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引きこもりの僕がある日突然勇者になった理由。(LEVELZERO)

失望

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「レビスト財団の情報は何か手に入ったか?」
「はい。総統の名前は――」
「……本当か?」

 レビスト・クレア。またの名を――弓越憑。彼女は、レビスト財団の総統で、総統にして親友だった。それだけに、悔しかった。なぜこうなったのかと。何故こうなってしまったのか。と。敵対するつもりはなかった。戦うつもりはなかった。だが、少年は知らない。最初からこうなる運命だったと。最初からこうしなくてはならなかったのだと。

「……憑……なんでだよ……」

 最初の能力者である始まりの少年。そして、それを監視する役目として与えられらた少女は、弓越憑。と、名前を変えてずっと彼のそばに居た。最初から利用されていた。そう気づいた時には少年の心で何かが壊れた。何かがぶっ壊れた。

「最初から……利用されてた……? 人工能力は俺の能力を解析して作られた……? ばかげてる……」
「始裂さん……?」
「ばかげてる!!!」

 始まりの少年は始まったことを裂くことしかできなかった。始まりを裂き、始まりを終わらせる。終りとはじまり。始まりの少年は気づいた。終わらせるために終木神が派遣されたのではないかと。まだ、彼女の心は救えるんじゃないかと。

「なあ、終木神」
「はい?」
「知ってたのか?」
「いえ……顔は似ているなあ、くらいの認識で……」
「そうじゃない!! 俺を監視するための役割がお前にあったか、だ!」
「……知ってました」
「なんで言わなかった!?」
「言えるわけないじゃないですか!! こんなこと!!」
「……」

 険悪なムードが、教室に漂っていた。
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