~アニメ論、興味あるっす! 楽しみにしてるっス!」
「あ、ありがとう~」
興味持ってくれていたんだ……そんな事言われたから、また、緊張しだしてしまう。期待を裏切らないような講演にしなくてはいけないという使命感からだ。
うう……緊張がっ。
そんな私が緊張している中、またまたアナウンスが鳴る。
「ただいまより、アニメ研究会による、「究極っ!アニメ論!」の発表を開始します!」
そして、舞台の幕が上がる。
ええい! 緊張してても仕方ないっ! 開き直って、堂々としてみる――
――
「お疲れ様です! いやあ、すごかったっす!」
無事、講演を終えることが出来た……いざ開き直ってみると、緊張どころか、むしろ自信しかなかった。
多分、私が行った講演じゃ一番よかった。
講演が終わった後の評価は、まあまあ高めで、参考になったか聞いてみると、それなりの答えが帰ってきた。……アンチがいるのは仕方ないか。アンチは、どんなものにでも湧くものだし。
……あれ? 講演が終わったのに、千佳が降りてこない。
気になって、先ほどの準備係りの子に聞いてみる。
「ね、ねえ、千佳は?」
あれ? という顔をしながら、首を振って、
「あれ……降りてこないっすね。……ちょっと見てくるっス!」
そう言って、放送室に見に行った。
なんだろう、嫌な予感がする。そう言えば、講演終了のアナウンスがなかったっけ……みんな、気にせず帰っていったけど、本当なら、講演終了のアナウンスが入る予定だった。
待ち望んでいたかのように、待っていたかのように、その場にはざっと20人くらいの人が待機していた。
私たちは、急いで準備を始める。壇上の横の待機室。私はそこへ。
マイクとうの機材などを扱うための放送室には、千佳が。まだ、10分ある。始まる前に、最後にもう一度読み返しておかなきゃ……
私が黙読する中、千佳のアナウンスが体育館中に響き渡る。
『えー、あと7分ほどで開始します。それまで、もうしばらくお待ちください』
あと、7分か。黙読はこの辺にして、この緊張をほぐそうかな……
準備運動をしてみる。ほぐれない。そうだ、手に人って書いて。
友達に聞いたおまじないをやってみる。……なんか、緊張がほぐれた気がする。おまじないって、胡散臭いのが多いけどたまに本物があるから怖いよね……
4分ほどたったところで、体育館の扉が閉まっていく。開園するために、外に音を漏らさないためだ。OKです。という意味合いの合図が見えると、再び千佳のアナウンスが入った。
『お待たせしました! 間もなく、開演します!』
そのアナウンスが入るのと同時くらいのタイミングで、私は舞台に上がる。舞台はまだ、幕が下りているので、前に人は見えない。
準備係りの人が、マイクを運んでくる。
「あ、ありがとうございます」
「いえいえ~アニメ論、興味あるっす! 楽しみにしてるっス!」
「あ、ありがとう~」
興味持ってくれていたんだ……そんな事言われたから、また、緊張しだしてしまう。期待を裏切らないような講演にしなくてはいけないという使命感からだ。
うう……緊張がっ。
そんな私が緊張している中、またまたアナウンスが鳴る。
「ただいまより、アニメ研究会による、「究極っ!アニメ論!」の発表を開始します!」
そして、舞台の幕が上がる。
ええい! 緊張してても仕方ないっ! 開き直って、堂々としてみる――
――
「お疲れ様です! いやあ、すごかったっす!」
無事、講演を終えることが出来た……いざ開き直ってみると、緊張どころか、むしろ自信しかなかった。
多分、私が行った講演じゃ一番よかった。
講演が終わった後の評価は、まあまあ高めで、参考になったか聞いてみると、それなりの答えが帰ってきた。……アンチがいるのは仕方ないか。アンチは、どんなものにでも湧くものだし。
……あれ? 講演が終わったのに、千佳が降りてこない。
気になって、先ほどの準備係りの子に聞いてみる。
「ね、ねえ、千佳は?」
あれ? という顔をしながら、首を振って、
「あれ……降りてこないっすね。……ちょっと見てくるっス!」
そう言って、放送室に見に行った。
なんだろう、嫌な予感がする。そう言えば、講演終了のアナウンスがなかったっけ……みんな、気にせず帰っていったけど、本当なら、講演終了のアナウンスが入る予定だった。
0
お気に入りに追加
18
あなたにおすすめの小説
母を訪ねて十万里
サクラ近衛将監
ファンタジー
エルフ族の母と人族の父の第二子であるハーフとして生まれたマルコは、三歳の折に誘拐され、数奇な運命を辿りつつ遠く離れた異大陸にまで流れてきたが、6歳の折に自分が転生者であることと六つもの前世を思い出し、同時にその経験・知識・技量を全て引き継ぐことになる。
この物語は、故郷を遠く離れた主人公が故郷に帰還するために辿った道のりの冒険譚です。
概ね週一(木曜日22時予定)で投稿予定です。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
夫から国外追放を言い渡されました
杉本凪咲
恋愛
夫は冷淡に私を国外追放に処した。
どうやら、私が使用人をいじめたことが原因らしい。
抵抗虚しく兵士によって連れていかれてしまう私。
そんな私に、被害者である使用人は笑いかけていた……
【完結】婚約破棄されて修道院へ送られたので、今後は自分のために頑張ります!
猫石
ファンタジー
「ミズリーシャ・ザナスリー。 公爵の家門を盾に他者を蹂躙し、悪逆非道を尽くしたお前の所業! 決して許してはおけない! よって我がの名の元にお前にはここで婚約破棄を言い渡す! 今後は修道女としてその身を神を捧げ、生涯後悔しながら生きていくがいい!」
無実の罪を着せられた私は、その瞬間に前世の記憶を取り戻した。
色々と足りない王太子殿下と婚約破棄でき、その後の自由も確約されると踏んだ私は、意気揚々と王都のはずれにある小さな修道院へ向かったのだった。
注意⚠️このお話には、妊娠出産、新生児育児のお話がバリバリ出てきます。(訳ありもあります)お嫌いな方は自衛をお願いします!
2023/10/12 作者の気持ち的に、断罪部分を最後の番外にしました。
2023/10/31第16回ファンタジー小説大賞奨励賞頂きました。応援・投票ありがとうございました!
☆このお話は完全フィクションです、創作です、妄想の作り話です。現実世界と混同せず、あぁ、ファンタジーだもんな、と、念頭に置いてお読みください。
☆作者の趣味嗜好作品です。イラッとしたり、ムカッとしたりした時には、そっと別の素敵な作家さんの作品を検索してお読みください。(自己防衛大事!)
☆誤字脱字、誤変換が多いのは、作者のせいです。頑張って音読してチェックして!頑張ってますが、ごめんなさい、許してください。
★小説家になろう様でも公開しています。
勇者に闇討ちされ婚約者を寝取られた俺がざまあするまで。
飴色玉葱
ファンタジー
王都にて結成された魔王討伐隊はその任を全うした。
隊を率いたのは勇者として名を挙げたキサラギ、英雄として誉れ高いジークバルト、さらにその二人を支えるようにその婚約者や凄腕の魔法使いが名を連ねた。
だがあろうことに勇者キサラギはジークバルトを闇討ちし行方知れずとなってしまう。
そして、恐るものがいなくなった勇者はその本性を現す……。
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
いつもの電車を降りたら異世界でした 身ぐるみはがされたので【異世界商店】で何とか生きていきます
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
電車をおりたら普通はホームでしょ、だけど僕はいつもの電車を降りたら異世界に来ていました
第一村人は僕に不親切で持っているものを全部奪われちゃった
服も全部奪われて路地で暮らすしかなくなってしまったけど、親切な人もいて何とか生きていけるようです
レベルのある世界で優遇されたスキルがあることに気づいた僕は何とか生きていきます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる