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2部 再起編

Project.34 過酷な状況を超えて

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 十六夜君は家に戻った直後から浅篠さんのリハビリを開始していた。時に厳しく、時に優しく接してきた今までとは違い完全に薬から抜け出すために厳しさを全面に出していた。それは嫌いだからとかムカつくからとかではなく厳しくしないとそれだけ抜けられないものが薬、ということだった。

「ある程度自分達で見れたら専門機関に見てもらう。いいな?」
「......うん」

 それは最初から決めていたことのようで十六夜君が最後まで面倒を見る訳ではなく、十六夜君とのリハビリである程度自分にコントロールできる力が戻って来たくらいに専門機関で見てもらい、克服する。という流れだった。もちろん上手くいくかは本人の頑張り次第だし、途中でまた厳しさから薬を始める可能性もある。完全に本人の心の中の葛藤が大事になってくるんだ。
 オマケに本来なら警察の元で二、三年の懲役の元で過ごすはずなのを色々な力を使いそれを止めさせたのだ。絶対に復帰させないといけない使命があった。

薬を抜くにはいきなりではなくだんだんと抜いていく必要がある。魔力のあるものほどよく使う、という風になるが使わなくする、というのはとても難しい。断食とかダイエットとかそういうのとは完全に違うのだからその難しさがよくわかる。

 リハビリ中何回も何回も彼女はまた薬を......という風になってしまったらしいがリハビリを初めて半月以上が経つ頃には自分からある程度抑制できるようになっていたと言う。正直ここまでの回復速度はありえないという。薬を抜いていくなんて半月じゃとても出来ないことであり、本来なら一年以上確実にかかる行為だ。それを半月......果たして十六夜君のリハビリがよかったのか本人が凄いのか。
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