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伊勢谷慎二/miu√
三国エルザ
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「ほう。私に用か」
「うん。そうなんだ」
「条件がある」
「え?」
「そいつを捨てて私と付き合え!!」
「はあ?!」
「ちょ、エルザさんそれはいくらなんでも!!」
「冗談冗談ははは」
冗談が言える口か、あんたは……にしても、なんかなあ、この人に相談する時点で何か負けてる気がする……ええい、気になるけど仕方ない、ダメもとでもやっちまえ! そうだ!! それだ!!
「わかった」
「え……?」
さ、寒気が。
「そんな冗談信じるなよ……」
あ、呆れられた。作戦違いじゃんか……これじゃあ僕がアホみたいだ。
「そうですから」
「人の心覗くなっ!!」
「てへっ」
まったく、美雨さんは……いつもこんな調子である。流石に圭たちの前ではやめてほしい。そして、一度別れて復縁してるのも事実。少しは気を使ってほしい。というか、使ってください。
はあ、こんなんで大丈夫かなあ……
「さて、用とは?」
「あ、ああ。これ」
僕は時空の裂け目を見せた。その反応は当然。
「ほう……亜空切断か」
「亜空切断……?」
「多分お前はB世界線じゃなく、異世界――そうだな。G世界線に干渉したんだ」
「そのGの意味は?」
「ごーるでんふぃっしゅ」
「ひらがなにするなっ!!」
「惚れたか」
いや、惚れてないわけじゃないんだ。今のドキッとしたし。でもね、うちの彼女は――
「へえ……? ほお……? ははーん?」
といった具合に、どす黒いのである。真黒だ。とても、とても。
「取りあえずこの管轄は晴ちゃんだ。彼女に尋ねてみるといい」
……晴ちゃんか。仕方ないけど、確かに晴ちゃんのが詳しそうだ。だが、亜空切断というヒントはなかなか大きい。うん、そうだ。亜空切断――それに匹敵する何かを僕は起こしてしまったんだ。
疑似亜空切断。とでも言っておこう。あくまで疑似だ。本当の物ではない。
「亜空切断……なんか引っかかるなあ」
「……」
「美雨さん?」
「私じゃ――駄目ですか?」
んんんんんんんんんんん?
「私じゃ――駄目なんですか?」
んんーー!!?!? どういう状況ですかこれは!!
「はっきり言ってください!!」
「美雨さんがいいです!!!」
「ならいいです」
満面の笑み。そうだ。忘れてた。晴ちゃんはヤンデレ、当然姉がそうじゃないわけがない。この姉妹――怖い。とても怖い。だから逃げようとしたことがあるが、腕を斬られかけた。と言った経験があるから、他の女に手を出せないのさ。
と、ドヤ顔で言ってみるが別に情けないだけである。
「うん。そうなんだ」
「条件がある」
「え?」
「そいつを捨てて私と付き合え!!」
「はあ?!」
「ちょ、エルザさんそれはいくらなんでも!!」
「冗談冗談ははは」
冗談が言える口か、あんたは……にしても、なんかなあ、この人に相談する時点で何か負けてる気がする……ええい、気になるけど仕方ない、ダメもとでもやっちまえ! そうだ!! それだ!!
「わかった」
「え……?」
さ、寒気が。
「そんな冗談信じるなよ……」
あ、呆れられた。作戦違いじゃんか……これじゃあ僕がアホみたいだ。
「そうですから」
「人の心覗くなっ!!」
「てへっ」
まったく、美雨さんは……いつもこんな調子である。流石に圭たちの前ではやめてほしい。そして、一度別れて復縁してるのも事実。少しは気を使ってほしい。というか、使ってください。
はあ、こんなんで大丈夫かなあ……
「さて、用とは?」
「あ、ああ。これ」
僕は時空の裂け目を見せた。その反応は当然。
「ほう……亜空切断か」
「亜空切断……?」
「多分お前はB世界線じゃなく、異世界――そうだな。G世界線に干渉したんだ」
「そのGの意味は?」
「ごーるでんふぃっしゅ」
「ひらがなにするなっ!!」
「惚れたか」
いや、惚れてないわけじゃないんだ。今のドキッとしたし。でもね、うちの彼女は――
「へえ……? ほお……? ははーん?」
といった具合に、どす黒いのである。真黒だ。とても、とても。
「取りあえずこの管轄は晴ちゃんだ。彼女に尋ねてみるといい」
……晴ちゃんか。仕方ないけど、確かに晴ちゃんのが詳しそうだ。だが、亜空切断というヒントはなかなか大きい。うん、そうだ。亜空切断――それに匹敵する何かを僕は起こしてしまったんだ。
疑似亜空切断。とでも言っておこう。あくまで疑似だ。本当の物ではない。
「亜空切断……なんか引っかかるなあ」
「……」
「美雨さん?」
「私じゃ――駄目ですか?」
んんんんんんんんんんん?
「私じゃ――駄目なんですか?」
んんーー!!?!? どういう状況ですかこれは!!
「はっきり言ってください!!」
「美雨さんがいいです!!!」
「ならいいです」
満面の笑み。そうだ。忘れてた。晴ちゃんはヤンデレ、当然姉がそうじゃないわけがない。この姉妹――怖い。とても怖い。だから逃げようとしたことがあるが、腕を斬られかけた。と言った経験があるから、他の女に手を出せないのさ。
と、ドヤ顔で言ってみるが別に情けないだけである。
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