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2部 再起編

Project.27 あの時の裏で

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 面談。刑務所のちょっとした面談だ。相手は元社長。表向きでは浅篠さんとの関係がバレ打ち消すために自首したと言うが。本人は被害者側の名前を特定するのはやめろ、とマスコミに言ったもののネットでは特定され出回ってしまった。しかしそれが本当のことだとは分からない。騒ぎ立て正当化しようとしている人間が居るだけなんだと。騒ぎ立て正当化することで彼らは自分たちの承認欲求を見たしフォロワーだったりお金を稼ぐ。だけどそれは本当に正当化されていいものだろうか? だからこそ探偵のような真実を伝える人間も必要ということか。

「来ると思ってたよ」
「話が早くて助かります。和希ちゃんは今芸能界から追放されていい人間では無いです。だからこそ、せめて真実を求めている人間にだけは教えて頂けませんか? あなたがーー自首した本来の目的を」
「だけど約束してくれ。あの子を薬から引き離して、芸能界に戻してやってくれ」
「ああ、そこまでご存知でしたか……」

 社長さんいわく、つい先日浅篠の付き人です。という人間が話を聞きに来たと言う。恐らく十六夜くんだ。彼の方が少しだけ先だった。十六夜くんもまた浅篠さんの為に真実を知ろうとしていた。
 私達もまた知るべき真実であるから追求する。それだけの事だった。

「私が自首したのは社員に数名、反社会勢力と繋がりを持ってしまった人間が居てな。そいつら、弘子さんを追いやった張本人達なんだ」
「では、貴方はその勢力から少しでも和希ちゃんを守るために?」
「ああ。それもあるよ。でもな……あいつら、自首の見返りに何を渡したと思う?」
「え?」
「弘子さんの……遺体だよ」

 社員さんの話では浅篠弘子は薬で捕まったあと姿を消した。それは芸能界だけではなく、浅篠さんや表舞台の前からめっきりだ。事件後暴力団組織から薬の取引相手として自分たちの監視下に置かれた上で、薬物漬けに。そしてそのあと彼女自身が耐えきれなくなり、自殺したらしい。
 だけどそんなの表向きになってしまったら暴力団とはいえあとが無い。社長さんを……スケープゴートにしたのだ。
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