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LEVELZERO

揺らぎ

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「だ、大丈夫でしたか?」
「ああ……問題ない」
「……」
「?」

 物事が進み過ぎている不信感に、彼は違和感を覚えた。この、違和感に気付いた時、彼は既に遅かった。
 そう、野望に薄々気づき始めているのだ。始裂が。そして、始まりの少年もまた、事を起こそうとしていた。反乱。そう、彼には仲間が必要だった。

「なあ、終木神」
「はい?」
「反乱チームに来いよ」
「反乱チーム?」
「ああ。レベル制度をなくすためだけのチームだ」
「へえ……」

 お互いの策略がねっとりとまじりあう。それは、善なのか? 悪なのか? そして、仲間を失ったはずの始裂の顔には笑みが浮かんでいた。

「あいつは生きてるよ。俺が言ってるんだから本当だ」
「その自信は何処から……」
「んー。信頼。かな?」

 信頼。今の世の中聞かなくなった言葉の一つだ。少年が口にしたのは、少女への絶対的信頼だった。

「じゃあ、考えといてくれ。ここを出るまでに」
「あ、はい」
(入ります。なんて言うとでも思ってんのか? こいつは……)

 少年の心に、少しの揺らぎが生まれた。
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