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引きこもりの僕がある日突然勇者になった理由。(LEVELZERO)

本音

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「失っていないお前にわかるか……?」
「わかりますよ……僕だっていっぱい失いました、いっぱい無くしました!!」
「つ……」
「だから、無理してほしくないんです」
「……そうだな。分けよう」
「はい」

 それでいいんです。と、終木神。失ったもののさが変わりないと彼はいうが――
 それはあくまで負け惜しみだった。あくまでも彼を説得するためだった。

「どうしても――復讐しなきゃダメなんですか?」
「憑は唯一の親友だったんだ……それを殺されて平気なもんかよ!!」
「そうですね……確かにそうです。でも、だからなんなんですか!!」
「!?」
「僕だってたくさんの人が死ぬのを見ました!!」
「……」

 復讐鬼を止めるのは同じ復讐鬼。終木神。彼は、レビスト財団に復讐を誓っていた。ばかげた研究をして、自分を監視者として置いたレビスト財団を。

「僕の能力……レビスト財団で無理やり与えられたんです」
「え……?」
「LEVELZEROなんてものじゃないんですよ……人工能力。それがこの力の正体です」
「じゃあ……俺たちの能力も……」
「いえ。それは紛れもない天然の能力です。……それを知るために、奴らは……!!」
「……似た者同士、か。結局最後まで」
「はい」

 二人の共通点はたくさんあった――それはすべて、お互いを語らずともわかることだろう。
 それだけに、二人がぶつかり合う回数は他の誰よりも多かった。

「いいか、隆二。俺たちは復讐鬼になるんじゃない――ヒーローになるんだ」
「分かってるよ、翔」

 二人の絆は――深まっていった――
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