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第3次世界大戦編
その日俺は勇者になった
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「おい!やめろよ!そんな……!嘘だろ……!?」
「気にしないで……この先きっと今より辛いことが沢山あるーーでも、あなたはきっと……」
「あああああ!!」
これは俺が勇者になるまでの過程を描いた物語である。
ーー
勇者とは。様々な困難に立ち向かいそれを跳ね除け勤めを果たすものである。あるいは自分の置かれた状況に絶望することなく世界を救うことを選べる人のことである。
4月の初めのことだ。俺は学院内で影の薄い男だったが何故か学院1の美女である五島さんに告白した。結果は玉砕。瞬く間にその告白が学院内に広まると、次の日から俺の居場所はなかった。それでも大学卒業を決めていた俺は学院を残り勉学に励むが、遂に自主退学を決意した。別に居心地が悪いとかでは無い。
その後、全てにおいて気力をなくし疲れ果てた俺は病院のカウンセリングにて「うつ病」と診断された。
幸い暴れたりとかそこまで行くレベルではなかったが、それでもしばらくは自分が鬱だと認めたくなくて自分の中で葛藤した。
しかしそれが無くなり、気力は戻らぬまま1年がたとうとしていた時だった。俺はーー出会いを果たす。
「今日もダメか……」
面接35社目。もちろん落ちた。面接は受けているが気力は戻った訳では無い。あくまで、今後の将来を考えた時に就職が1番だと判断しているからだ。しかし……なかなか上手くいかない。有名な大学を卒業、ではなく中退、だもんな。どこの会社もそこが気になるらしく、鬱になって自主退学。と素直に伝えるもののそんな状態のやつを雇ってくれるところなどそうそうない。探せばある、にはなるが一般企業からしたら健全な仕事が普通にこなせる人材が欲しいわけであり、鬱で情緒不安定で気力がないような奴が当てはまるか、と言われると微妙である。
とはいえ鬱病専用の作業所等は使う気はなく、このままこんな無駄な時間を使っていくのか不安だった。
「あの、すいません」
「え?はい」
面接が落ちた直後に気分転換に寄ったカフェでの出来事だった。突然俺には似合わないような美女が声をかけてきた。だがどこか様子がおかしい。目をきらきらさせ、こちらをじっと見つめてくる。
「あの……なにか?」
「間違いないですね!あなたが勇者様です!」
「……はい?」
言葉を失った。彼女は確かに勇者、と口にした。なんのだ?ゲームのやりすぎでおかしくなってしまったのか?と思ったがどうやら本気らしい。彼女の目はキラキラしていて、何かを訴えかけるように俺をじっと見つめる。
「あ、自己紹介が遅れました。私、13代目勇者御一行の1人、七瀬美雨です!」
「勇者……御一行?」
どうやら……とても厄介なことに巻き込まれようとしているらしい。
「気にしないで……この先きっと今より辛いことが沢山あるーーでも、あなたはきっと……」
「あああああ!!」
これは俺が勇者になるまでの過程を描いた物語である。
ーー
勇者とは。様々な困難に立ち向かいそれを跳ね除け勤めを果たすものである。あるいは自分の置かれた状況に絶望することなく世界を救うことを選べる人のことである。
4月の初めのことだ。俺は学院内で影の薄い男だったが何故か学院1の美女である五島さんに告白した。結果は玉砕。瞬く間にその告白が学院内に広まると、次の日から俺の居場所はなかった。それでも大学卒業を決めていた俺は学院を残り勉学に励むが、遂に自主退学を決意した。別に居心地が悪いとかでは無い。
その後、全てにおいて気力をなくし疲れ果てた俺は病院のカウンセリングにて「うつ病」と診断された。
幸い暴れたりとかそこまで行くレベルではなかったが、それでもしばらくは自分が鬱だと認めたくなくて自分の中で葛藤した。
しかしそれが無くなり、気力は戻らぬまま1年がたとうとしていた時だった。俺はーー出会いを果たす。
「今日もダメか……」
面接35社目。もちろん落ちた。面接は受けているが気力は戻った訳では無い。あくまで、今後の将来を考えた時に就職が1番だと判断しているからだ。しかし……なかなか上手くいかない。有名な大学を卒業、ではなく中退、だもんな。どこの会社もそこが気になるらしく、鬱になって自主退学。と素直に伝えるもののそんな状態のやつを雇ってくれるところなどそうそうない。探せばある、にはなるが一般企業からしたら健全な仕事が普通にこなせる人材が欲しいわけであり、鬱で情緒不安定で気力がないような奴が当てはまるか、と言われると微妙である。
とはいえ鬱病専用の作業所等は使う気はなく、このままこんな無駄な時間を使っていくのか不安だった。
「あの、すいません」
「え?はい」
面接が落ちた直後に気分転換に寄ったカフェでの出来事だった。突然俺には似合わないような美女が声をかけてきた。だがどこか様子がおかしい。目をきらきらさせ、こちらをじっと見つめてくる。
「あの……なにか?」
「間違いないですね!あなたが勇者様です!」
「……はい?」
言葉を失った。彼女は確かに勇者、と口にした。なんのだ?ゲームのやりすぎでおかしくなってしまったのか?と思ったがどうやら本気らしい。彼女の目はキラキラしていて、何かを訴えかけるように俺をじっと見つめる。
「あ、自己紹介が遅れました。私、13代目勇者御一行の1人、七瀬美雨です!」
「勇者……御一行?」
どうやら……とても厄介なことに巻き込まれようとしているらしい。
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